注文住宅を新築するには、何度も打ち合わせが必要になります。家づくりの過程は人それぞれですが、いつ、どのような内容をどれくらいかけて話し合うのか知っておかないと、せっかくの打ち合わせを無駄にしてしまったり、焦っていろいろなことを決めてしまい、後悔したりすることになりかねません。

また、すでに注文住宅づくりに取り掛かっているものの、打ち合わせが多く忙しい、うまくいかずに疲れたと感じている人も、打ち合わせで決めるべきことを整理し直すとスムーズに進められる可能性があります。

今回は、家づくりの成否を左右する打ち合わせについて、知っておきたいことをまとめました。

注文住宅の打合せ

注文住宅を新築するために必要な打ち合わせの回数は、人それぞれで異なります。10~25回ほど打ち合わせを繰り返すこともあるため、イメージしているよりも回数が多いと感じる人も多いかもしれません。

 

なぜ打ち合わせに、これだけの回数が必要になるのでしょうか。まずは、注文住宅の打ち合わせに費やす回数や、人によって回数が変動する理由をご説明します。

注文住宅を新築する際の一般的な打ち合わせ回数は、10~25回程度です。最も多く打ち合わせを行うタイミングは着工前で、多い人の場合は、この段階で10回以上の打ち合わせをすることもあります。

 

住宅に対するこだわりが強ければ強いほど、打ち合わせの回数も多くなる傾向が見られます。特殊な注文があるという場合には打ち合わせの回数も増えますが、反対に特にこだわりがないという場合は、4~5回程度の打ち合わせで工事をはじめることもあるようです。

 

着工前は、打ち合わせにかける期間そのものも長くなります。平均としては4~6ヶ月、長い場合は1年以上かけて打ち合わせを進めることもあります。外装や内装のベースとなる部分は着工前に確定させる必要がありますから、この打ち合わせに時間がかかるのは、自然なことですね。

 

着工中や引き渡し前には、それぞれ数回の打ち合わせを行うことが一般的です。2回ずつと仮定した場合、着工前の打ち合わせと合わせて15回前後になります。この程度の回数の打ち合わせは、施工会社としては“当たり前”の範囲として対応してくれます。

打ち合わせの回数が変動する理由として特に多いのが、家に対するこだわりです。部屋の細部にまで装飾をこだわったり、外観のデザインに気を配ったり、配置する設備や仕様にも力を入れたりすると、どうしても打ち合わせの回数が増えてしまいます。

 

また、施主側の考えが変わってしまうことも、打ち合わせが増える原因になります。一度決めた内容を変更したいという希望を伝えたり、設備を追加したいと願い出たりすると、軌道修正のために数回の打ち合わせが追加になる場合もあります。

工事を請け負う会社としては、完成した住宅が、施主のイメージと違うという事態を避けたいと考えています。施主と施工会社のイメージを一致させるためには打ち合わせが重要ですから、納得がいくまで話し合うことはとても大切です。

 

ただし、一度の打ち合わせが無駄な内容にならないようにするための工夫は必要になります。せっかく互いの時間を合わせて打ち合わせを行っても、何も決まらないまま時間だけが過ぎては意味がありませんし、施主・施工会社双方にストレスがたまる結果にもなってしまいます。

 

実りある内容にするためには、施工会社と話したことを毎回記録しておくことが特に大切です。また、打ち合わせの途中でも機転を利かせられるように、希望する条件にあらかじめ優先順位をつけておくこともおすすめします。

先ほども軽く触れていますが、打ち合わせの流れは、大まかに “着工前” “着工後(建築中)” “引き渡し前”という3つに分けて考えましょう。ここからは、それぞれのフェーズでの打ち合わせ内容をご紹介します。

着工前には、住宅の間取りや仕様、設備、費用について話し合う機会をもつことになります。どんな家をつくりたいのか、その理想を施工会社が実現させることができるのかを擦り合わせる機会として、特に重視しておきたいフェーズです。

 

ここでは一般的に、7~15回程度の打ち合わせを行うことになります。序盤に意識しておきたいのは、絶対に譲れない条件や希望を明確に伝えることです。方向性が明確に定まっていれば、施工会社からの確認作業を減らせます。

 

また、注文住宅について気になることや質問したいことは、事前にリストアップしたメモを用意しておきましょう。疑問に対して真摯に回答してくれる会社や、自信を持って対応してくれる会社ほど、信頼して施工を任せられると考えることもできます。

 

デザインや設備の希望は、完全にかなうことはないと考えておくべきです。工事の内容が技術的に不可能なものだったり、法律によって実現できなかったりすることがあるためです。何を妥協するかを決める作業も、このフェーズの中で行っていきましょう。

 

予算についても隠し事なく、正確に伝えることを心がけましょう。予算について踏み込んだ議論をしておかないと、想定外の金額の見積書が提示されることがあります。微調整程度なら問題ありませんが、予算を大幅に上回る場合には、計画の大規模な見直しが必要になります。

家の根本を決める打ち合わせは着工前に完了しますが、着工後(建築中)に打ち合わせを行うことも大切です。このフェーズでの打ち合わせ回数は通常少なくなるものの、それでも3~5回程度は打ち合わせを重ねることになります。

 

この段階の打ち合わせで確認すべき主なポイントは、設計どおりに工事が進んでいるかどうかという点です。依頼した内容と違っていたり、修正を加えてほしいポイントがあったりする場合には、なるべく早いタイミングで施工会社に意思を伝えましょう。

 

細かい内装も、このフェーズで決めます。壁紙のデザインや色などを選ぶ際も、打ち合わせを通すことが一般的です。予算とも相談しながら、建物に合う内装に仕上げられるように、施工会社からのアドバイスにも耳を傾けてみましょう。

完成した建物の最終確認も兼ねて、打ち合わせを行います。これが最後のフェーズとなり、問題がなければ、そのまま引き渡し・引越しに進むことになりますから、打ち合わせの回数は、2~4回程度です。

 

依頼内容と明らかに違う仕上がりになっている場合や、工事に問題が見受けられる場合は、この段階で修正の依頼を行うことになります。この場合、1度目の打ち合わせで問題点を指摘して、2度目の打ち合わせで解決策の提示を受けるという流れになることが一般的です。

建設中の住宅

注文住宅は、生涯住み続ける可能性もある住宅です。妥協せずに理想的な家をつくるために打ち合わせは必要不可欠ですが、単純に話を聞いているだけでは意味がありません。打ち合わせ時の注意点を、フェーズごとに把握しておきましょう。

着工前の打ち合わせでは、施工会社側でメモや記録を取ってくれることが多いですが、もし記録をしていない場合、トラブル防止のために、施工会社と話をした内容をメモしておくようにしましょう。

 

設備などの内容を決定した後も、早い段階であればその後の打ち合わせで変更を希望することができます。打ち合わせ後には、購入を決定した設備などの内容をしっかりと見直して、予算に合っているかどうか、本当に必要なのかどうかを必ず再検討しましょう。

着工後は、おかしいと感じたことがあれば、遠慮せずに担当者にはっきりと伝えることです。修正の依頼は、早ければ早いほど工事の範囲を減らせるため、完成までの時間を短縮できます。

引き渡し前に行う検査のことを、施主検査、あるいは完成検査と呼びます。この検査では、設計図どおりの間取りや設備になっているか、汚れや傷がないかなどを確認します。

 

打ち合わせにおいては、少しでも気になる点があれば、担当者に相談しましょう。施主検査でOKを出した後は、基本的にやり直してもらうことができません。打ち合わせをする最後のチャンスでもあるので、疑問を残さないように質問しましょう。

賃貸物件から注文住宅へ引越す場合や、仮住まいをしているという場合には、打ち合わせが多くなって工事が長引くと、契約の問題で余計な費用を使ってしまう可能性があります。そのような問題をなくすために、以下のポイントを意識してスムーズに打ち合わせを済ませましょう。

注文住宅の新築を依頼する場合は、最初の打ち合わせを行うよりも前に、予算の上限を決めておくことが大切です。注文住宅は、設備の内容や材料の質によって価格が大きく増減します。予算を曖昧にしていると、想定外の見積もりが提示される可能性が高いのです。

 

あらかじめ予算を決め、業者側に伝えておけば、その予算内に収まる内容に調整することができます。予算が合わず、土壇場になって計画を見直すことになると、工事の開始が大幅に遅れることになり、建物の完成まで長い時間がかかってしまいます。予算は打ち合わせ前に決めておくようにしましょう。

先ほどもお伝えしましたが、「言った」「言わない」といった押し問答を避けるためにも、メモや音声の記録はとても重要です。それに加えて、情報は施主と施工会社の両方で共有することも意識しておきましょう。

 

自分自身の希望を伝えるだけではなく、施工会社による説明を理解することもポイントです。専門用語が多かったり、平面図を使った説明で分かりにくかったりする場合は、イラストやCGを使った説明を要求するなどして、相手のイメージも確実に受け取りましょう。

スムーズな意思疎通を図るためには、事前準備を整えることも大切になります。聞いておきたいことがある場合は、忘れないようにまとめておきましょう。同時に、施工会社からの意見も覚えられるように、メモの準備も必須です。

 

室内や外観の具体的なイメージを、言葉だけで伝えるのはまず不可能です。参考になる写真がある場合は、雑誌の切り抜きやウェブページの印刷などを見せて伝えましょう。SNSの投稿を参考にすることもおすすめです。

注文住宅の打ち合わせには、決めておいたほうがいいことが多数あります。ここでは、決めておくことを表にまとめてご紹介します。フェーズごとのチェックリストとして活用し、打ち合わせの流れをスムーズにさせましょう。

フェーズ 決めること
着工前 ・建築に使える最大の予算を決めておく
・間取りや設備、外観の内容を決めておく
・内装の参考になる写真などを用意しておく
・質問したいことをメモに書き出しておく
着工後(建築中)  ・依頼した設計と作業の内容に違いがないか確認する
引き渡し前  ・施主検査で確認すべき場所を整理しておく

基本的には、最初のフェーズとなる着工前の段階で決めるべきことばかりです。要点をしっかりと整理しておき、担当者に明確に伝えられるように準備しましょう。

注文住宅を新築する場合、打ち合わせの流れは、大まかに分けて、“着工前” “着工後(建築中)” “引き渡し前”の3つのフェーズになります。

施工会社との打ち合わせ回数は、合計10~25回程度となることが一般的です。妥協せずに住宅を完成させるためには綿密な打ち合わせが必要ですが、事前に決めておくべきことを整理すれば、スムーズに完成を待つことができます。

 

特に重要なポイントとなるのが、予算の上限を決めることと、完成した際のイメージを業者側と共有することです。着工後と引き渡し前にも適時打ち合わせを行いながら、依頼内容と工事の内容に乖離がないかを確認しましょう。

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