新型コロナウイルスの流行によって外出することが減ったり、仕事でもテレワークが推奨され、在宅勤務をする機会が増えたりと、以前よりも自宅にいる時間が長くなっている人が多いと思います。生活環境が大きく変化する中、マイホームとしてマンションを購入する際にはどのような点に気をつければいいのでしょうか。

今回は住宅ジャーナリストの山下和之さんに教えていただいた、withコロナ時代だからこそ知っておきたい、マンションを購入するときの選び方のポイントや注意点などを紹介していきます。

高層マンションイメージ

2020年5月までは営業を自粛した不動産会社が多かったため、新築マンションの販売戸数は極端に減少しました。しかし、比較的売りやすい都心などの高額マンションが中心に販売されたため、平均的な価格は昨年よりも上がっています。秋以降は郊外物件も増えて、平均価格はやや下がるかもしれません。

 

郊外の物件の動きで注目したいのは、広めで安いマンションが売れるようになっていることです。都心から1時間以上かかるような場所にある物件でも、専有面積80平米以上の新築マンションがよく売れているようです。新型コロナウイルスの影響で生活様式が変わってから、住み替えや引越しを考えている人が増えているといえるでしょう。

 

中古マンションの成約件数も減っていますが、こちらも価格は下がることなく横ばいが続いています。一時期は「これから安くなるのでは」という危機感から値下がりする前に売ろうとする人もいましたが、現在はその傾向も比較的落ち着いています。

マンションイメージ

withコロナの今、マンションを購入することは一戸建てを購入することと比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

 

【メリット】

  • 駅に近く、生活に便利な施設が周辺に多い
  • 大規模な物件なら共用施設も充実している
  • テレワークに対応した設備などが付いた物件もある

【デメリット】

  • 3密(密集・密接・密閉)の状況が生まれやすい
  • 上下階、両隣などの物音が気になる可能性がある

マンションのメリットは一戸建てに比べ利便性が良い点です。超高層マンションなど大規模な物件なら、大型のショッピングセンターなどが近くにある可能性も高く、生活するのに非常に便利です。駅に近い物件も少なくないでしょう。また、大規模な物件ではジムや、テレワークに便利なコワーキングスペースなども設置されている場合があります。

 

反対にそれだけ大規模な物件では、大勢の人が集まるケースも増えます。特にエレベーターなどは要注意です。そのほかにも、テレワークで在宅時間が長くなれば自宅で子どもが出す音や近所の生活音が気になり、仕事に集中できない可能性も出てきます。

 

このようにマンション購入は一戸建てよりも便利さで大きなメリットがありますが、一方で3密の状況や騒音などの問題があります。どちらを選ぶかは事前によく検討しましょう。

郊外のマンション

在宅勤務が多いのであれば、会社との時間や距離、最寄り駅からの徒歩時間などをさほど気にせずに、広くて快適に暮らせる場所を選ぶのもよいでしょう。具体的には都心から少し離れた郊外が狙い目です。

 

テレワークでは働く場所を選ばないため、出社する日が月に1回程度なら思い切って遠方へ移住することも選択肢のひとつになるでしょう。

 

どのようなエリアが注目されているかは、こちらの記事も参考にご覧ください。

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マンションは、高い物件ほど立地や設備などの条件も整っており資産価値が下がりづらい傾向があります。ですから、コロナ禍であったとしても、自分たちが買える範囲で適切な価格のマンションを購入するのが基本です。

 

もし、コロナの影響で収入が減少した、あるいは減少の可能性が高いということで将来的に不安があるようなら、慌ててマンションを購入する必要はないでしょう。新型コロナ感染の流行が落ち着いてから改めてマンションを検討するほうが、物件のグレードや周辺環境などの満足度もマッチするかもしれません。

新型コロナの影響により自宅でテレワークを行うなら、最低限デスクやパソコンを置けるスペースが必要です。在宅勤務を行うには居間などの家族みんなが集まる場では難しいため、以下のことに注意しましょう。

 

できるだけ広い物件を選ぶ

テレワーク対応を意識するとできるだけ広い物件が理想となります。現在のマンションの平均専有面積は60平米台ですが、テレワークに対応した物件としては80平米近い広さが望ましいでしょう。

 

仕事スペースとくつろぐスペースを分ける

テレワークが基本となると、日中家にいる機会が以前と比べ非常に多くなります。メリハリをつけるため、仕事に集中できるスペースとリビングなどくつろげるスペースはしっかり分けるようにしましょう。仕事部屋を用意するのが難しい場合は、ついたてなどで簡易的な仕事スペースをつくるのも手段のひとつです。また、日中のほとんどを家族全員が自宅で過ごす可能性が高くなるため、それぞれが一人になれるスペースを用意しておくと、お互いにストレスをためることなく生活できるでしょう。

テレワークで平日の日中でも在宅することが多くなり、今までは気がつかなかった周囲の騒音などが気になる可能性が高くなります。そのため、あらかじめ日中の周辺環境についても十分にチェックしておく必要があります。

 

在宅勤務することを前提にすれば、望ましいのは仕事に集中できる静かな環境です。たとえば、幹線道路の近くを避けるなど交通量の少ない場所や、近くに公園がない場所など、できるだけ静かな場所にあるマンションを選びましょう。

 

食事は3食とも家で食べることが多くなるので、近所もしくは車で行ける場所に食料品をまとめ買いすることができる大きなスーパーなどがあれば便利でしょう。料理するのがちょっと面倒なときのために、デリバリーが利用できるエリアかどうかを調べておくのも忘れないようにしましょう。

通勤する女性

新型コロナウイルスの影響で仕事がほぼテレワーク中心となることが分かっていれば、無理に駅に近い物件を選ぶ必要はありません。会社までの時間や距離、最寄り駅から歩く時間よりも、自宅周辺の住環境を優先して選ぶのがよいでしょう。

withコロナの今、マンション選びで気をつけたいのは3密になりやすい場所があることです。どのような点に気をつけて選べばいいのでしょうか。

 

エレベーター

まず、エレベーターに注意しましょう。特に超高層のタワーマンションでは長時間複数の人が乗り合わせる機会が多いため、3密になる可能性が高くなります。そのようなマンションに住む場合は低層階の部屋を選び、エレベーターを使用せず階段を使うなど工夫するのもひとつの手段です。古いマンションの小さなエレベーターの場合は、そもそも換気が悪いことがあるので注意しましょう。

 

また、大規模マンションのエレベーターでは1台当たりの定員が制限されていて、通勤時になかなか乗れない場合もあります。テレワークが基本なら平日に乗る機会も少なくなるかと思いますが、たまの出勤などではこういったトラブルに巻き込まれる可能性もあるので、事前に混雑する時間帯などを確認しておきましょう。

 

内廊下

マンションの内廊下では空気が滞留しやすいため、換気を徹底している物件を選びましょう。内廊下は天候に左右されず便利な面もありますが、新型コロナなど感染症予防の面から見ると話は別です。なるべく内廊下のものは避け、どうしても内廊下の物件がいい場合は、しっかりと換気が徹底されているか確認しましょう。内装がきれいであっても、注意が必要です。

一戸建てに比べ、マンションはさまざまな共用設備を利用できるのが大きなメリットです。共有のワークスペースのあるマンションがいい、宅配ボックスは必須など、設備面のこだわりは人それぞれだと思います。三井不動産株式会社の調査によれば、withコロナ時代の今、ニーズが高まっているマンションの設備として「宅配ボックス」が挙げられています。とはいえ、宅配ボックスが付いていても数が少ないとすぐに満杯になってしまい、ほかの人が使えないというデメリットもあります。

 

そこで、不動産会社の株式会社大京ではメールボックスに宅配ボックスが付いた新築マンション、三井不動産や三菱地所株式会社では各戸の玄関前に宅配ボックスが付いた新築マンションを売り出しています。宅配サービスをよく利用する方は、こうした物件を選ぶのもよいでしょう。

 

また、Wi-Fiなどのインターネット設備が備わっている物件もありますが、通信費の計上方法や通信速度などをしっかり確認しておく必要があります。特にWeb会議などのように動画を送受信する場合は大容量の通信を行いますので、注意しましょう。

ライブラリーやコワーキングスペースがある大規模物件はテレワークに非常に便利なのですが、換気や消毒などの対策・管理がしっかり行われているかどうかが重要です。管理会社の取組みなどについてもチェックしておきましょう。

新型コロナウイルスばかりに意識が向かいがちですが、災害リスクに関してチェックしておくことも重要です。基本的には国土交通省から提供されているハザードマップで赤く塗られていないエリアの物件を選ぶようにしましょう。

 

2018年12月の防災会議などの報告によれば、平成30年7月豪雨の際、倉敷市真備地区で浸水被害があった範囲はハザードマップで示された浸水想定区域とほぼ一致し、土砂災害による犠牲者の約9割がハザードマップで「リスクが高い」と指摘された土砂災害警戒区域内等で発生していました。しかし、ハザードマップの内容を理解している人は24%程度と少なく、居住地の水害危険性を軽視している人が多いことも分かりました。こうした課題がある中、2020年8月から国土交通省は売買契約の重要事項で水害リスクについての説明を義務化しています。

 

ハザードマップ以外のチェックも忘れずに

海や川の近くで水害リスクが高いことはよく知られていますが、造成前の土地の利用状況についてもよく注意しましょう。田んぼを埋め立てた場所などは水が出やすく、大地震の際には内陸部であっても液状化現象が発生しやすい傾向にあります。また、地名についても注意が必要です。地名に水にまつわる名前が付いていれば、他の場所と比べて何らかの水害が起こる可能性があります。事前に調査をしておきましょう。

内見する夫婦

不動産会社を選ぶ基準は、withコロナに関係なく、豊富な実績があるかどうかや、信頼に値する会社かどうかです。何社か不動産会社を回れば、それぞれの違いや信頼できる会社なのかを判断できるようになるはずです。情報量はもちろんですが、この人になら任せられるという信頼できる担当者を見つけることが重要です。

 

必ず複数の不動産会社を確認する

具体的には、まず住みたいエリアを絞り込み、全国網の大手と地元密着型の中小を数社回り、その中から信頼できる担当者のいる会社を見つけましょう。中小の不動産会社を選ぶときには信頼できる会社かどうか、宅地建物取引業者名簿をチェックしたり、これまでの実績などを調べたりすることも忘れずに行いましょう。

 

物件はしっかり自分の目で確認する

注意したいのが、自分の目でしっかり物件をチェックすることです。新築マンションを購入する場合は物件の実物・内装は見られませんが、周辺環境などはチェックできます。モデルルームのシアターなどで見られる映像だけで完結せず、マンションの場所や学校、商業施設などがどんな場所にあるのか、自分の目でしっかり確認しましょう。

 

中古マンションの場合は実物を見ることができるので、現地を何度か訪れ、3密を避けられるような構造や設備が備わっているかなど確認しておきましょう。駐輪場やゴミ置き場などがきちんと整理されているかなどをチェックすれば、どんな住民が住んでいるかもある程度予想することができます。

 

もしチャンスがあれば、実際に住んでいる人に住み心地を聞いてみてもいいでしょう。マンション周辺の住環境は、マンションの価値にも影響します。何千万円もする非常に大きな買い物なので、念には念を入れましょう。

物件は実際に自分で訪れること・見ることが一番ですが、新型コロナウイルスの感染防止策として、さまざまな業務やイベントがオンラインで開催されるようになっており、オンライン相談や内見に対応している会社も増えてきました。不動産会社スタッフにビデオ通話で相談できるのは、遠方への引越しで現地の不動産会社に行く時間が少ない人や、気になる物件について空いている時間で質問をしたい人にもうれしいサービスです。オンライン相談を行う場合、以下のようなことに注意しましょう。

 

気になることはあらかじめ書き出しておく

実際に対面して相談するわけではないため、勝手が違って戸惑ってしまうこともあるかもしれません。チェックしておくべきポイントはあらかじめ書き出しておくと当日の聞き忘れを防ぐことができます。

 

良好な通信環境を整えておく

オンライン相談はインターネットに接続して行います。そのため、自身のネット環境に通信制限がかかっている場合などでは、オンライン相談がスムーズに行えない可能性があります。相談当日に焦らないよう、あらかじめ良好な通信環境を準備しておきましょう。

 

LIFULL HOME’Sではオンライン相談ができる物件の特集をしているので、利用したい場合はその中から選んでみてはいかがでしょうか。
賃貸物件の場合は、オンライン内見や重説(重要事項説明)のサービスを利用することもできます。

withコロナの今、マンションを購入するなら広さや住み心地、住環境などを考慮して選ぶことが重要です。通勤時間や駅近よりも、間取りや災害リスク、周辺施設などについてもしっかり考え、実際に自分の目で確認してから購入しましょう。

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