借地権とはどのような権利か?

借地権は、建物を建てるために土地を借りる権利のことです。

大正10年に制定された借地法(旧借地法)が適用されている土地もありますが、ここでは平成4年8月から施行されている定期借地権普通借地権を中心に解説していきます。

◆定期借地権
定期借地権は平成4年8月に創設された権利で、期限付きで土地の賃借を行い、期間満了後には立退料などの負担もなく所有者に土地が戻ります。
定期借地権は3種類ありますが、借地権付きマンションで主に利用されているのが「一般定期借地権」と呼ばれるものです。
一般定期借地権の契約期間は50年以上となっています。

◆普通借地権
普通借地権は、定期借地権とは異なり、期間満了後に借地人が希望すれば契約が更新されます。
最初の契約では存続期間は30年で、1回目の更新で20年、2回目以降の更新で10年と存続期間が定められています。

借地権付きマンションの流通状況など

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借地権付きマンションは多くはありません

借地権付きマンションがどの程度、流通しているのか見ていくことにしましょう。

まず、国土交通省が行った『平成21年度定期借地権付住宅の供給実態調査』(※1)によると、平成5年から平成21年までの累計で分譲マンションは20,711戸、平成21年の供給数は620戸になっており、平成13年の2,281戸をピークに減少しています。
また公益財団法人日本住宅総合センターの調査(※2)によると、平成28年度は14件1,193戸(収集事例数)で、都道府県別では東京都の561戸が第1位となっています。

これらのデータから、借地権付きマンションに絞ると流通量は決して多いとは言ません。

また借地期間は、国土交通省の同調査によりますと、50年を少し超えた期間が最も多く、平均は51年2ヵ月となっています。
※1 出典:「平成21年度定期借地権付住宅の供給実態調査」国土交通省
※2 出典:「定期借地権事例調査(2016年度)」公益財団法人 日本住宅総合センター

3つの方式がある一時金の種類

土地を借りるときに一時金を支払うケースがあります。
一時金には保証金方式、権利金方式、前払賃料方式の3種類あり、併用される場合もあります。

保証金方式:借主による賃料不払いなどに備えて支払わなければならない一時金で、契約終了後に返還される。
権利金方式:定期借地権設定の対価で、借主には返還されない。
前払賃料方式:賃料の一部又は全部を前払いする。

国土交通省の同調査によりますと、上記の3種類のうち、最も多いのが販売単位ベースで保証金方式(93.1%)となっています。これらの方式は、後で解説する住宅ローン控除にも関係してきますので、注意が必要です。

所有権マンションと借地権付きマンションの違いは?

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借地権付きマンションの場合には
返却しなければいけない時期がきます

一般的に所有権があれば、その土地を自由に使うことができ、一定期間後に使えなくなるということはありません。

一方、借地権付きマンションは定期借地権となり、期間満了後は更地にして土地の所有者に返さなければなりません。

また土地は借りているため固定資産税や都市計画税の負担はありませんが、地代を支払う必要があります。
これだけですと所有権マンションの方が優れているように思えるかもしれませんが、借地権付きマンションにもメリットがあります。

それぞれのメリットとデメリットについて見ておきましょう。


所有権マンションと借地権マンションのメリット・デメリット
所有権借地権
メリット土地の価格が上昇したときに売却すると利益を得られる。所有権マンションと比べて価格が80%程度となる。
土地の固定資産税や都市計画税の負担がない。
デメリット土地の固定資産税や都市計画税の負担がある。
借地権付きマンションと比べて価格が高くなる。
土地を返還しなければならない。
地代を支払うが、値上がりする可能性がある。
期間満了後は更地で返却なので、建物を取りこわすための解体積立金が必要となる。
売却できるかどうかが不透明
住宅ローンを組みにくい。

※参考:国土交通省「定期借地権の解説 10.住宅購入者の視点」

借地権付きマンションを購入するときの注意点は?

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借地権付きマンションの売却も考える場合には
買い手の返済期間についても注意しましょう

◆長期の住宅ローンが組みにくい
銀行によっては一般定期借地権付きの住宅の購入や建築資金で利用できる住宅ローン商品を扱っています。
所有権マンションとは異なる、次のような融資期間に関する条件があります。

返済終了後に、定期借地権の残存期間が10年以上であること

一般定期借地権は50年以上ですので、新築購入時は35年ローンを組むことができますが、手放したいときに買い手がローンを組めない可能性があります。
将来、売却を考えている場合は希望通りに行かないことがあります。

◆所有権マンションとは異なる費用がかかる
メリット・デメリットで解説しましたが、借地権付きマンションは地代や解体積立金がかかります。ある地方都市の物件を例に、どのぐらい費用がかかるのか見てみましょう。

物件情報
場所地方中枢都市
間取り3LDK、4LDK
専有面積75.98m2~91.68m2
バルコニー面積24.00m2~32.22m2
総戸数56戸
借地権の種類一般定期借地権(地上権)
借地権存続期間53年


価格・費用
販売価格3,590万円~3,980万円
管理費7,000円~8,400円
修繕積立金(月額)5,100円~6,000円
修繕積立基金(一括払)375,000円~451,000円
解体積立金(月額)4,240円~5,120円
解体積立基金(一括払)365,000円~444,000円
地代(月額)8,830円~10,650円

この物件の場合、通常通り、購入時の修繕積立基金が375,000円~、管理費や修繕積立金の合計12100円~/月の他、更に解体積立金と地代を合わせた毎月13,070円~がかかることになります。
一概には言えませんが、新築マンションの場合は、当初の管理費・積立金等が低く設定されているので、今は安いように見えますが、段階的に値上がりする可能性もあるのです。

◆土地部分が住宅ローン控除の対象外となることがある
契約形態によっては、土地部分は住宅ローン控除の対象外となることがあります。
権利金は控除の対象となりますが、住宅取得時に、前払賃料として支払う場合は住宅ローン控除の対象外となり、保証金として支払う場合は一定の算式で計算した額が対象となります。

住宅ローン控除の対象かどうかは、以下のページで確認するか詳細を税務署で問い合わせてください。

◆選択肢が広がる借地権付きマンション
借地権付きマンションは所有権マンションとは違うメリットがあります。
流通している数がそれほど多くないため、希望する地域で必ず希望物件を見つけられるかわかりませんが、出会えた場合には選択肢は広がります。
借地権付きマンションのデメリットよりメリットに魅力を感じる方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ
・一般定期借地権の契約期間は最低50年で、期間満了後は更地で地主に返す
・借地権付きマンションは所有権マンションと比べて価格が低い
・借地権付きマンションは土地の固定資産税等は不要だが、地代や解体積立金がかかる
・借地権付きマンションの契約形態によっては、土地部分の住宅ローン控除が使えない

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(2018/03/09)