分譲マンションを購入した場合、近隣トラブルがあっても、引越すという選択はなかなか取りにくいものです。特に騒音トラブルはお互いに避けたいところ。騒音トラブルが起こりにくいマンションを見つけるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。この記事を読んで静かに過ごせる部屋の探し方を知り、同時に自分自身が騒音の発生源にならないようにするための方法も覚えておきましょう。

騒音に悩む女性

分譲マンションにおける騒音には主に2種類があります。まずはその内容を詳しく知っておきましょう。また、どこからが”騒音”として判断されることになるのかという基準も設けられているので、参考にすることもおすすめします。

分譲マンションで発生する音の種類は”空気音”と”個体音”の2種類です。空気音は、空気によって伝わってくる音を示す言葉であり、具体的には人間の話し声や音楽などがこれにあたります。

 

一方の個体音は、マンションの構造そのものが発生させている音です。たとえばエレベーターが稼働する音やトイレの水が流れる音、エアコンなどの空調を作動させた際に発生する音のことです。

 

この特徴を考えれば分かりますが、空気音は生活環境の改善によって軽減できるのに対して、建物自体に問題が起因している個体音は、解消することが難しい騒音です。

環境省が定める”騒音に係る環境基準”によると、住宅地の騒音基準は地域によっても異なりますが、昼間は50~60デシベル以下、夜間は40~50デシベル以下を基準として考えるように求められています。

 

これ以上の音は騒音として認識して構わないというガイドラインになっていますが、これはあくまでも目安にしかなりません。人間の話し声は50デシベルを超える場合が多いとも言われており、この基準を厳格に守ると夜間は自宅で話すことさえできなくなってしまいます。騒音と捉えられるかどうかは、マンションの構造や人の感じ方次第で変わりますので、それぞれの環境に合わせて臨機応変に対応しましょう。

自分自身が騒音に悩まされない物件を選ぶために、重視すべきポイントを解説します。騒音が発生しにくい構造の物件を選ぶことも大切なので、構造の違いや特徴についても整理しておきましょう。

一般的な分譲マンションの場合、鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリートのいずれかでつくられていますが、いずれも防音性の高い構造です。この2つは混同されることも多いのですが、厳密に見ると違いがありますので、その違いを覚えておきましょう。

鉄筋コンクリート

RC造とも呼ばれる鉄筋コンクリートは、コンクリートの内部に鉄筋を埋め込んだ建材を使用しており、気密性が高まるため防音性能も高くなります。耐火性能に優れている点も特徴です。

鉄骨鉄筋コンクリート

SRC造とも呼ばれる鉄骨鉄筋コンクリートは、鉄骨を鉄筋とコンクリートで補強した建材でつくられています。鉄筋コンクリートと比較して耐震性がさらに高く、多くのタワーマンション等で採用されていますが、防音性は鉄筋コンクリートとほぼ変わりません。

部屋の壁が分厚ければ、その分だけ音漏れを軽減できます。壁の厚みは間取り図だけで判断はできないので、分譲マンションを購入する際には必ず内見を行うことが重要です。建築中の新築物件で実際に確認ができないという場合は、壁の厚みや防音性について必ず担当者に質問しましょう。

 

内見できた場合は、拳で軽く壁を叩き、どんな音がするか確認します。重くて鈍い音がする場合は壁の密度が高く、気密性に優れていますが、手応えがなく軽い音がする場合は壁が薄い可能性が高く、音漏れが起こりやすいリスクを抱えています。

角部屋を選ぶことによって、右隣、あるいは左隣からの騒音を確実にカットできるため、騒音トラブルのリスクが低下します。同じ理由で最上階を選べば、すぐ上の階に住む住人の足音が響かなくなるので、騒音に悩まされる確率が低下します。最上階でなおかつ角部屋となれば予算は上がってしまいますが、騒音を避けやすいというメリットは得られます。

騒音トラブルは同じマンションの住人だけが引き起こすものではありません。たとえばすぐ近くに電車の線路があったり、大型トラックが多く走行する道路があったり、高速道路があったりする場合には、乗り物による騒音で四六時中悩まされてしまう可能性もあります。

 

観光客が多いエリアの物件や、深夜に多くの人々が行き来する繁華街にある物件を選んだ場合も同様です。分譲マンションからは簡単に引越せませんから、物件の条件だけで住まいを選ぶのではなく、周辺環境についても詳しく調べた上で購入を決断しましょう。

防音マットを敷く女性

騒音トラブルは自分自身がつらい目に遭うだけでなく、自分が加害者側になってしまうリスクもはらんでいます。静かに生活しているつもりでも、意外な形で近隣の人々に迷惑をかけている場合がありますので、自分が騒音を出さないように防音対策を行い、トラブルを予防できるように意識しましょう。

下の階に住む住人や、両隣に住んでいる住人の迷惑になる可能性が高い騒音が足音です。なるべく静かに歩くように意識したとしても、人々が寝静まった時間帯の足音は想像以上に響きやすく、対策しておかなければトラブルに発展するかもしれません。足音は自分自身で意識しにくい騒音なので、余計に厳重な対策をする必要があります。

 

この場合の対処法は簡単で、クッション性の高いスリッパを履くだけで騒音を防止できます。一般的な素材のスリッパは、歩く際にむしろペタペタという音が目立ってしまう場合がありますが、モコモコした素材のスリッパを選べば衝撃が吸収され、足音が響きません。数百円程度でも購入できるアイテムなので、特に近隣の部屋から足音が聞こえたことがある場合には、自分が騒音の元にならぬように揃えておくとよいでしょう。

意外な騒音として、家電の振動音もあります。特にトラブルになりやすい家電は洗濯機で、洗濯の際に発生する音のみならず、洗濯機が揺れることで床に振動が伝わり、両隣や階下の部屋に響いてしまうことがあります。

 

家電の振動を抑えるのは大変そうに感じますが、実は対策用の防振ゴムや防振シートが販売されており、こういったアイテムを使えば簡単に振動音を抑えられるようになります。家電への対策を済ませておけば、自分自身が感じる騒音のストレスも軽減できますので、購入しておきたいアイテムの1つです。

 

また、洗濯機のような家電は使用する時間帯にも気を配りましょう。仕事の都合などで深夜に使わざるを得ないこともありますが、洗濯機はできる限り日中に動かすことを意識し、休日の昼間を使って一気に洗濯することもおすすめします。

その他にも人間が通常の生活を送る上ではさまざまな騒音が発生することになりますので、さまざまなアイテムを使ってトラブルが起こらぬように対処しましょう。たとえば床に防音マットを敷けば足音が響きにくくなりますし、誤って床に物を落下させてしまったりした場合にも、騒音を最低限に抑えられます。

 

防音カーテンは、窓から外部に音が漏れることを防止できるアイテムであり、窓以外の壁には防音シートを貼ることで音漏れを軽減できます。防音シートはさまざまなタイプの商品が販売されており、本格的な工事が必要な物がある一方で、賃貸の物件でも使えるようなシールタイプの商品もありますので、気軽に対策を進めることも可能です。

 

これらのアイテムは、内側で起きた騒音を外側に出さないようにブロックできることに加えて、外側の騒音を部屋の中に響かせないという機能も備えています。一度設置してしまえば、自分が起こす騒音で近所の人を悩ませる可能性も、他人が出す騒音に自分が悩まされる可能性も低減できるので、金銭的な余裕がある場合にはすぐに対応することをおすすめします。

もしも近隣住民による騒音に困っても、その住民と直接話し合うことは避けてください。自分では事実を伝えて軽く指摘したつもりでも、逆恨みを買ってしまうケースは多く、重大なトラブルに発展するリスクがあるためです。

 

それではどのように対処するのが正解なのかと言うと、管理会社と連絡を取り注意喚起してもらうという方法を選ぶことがベストです。管理会社を通せば匿名の通報として対処してくれますし、規約にのっとった根拠のある指摘も依頼できます。自分自身が危険な目に遭ったり、嫌な思いをしたりすることもなくなるので、騒音を感じた場合はまず管理会社の担当者に話を通しましょう。

騒音トラブルを防ぐためには、防音性に優れた構造のマンションや騒音が届きにくい立地の部屋を選び、問題を感じた場合には直接やり取りをするのではなく、管理会社を通して注意を依頼しましょう。

騒音問題は知らぬ間に自分が加害者になりがちなトラブルでもありますので、自分自身が騒音を出さないための対策もしっかりと行い、トラブルを予防してください。

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