政府の中古住宅市場の拡大と品質確保の動き

品質の良い中古住宅流入が期待されます
品質の良い中古住宅流入が期待されます

2016年3月に閣議決定された「住生活基本計画」では、住宅ストックビジネスを活性化して、既存住宅流通の市場規模を2013年の4兆円規模から、2025年には8兆円規模に成長を促すことが目標に掲げられています。同時に、インスペクション(住宅診断)を行ったうえで、住宅瑕疵保険等を活用した中古住宅の品質の確保に努めることも打ち出されています。政府は既存住宅売買瑕疵保険に加入した住宅の割合を2014年の5%から2025年には20%に拡大させたい考えです。
今後は、品質を担保された中古住宅の流通が活性化していく流れとなることが見込まれています。

出典:住生活基本計画(全国計画)-国土交通省 2016年3月18日

中古マンションの物件選びは資産価値を重視

ライフスタイルによって、必要な周辺環境は変わります
ライフスタイルによって、必要な周辺環境は変わります

中古マンションの物件選びは家族に合った住まいで、かつ資産価値があることがポイントです。勤務先・学校へアクセスしやすく、スーパー・病院・クリーニング店など日ごろ利用する施設が近くにあることが望ましいです。子どものいる家族なら公園、スポーツが好きな人ならフィットネスクラブ、外出が多い人なら駅徒歩〇分以内、といったように、家族の属性や嗜好によるニーズもあります。

マンションは準工業地帯に建つこともあります
マンションは準工業地帯に建つこともあります

立地条件は資産価値にも関わるもので、最寄り駅から徒歩10分以内で都心部やターミナル駅にアクセスしやすい物件は価格も安定し、値崩れしにくいでしょう。人気エリアであれば、将来的に物件購入時より高い値で売れる可能性もあります。
また、マンションが建つ市街化区域は用途地域という、12種類の土地の利用目的が決められていますので確認しておきましょう。マンションは住居系の用途地域だけではなく、商業地域や準工業地域などにも建てられます。例えば、マンションなどの住宅が立ち並ぶエリアであっても、商業地域である場合、パチンコ店などの遊戯施設が隣に建つ可能性があるため、注意が必要です。

さらに、マンションの管理状態はぜひチェックしておきたいところです。中でも長期修繕計画に基づいて適切な修繕が行われているかどうかは、物件の資産価値を維持するうえで大切なポイントです。

物件探しと並行して資金計画を立てる

借り入れは慎重に
借り入れは慎重に

中古マンションの物件探しと並行して進めておきたいのが資金計画です。中古マンションを購入する際には、物件の購入価格のほかに、諸経費として物件価格の6~10%が掛かります。「頭金」として用意できる金額から「諸経費」を差し引いて、「住宅ローンで借り入れる額」を加えた金額が購入できる物件価格の目安です。

住宅ローンの借り入れは、返済額が年収の20%までといわれていますが、家族の状況によって異なります。子どもの誕生・学校への入学・車の買い替え・勤務先の定年退職といったライフイベントを踏まえて、家計のキャッシュフローを把握し、無理のない資金計画をしましょう。

控除の種類は様々。きちんと勉強しましょう
控除の種類は様々。きちんと勉強しましょう

住宅ローンを借りて、マイホームとして中古マンションを購入すると、諸条件に合致した場合、住宅ローン控除を受けられます。2014年4月から2019年6月までの取得では、年末のローン残高の1%、最大40万円が10年間所得税から控除されます。床面積50m2以上で築25年以下、あるいは、築25年を超える物件の場合は、既存住宅売買瑕疵保険へ加入していること、あるいは、耐震基準適合証明書の取得が要件です。

※出典: No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)-国税庁 

登録免許税の軽減措置も2017年3月まで住宅ローン減税と類似した要件があり、床面積50 m2以上で、築25年以下、あるいは耐震基準を満たしたことが証明された物件が対象です。また、不動産取得税も床面積50㎡以上240 m2以下で、1982年以前に建てられたマンションが、軽減措置の対象となります。

※出典:不動産取得税の軽減について-千葉県 2016年6月23日

中古マンションの中でも、築25年以下の物件を購入すると、住宅ローン控除などの優遇措置を受けやすいので、資金計画や物件選びの際に考慮しましょう。

契約前に重要事項説明書を確認しよう

重要事項説明書は事前に取り寄せて確認を
重要事項説明書は事前に取り寄せて確認を

現地の見学を経て購入を希望する物件が決まったら、不動産仲介会社で購入の申し込みをします。売主と売買の合意ができたら、金融機関に「ローンの事前審査」を申し込みます。人気物件で競合相手がいる場合に備えて、事前に金融機関に中古マンション購入の相談をしておき、ローンの内諾を得ておくと交渉を有利に進めやすいです。
ローンの事前審査を通ると、宅地建物取引士による重要事項説明の後、いよいよ売買契約です。重要事項説明と売買契約は同じ日に行われることが一般的ですが、重要事項説明書はその場で説明されても疑問点を尋ねにくいものです。事前に重要事項説明書を受け取り、内容を確認しておいたうえで臨むとよいでしょう。売買契約時には手付金を支払います。

売買契約締結後に、金融機関に住宅ローンの申し込みを行い、本審査で融資の承認を得られると、金銭消費貸借契約を結びます。その後、住宅ローンを借りる金融機関で残金の決済と物件の引き渡しが行われ、司法書士によって登記手続きが進められます。

中古マンションはリノベーションすることも視野に

構造によってはリノベーション不可な物件もあります
構造によってはリノベーション不可な物件もあります

中古マンションの購入では、リノベーションを前提に購入するケースも多くみられます。築年数の経過したマンションでも、専有部分は内装や間取りを変更して、ライフスタイルや好みに合った住まいへと変えることができます。
リノベーションを行う場合は、マンションの管理規約によって、工事内容によっては、管理組合への届け出や承認を必要とするケースが多いです。フローリングの遮音性能に規定を設けているケースが目立ち、マンションによっては、カーペットからフローリングへの変更など異なる床材には変更できないこともあるため、購入前に規約の確認をしましょう。

また、一般的なラーメン構造のマンションでは、間仕切り壁を撤去して間取りを変更しやすいですが、低層マンションでみられる壁式構造の物件では、取り壊せない壁も存在します。また、キッチン・浴室など水回りの位置の移動は、床下に勾配を確保して排水管を配管するスペースがとれることなどが条件です。
リノベーション前提で中古マンションを購入する際は、リノベーションのしやすさも考慮に入れましょう。

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