マンションの建て替えは行われている?

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マンションの寿命は物件によって異なります

分譲マンションのほとんどは鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造であり、法定耐用年数は47年です。
しかし、これは税務上の減価償却年数であり、実際のマンションの寿命は建物の品質やメンテナンス状況により変わってきます。
1970年代の高度成長期に建てられたマンションは、長期修繕計画にもとづいた修繕が行われていなかったことや品質の問題などから老朽化が進み、築30~40年程度で建て替えられた物件もあります。一方、同潤会アパートなど堅固な構造で建てられた物件は、築70年程度で建て替えられました。

しかし、実際に建て替えられたマンションはごくわずかです。国土交通省の調査によると、2016年末の分譲マンションのストックで、築50年を超える住戸は4.1万戸、築40年を超えて築50年未満の住戸は58.9万戸、築30年を超えて築40年未満の住戸は109.7万戸あります。(※1)一方、建て替えが実施されたマンションは物件数ベースのデータになりますが、2017年4月の時点で工事中の物件を含めて、234件にとどまります。(※2)

※1 国土交通省「築後30、40、50年超の分譲マンション数(平成28年末現在)」
※2 国土交通省「マンション建替えの実施状況(平成29年4月1日現在)」

マンションの建て替えはなぜ進まない?

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住民の4/5以上の賛成が必要です

マンションの建て替えが進まない理由は、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要なことと、建て替えにかかる費用負担の大きさです。

マンションの建て替えを行うまでの流れをみていきましょう。まずは、マンションの管理組合で建て替えを検討するための組織を立ち上げ、総会で建て替え推進決議を行い、「建て替えを計画すること」の合意を得ます。次にデベロッパーなどの事業協力者を決定し、建て替え計画を策定します。そして、総会で建て替え決議を行い、区分所有者と議決権の5分の4以上の賛成が得られれば、建て替えを進めていくことが可能です。

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マンションの建て替え時には
別の住まいを見つけなければなりません

しかし、マンションの建て替えには、仮住まい費用や建設費の自己負担金が発生するため、費用負担の大きさから反対する人が少なくありません。
築年数の経過したマンションでは所有者の高齢化が進んでいるケースも多く、変わらない環境で静かに暮らしたいと考える人もいて、5分の4以上の合意を得るのは難しくなります。

一般的に建て替えがスムーズに進む物件は、自己負担金が発生しないケースに限られるようです。容積率に余裕があると、建て替え後にマンションの戸数を増やすことが可能。さらに、立地条件がよいマンションは、建て替え後に増加した分の住戸を販売し、建て替え事業を行うデベロッパーの利益が見込めるため、自己負担金が発生しないのです。

寿命の長いマンションを選ぶべき

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適切なメンテナンスや管理が
されているか確認しましょう

容積率に余裕があり、立地条件のよいマンションは限られているため、多くのマンションでは自己負担金ゼロでの建て替えを行うことはできません。コンクリートは100年持つと言われているため、長期修繕計画にもとづいて、適切な時期に大規模修繕工事を行うといったメンテナンスを実施していれば、寿命を長引かせることができます。

中古マンションを購入する場合には、修繕積立金が潤沢に積み立てられているか、長期修繕計画が立てられ、大規模修繕が適切に行われているかを確認することが大切です。実際に物件を見にいくときは、メールボックスやゴミ置き場でゴミが散乱していないか、自転車置き場は整えられているかなど、管理状態をチェックしましょう。ただし、建物の状態を正確に見極めることは難しいため、専門家による住宅診断を行うことも選択肢となります。

また、住宅性能表示制度にもとづく「住宅性能評価書」がついた中古マンションなら、住まいの性能が等級や数値で表されているため、比較検討がしやすいです。国土交通省に登録された専門家によって建物検査が実施されています。「LIFULL HOME'S 住宅評価」では、住宅性能評価書がついた中古住宅を検索することができます。

建物検査済み物件を探す

寿命の長いマンションは資産価値が高い

中古マンションは立地条件や築年数が同程度であっても、管理状態によって資産価値が大きく異なります。適切に修繕が行われている管理状態のよいマンションであれば、建物の寿命が長く保てるうえに、値崩れもしにくいです。管理状態がよいマンションは建て替えのリスクが抑えられるうえに、売却もしやすいため、将来の選択肢を多く持つことができます。

まとめ
・マンションの建て替えが必要な時期は建物の品質やメンテナンス状況による
・所有者の合意形成や費用負担の問題から、実際に建て替えられたマンションは少ない
・住宅性能評価書つきの物件を選ぶなど、建物の状況を確認して、寿命の長いマンションを選ぶべき