マンション購入を検討するときは、広さ・間取り・予算など、みなさん様々な希望条件をお持ちだと思いますが、実は不動産のプロが最も意識するのは『物件の資産価値』です。そこで今回から4回に渡って、マンションの資産価値の見極めのポイントや資産性を意識した物件選びのコツについて紹介します。

A:マンション購入は“自宅投資であること”を意識しましょう

 

マンションを買うときには、長期の住宅ローンを組んで購入するケースが大半を占めるため、購入時の価格ばかりに目が向いてしまうのですが、マンションは単なる『住まい』ではなく、大きなお金を投入して形成する『自分の資産』でもあることを意識しなくてはいけません。住まいを買うということは“自宅という資産に投資をすること”なのです。投資と考えれば、リスクをきちんと分析して計画的に・戦略的に購入しなければ、という気持ちにもなるはずです。

A:一言で言えば、購入額と売却額の差額のことです

 

何千万円という金額を“住まいという名の投資物件”に投資するのだとしたら…将来のリスクを軽減するためにも、購入した金額から値段が下がりにくいマンションを選びたいと思いますよね? その価格の差額がまさにマンションの『資産価値』につながる部分です。

 

一般的に不動産は減価償却していくので、年々売却想定価格が下がっていくものですが、『資産価値』が高いマンションは、購入した時よりも値上がりしているケースや、ほとんど変わらないケースもあります。そういう物件は、居住期間中に返済していた住宅ローンがそのまま“貯金”となります。反対に『資産価値』が大きく下がってしまったマンションの場合は、住宅ローンの残債が売却額を上回る“オーバーローン(※)”となって、売りたくても売れない状況に陥ってしまうこともあります。

 

マンション購入を検討する際は、“この物件がはたして将来いくらで売れそうか?”という『資産価値』を見極めることで、将来のリスク回避につながるのです。

 

※オーバーローン:売却時点の住宅ローンの残債(元本)が、売却額を上回っている状況のこと。売却しても住宅ローンの残額をカバーできないので、抵当権を抹消するためには、追加して手元資金を返済に回す(追い金)必要が出てくる

 

将来いくらで売れるのか?を念頭に置きましょう

将来いくらで売れるのか?を念頭に置きましょう

数万円で気軽に買い替えられる洋服や家電製品と違い、マンションは『大切な資産』です。その資産性が目減りすることは、自分や家族にとって大きな経済的損失となりますから、事前に『資産価値』を見極め、将来の資産損失を少なくできるように努めなくてはいけません。
また、マンションの価格は、経済変動が大きく影響します。当然ですが、多くの人がマンションを買いたいと感じているときは割高に、多くの人が買い控えをしているときは割安に、流通価格が変動することも覚えておきましょう。

 

不動産のプロからのアドバイス①

不動産のプロからのアドバイス①

A:マンションの『資産価値』を見極める基本的なポイントは3つ。『立地』『スペック』『ロケーション』です。

 

『立地』というのは、具体的な数値として表しやすい条件のこと。例えば、最寄りの〇〇駅から徒歩〇分とか、〇〇階建ての〇〇階部分とか、ターミナル駅まで直通〇〇分とか、他物件と数字で比較検討しやすい要素のことを指しています。もちろん、駅に近く、事業集積地にアクセスの良い物件のほうが『資産価値』を維持しやすくなります。

 

『スペック』というのは、そのマンションの個性や特性のこと。例えば、規模や戸数、共用施設の充実度、室内の設備・仕様のグレードなど、暮らしのクオリティにつながるものだと考えてください。一点、意外とみなさんがスルーしがちなのが『天井高』です。『天井高』は、マンションのグレード感を示すだけでなくその後の暮らし心地に大きく影響しますから、高さが確保されているかどうかをチェックすると良いでしょう。

 

『ロケーション』というのは、『立地』よりももっと“住む人の感覚的なもの”に近い環境要素です。例えば、都会的な街かのんびりした街か、緑豊かな公園が近くにあるか、スーパー・コンビニや商店街があるか、生活利便施設だけでなく豊かに生活できる施設や環境が近くにあるか、窓からの眺望はどのような風景か、など、人によって好みが分かれるポイントでもあります。「心地良い」と感じられる要素がいくつ揃っているか、ご自身の五感を使って確認すると良いでしょう。

 

重要ポイントは立地・スペック・ロケーション

重要ポイントは立地・スペック・ロケーション

A:人気のタワーマンションや大規模物件は資産価値のプラス作用が考えられます

 

立地・スペック・ロケーションの3つのポイントにおいて、“多くの人たちから『好ましい』と感じられるマンション”は『人気の高い物件』、つまり『資産価値』の高い物件になる可能性も高まります。近年は、エリアのランドマークとして存在が注目されるタワーマンションや共用施設の整った大規模マンションが人気を集める傾向にあるため、立地・スペック・ロケーションの3つのポイントを検証して好条件が整っているケースが多いタワー・大規模物件は、将来『資産価値』にもプラスに作用することが考えられます。

 

人気の高い物件は、資産価値にプラスに働くことも

人気の高い物件は、資産価値にプラスに働くことも

A:そのエリアの『賃料水準』がバロメーターとなります。

 

マンションの『資産価値』を見極めるには、“自分の好み”にこだわるのではなく、客観的な“他人の目線”で分析することも大切。そのバロメーターとなっているのがマンションの『賃料水準』です。一般的に、都心に近く、交通利便性が高く、買い物が便利で、街並みが整っているようなエリアは、『賃料水準』が全体的に高くなりますから、その時の水準を比較してみると“こちらのエリアのほうが、人気が高そうだな”と分析できるワケです。
HOME’S のサイトでも、各路線・駅ごとの賃料相場データが公開されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

HOME’S家賃相場 http://www.homes.co.jp/chintai/price/
HOME’S プライスマップ http://www.homes.co.jp/price-map/

 

A:新築であっても中古であっても、条件の良い物件は『資産価値』が保たれる傾向があります。

 

よく「新築マンションは、入居して中古になったとたんに2割値段が下がる」などと言われるのですが、それは誤りですね。新築物件であっても、中古物件であっても、あくまでも『資産価値』は、『立地』『スペック』『ロケーション』で概ね決まってきますから、新築・中古にはあまりこだわらなくても良いと思います。

 

リセールバリューの高さは資産価値の高さ

リセールバリューの高さは資産価値の高さ

A:マンションの購入額と売却額の差について、購入額を100として指数化したものです。

 

マンションの購入額と売却額の差額が小さいほどリセールバリューの数値が高くなり、『資産価値』が高いことを意味します。マンションは耐久消費財と違って“不動産”ですから、残存価値がゼロになることは考えられないのですが、築年数を経た中古マンションの場合、“市場流通性”が低下してしまうと残存価値が少なくなっていると判断されて、リセールバリューも下がります。逆に、東京都心では、築50年を経ても中古市場で普通に流通するマンションもありますので、新築・中古に限らず、中古市場で強さを発揮しそうな『立地』『スペック』『ロケーション』を持っている物件を購入検討に加えると良いでしょう。

立地・スペック・ロケーションの3つの条件に加え、『安全性』と『付加価値』を含めた5大要素がリセールバリューを高める重要なポイントです。『安全性』というのは、そのマンションが建っている地域や建物構造・設備の防犯性・防災性のこと。『付加価値』というのは“窓から東京タワーが見える”“桜並木沿いに建っている”など、その物件のセールスポイントになりそうな魅力的な要素のこと。これらがバランスよく揃っているマンションはリセールバリューが高く、結果的に『資産価値』が下がりにくくなります。

 

不動産のプロからのアドバイス②

不動産のプロからのアドバイス②

A:マンションはあくまでも“住み心地”が優先!
その中から『資産価値』の高い物件を選びましょう。

 

資産価値やリセールバリューについて意識するあまり、「本当は緑豊かなのんびりした街が好きなのに、ビルに囲まれた都心の物件を選んでしまった」というのでは、本末転倒です(笑)。
冒頭で、マンションを購入することは“自宅投資だと心得よう”とお伝えしましたが、まずは住まい選びの大前提として“自分や家族が心地良く暮らせること”が一番の条件!立地・スペック・ロケーションの視点で自分や家族と相性の良いマンションを吟味し、その中から資産価値が高そうな物件を絞り込んでいけば良いのです。

A:あなたの、家族みんなの、『優先順位』を決めましょう

 

どうしても迷ってしまって選べない!というときにオススメしたいのは、マンション選びの『優先順位』を自分や家族の中で決めること。例えば、職場に通いやすいこと、広さが〇〇m2以上あること、東南角住戸などなど、『ここだけは絶対に譲れない条件ベスト3』を決めてみてください。次に、“別に無くても良いけど、あったら嬉しいな・・・”という『希望条件ベスト10』を優先順に書き出していきます。

 

マンションを見学したら、まずは『絶対に譲れない条件』を満たしているか?を確認。次に、『希望条件』がいくつ当てはまっているか?さらに、その物件の『資産価値』はどのように分析できるか?を確認していきます。このステップを意識するだけで、マンション選びがもっと楽しくスムーズにおこなえるようになると思いますよ!

 

優先順位を書き出してみましょう

優先順位を書き出してみましょう

街にはそれぞれカラーがあるので、“自分や家族と、街との相性”を見極めることも大切! 住まい選びの8つのキーワードは、『職・住・遊・医・学・食・快・安』。「職」は職住近接で一定期間住むための要素、「住」は周辺環境・間取り・日照・通風・設備など居住快適性が高さ、「遊」は生活利便性の高さ、「医」は総合病院や介護施設など地域医療の充実度、「学」は文教施設の充実度、「食」は地域の雰囲気や文化度の目安です。

 

8つのキーワードのうち、『快』=自分たちにとって快適で好ましい住環境であるかどうか? と、『安』=安全に安心して暮らせる環境であるかどうか? については、数値では計り知れない付加価値となります。マンションの『資産価値』を意識した物件選びも大切ですが、まずは将来に渡って快適・安全に住み続けられる暮らしのサスティナビリティ=『生活継続性』を優先するように心がけましょう。

 

マンションの資産価値って、なんだろう?!

マンションの資産価値って、なんだろう?!

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