注文住宅の間取りを考えるとき、土地の広さは重要なポイントです。

今回は、20坪(約66平米)の土地に注文住宅を建てる場合を例に、理想的な間取りや注意点について、一級建築士の佐川旭さんにお話を伺いました。

間取り図

 

まず、基本として1坪とはどのくらいの広さでしょうか? 畳の大きさがすぐにイメージできる人には、畳2枚、すなわち2畳分といえば伝わるでしょう。

 

畳は長い辺が約1.8m、短い辺がその半分の約0.9mで、この長い辺の長さを1間といいます。1間×1間が1坪であり、面積でいうと約3.3平米です。つまり、20坪は40畳、約66平米の広さです。

 

しかし、土地が20坪あっても、実際に住宅を建てる場合には、エリアごとに決められた建ぺい率(敷地面積に対しての建築面積の割合)や容積率(敷地面積に対しての延床面積の割合)に従う必要があるので、20坪すべてが居住スペースとして使えるわけではありません。

 

ちなみに、夫婦と子どもという3人家族が住む住宅であれば、40坪(約132平米)程度の土地があれば、自由度の高い家づくりができるといわれています。

 

20坪の土地の場合は、その半分の広さになるので、限られたスペースをどのように工夫して間取りを考えるかが肝になります。

家を建てる

 

一例として、敷地が約19坪(約63平米)、建ぺい率60%、容積率200%(ただし、前面道路の関係で実際には188%)の土地に建てた住宅の間取りを紹介します。

 

間取り図

株式会社佐川旭建築研究所提供資料より作成

ポイントとしては、まず中庭を設けたこと。中庭などは土地が広くないとつくれないと思われがちですが、狭い敷地だからこそ、余白を感じさせるスペースを設けることで広々とした印象になります。

 

上図のケースでは、隣家との関係などもあり、居室に光が入りにくかったので、中庭や天窓によって採光を確保しました。

 

また、狭い土地の場合は、収納スペースをどうやって確保するのかも問題です。

 

この家の場合は、収納スペースを兼ねた出窓を設けるようにしました。1階の玄関ホールのところの出窓は、下がシューズボックスになっていて、LDKにも出窓を2つつくって収納スペースを確保しています。

家を建てる

 

敷地面積が限られた住宅は、工夫次第で“狭い家”ではなく、“落ち着く家”に変えることができます。たとえば、以下のようなポイントに注意しましょう。

 

「天井が高いほうが広く見える」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、あまり高くするのは逆効果です。むしろ、同じ床面積であれば、天井は低いほうが部屋は広く感じます。

 

もちろん、すべての部屋の天井が低いのも圧迫感があるので、場所によっては高い天井を取り入れるなどメリハリをつけることが大事です。寝室などは天井が低いほうが落ち着きます。

 

開き戸の場合、ドアを開け閉めするのにスペースを取ってしまうので、小さな家であればなるべく引き戸にするようにしましょう。ドアよりも引き戸のほうがスペースを有効に使うことができます。

 

戸を完全に壁の中に入れることができる「引き込み戸」なら、さらにスペースの節約になるのでおすすめです。また、2つの部屋の間にある戸を壁の中に入れてしまえば、1つの大きな部屋として使うこともでき、用途に合わせて自由度が高く活用できます。

 

部屋の採光は重要ですが、狭い家の場合、あまり窓を大きくしたり数を増やしたりして家中がすべて明るくなりすぎると、落ち着く空間がなくなってしまいます。

 

部分的にあまり光が入らない場所をつくり、陰影を利用して落ち着く場所を確保しましょう。

 

20坪の土地に注文住宅を建てる場合、限られたスペースをいかに有効に使うかが大切になります。

 

もちろん、同じ広さでも住む人の希望やライフスタイルによって、快適な間取りは異なります。専門家と相談しながら、理想の家づくりを実現しましょう。

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