「狭小住宅」とは、一般的な一戸建ての家と比べて狭い敷地内に建てられた住宅のことで、東京などの土地代が高い大都市圏で多く見られます。今回は15坪の土地に建てる狭小住宅の価格や広さ、快適に暮らすためのコツなどを紹介していきます。

土地の広さ

 

15坪の土地とは、どのくらいの面積なのでしょうか。1坪は1間×1間の正方形で表され、さらに1間とは6尺(1尺は約30.3cm)のことです。ここから計算すると、1坪が約3.3平米となりますので、15坪は約50平米(約49.5平米)と分かります。

 

50平米とは、畳で表すと約30畳分の広さです。テニスのシングルスコートの半面が約100平米(97.82平米)とされていますので、その半分くらいの大きさと考えてよいでしょう。また、小学校の一般的なプールの面積は幅12m、長さ25mで300平米となりますので、プールを6等分したくらいの広さ、ともいえます。

家の広さ

 

では、15坪の面積の敷地があればどこでも家を建てられるのかというと、そういうわけでもありません。土地にはその地域ごとに「住居系」「商業系」「工業系」という「用途地域」という定めがあります。これは、同じ土地には似たような建物を集めることで、それぞれの業務効率や生活環境を守るためのものです。

 

住居を建てられる土地は、「住居系」の8つと、「商業系」2つ、「工業系」のうち工業専用地域を除く2つです。それぞれの土地で建てられる建物の高さや面積は、各区分によって決められています。

 

また、同じ敷地面積でも、その中で建物を建てられる割合(建ぺい率)や、敷地面積に対する延床面積の割合(容積率)が用途地域や建物の形状によって異なります。建ぺい率は30%から80%の間で定められていますので、15坪の土地には最大49.5×0.8=39.6平米の建築面積の建物が建てられます。

 

容積率は延床面積で計算されますので、容積率100%と指定された15坪の土地の場合、1階を39.6平米とすると、2階は49.5-39.6=9.9平米の部屋しかつくれないことになります。たとえば、建ぺい率50%の土地に3階建ての家を建てようと思ったら、容積率が150%あれば、土地をめいっぱい利用できるわけです。

 

15坪の土地に建てる狭小住宅の場合、たとえば以下のような間取りが考えられます。

  • 1階に寝室・書斎・洋室(収納)、2階に家族全員の居間(LDK)、3階に子ども部屋×2
  • 1階に駐車場と洋室・和室・収納、2階に家族全員の居間(LDK)、3階に子ども部屋×2

このように、15坪の土地はどうしても狭いため、階数を増やして居住空間を確保するのが一般的です。ただし、平屋の家も建てられないわけではありません。高齢者がいるため階段の上り下りが不安だとか、居住人数が2〜3人と少ないという場合は、収納を少なめにしたり駐車場のスペースをカットしたりすることで、平屋の家屋を建てる方法もあります。

階段

 

15坪の狭小住宅には、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

  • 土地代や、敷地面積に比例して課税される税金、登記費用などの諸経費を抑えられる
  • 家が狭いので、光熱費が安く済む
  • 駅の近くや大都市圏など、立地の良い場所に予算内で住める可能性がある
  • 立地によっては、公共交通機関を利用して車を持たずに生活できる可能性がある
  • 居住スペースが狭いので、圧迫感を覚える可能性がある
  • 騒音などの近隣トラブルに巻き込まれやすい
  • 防音性能や地震対策など、建物自体の建築費用が高くつく可能性がある
  • 複数階建てにした場合、階段での移動に注意が必要

メリットとしては、家を建てる段階でかかる費用だけでなく、税金や光熱費といったランニングコストが抑えられる点がポイントになります。また、公共交通機関を利用しやすい場所が選べれば、自家用車を保有せずに利便性の高い暮らしができます。

 

一方、デメリットとしては、狭さによる弊害が挙げられます。生活空間のスペースが限られることに加え、隣の家との距離が近いという点もデメリットになります。採光や防音など、建てる段階でできる工夫をすることで、デメリットを軽減することができます。

土地選びのコツ

 

前述のように、狭小住宅の大きなメリットとして立地の良さ、コストパフォーマンスの良さが挙げられます。とはいえ、同じ坪数でも建ぺい率や容積率によって、建てられる広さや階数は異なりますので、「建ぺい率や容積率が高い」「立地条件が希望に近い」という2つのポイントを意識して土地を選びましょう。

収納

 

国土交通省が発表した「住生活基本計画」によれば、最低居住面積水準(暮らすために最低限必要な面積の目安)は1人暮らしで25 平米、2人以上の世帯で10 平米×人数+10 平米と定められています。

 

また、建ぺい率は最大でも80%ですから、15坪の土地には最大でも39.6平米の建築面積の建物しか建てられません。これはだいたい1階部分が1LDK〜2K、2DKくらいの広さで、大人2〜3人が暮らせる部屋と考えられます。

 

このような家で快適に暮らすためには、以下のようなポイントに注意しましょう。

  • 動線や耐震性を意識する
  • 家族が増えたときのことを想定して家を建てる
  • デッドスペースをトイレや収納に活用するなど、有効活用する
  • 部屋を広く見せるため、吹き抜けやスキップフロア(中2階)をつくる

車

 

狭小住宅では、家の外に駐車場のスペースをとれない場合もあります。そこで、1階部分にビルトインガレージをつくる方法が一般的です。ただし、用途地域によっては建物の高さ制限がありますので、駐車場をつくった分、居住空間を削らなくてはならなくなる可能性にも注意しましょう。

 

また、15坪の場合は平屋の家屋を建てたいという人もいます。15坪で平屋の家屋をつくるなら、駐車場部分の面積を削るのはほぼ不可能ですので、無理に駐車場をつくらず、近隣で借りるという方法が良いでしょう。居住空間を減らしたくないという人にも、近隣の駐車場を借りるという方法はおすすめです。

家を建てる費用

 

15坪の土地に狭小住宅を建てる際、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。住宅を建てる際には、「土地の価格」と「住宅の価格」が大きな割合を占めることになります。

 

まず、土地の価格については、住む場所によってさまざまです。狭小住宅という選択が多くなる都市部にスポットを当て、東京23区内の1坪あたりの価格を参考にすると、山手線内のエリアで300〜600万円、山手線外のエリアで100〜250万円ほどになっています。15坪の場合、山手線内のエリアでは4,500〜9,000万円、山手線外のエリアでも1,500〜3,750万円という価格になります。

 

また、住宅の価格については、建てる内容によっても異なりますが、15坪程度の土地に家を建てる場合、坪単価は50〜70万円程度だといわれています。仮に容積率が150%の家の場合は、1,125〜1,575万円が目安となります。ただし、これらの価格はあくまで建物本体にかかる価格の目安で、地盤工事などの付帯工事や諸費用などは別途かかります。

 

これらの金額はあくまで目安なので、実際には見積もりなどを出してもらうことをおすすめします。

家をの広さ

 

15坪の土地に建てられる建物の建築面積は、だいたい39平米、1LDK〜2DKくらいの広さと考えられます。平屋の家屋を建てることも不可能ではありませんが、家族が快適に暮らすためには階数を増やして居住空間を確保するのが良いでしょう。

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