新築住宅を建てる場合、着工から完成までかかる期間の目安は、一般的に約3~6ヶ月です。その間に行われる工事の流れや、それぞれの工程でどの程度の期間がかかるのかを、施主側でも把握しておくことは大切です。なぜなら新築施工では、工程表の中でその時にしかできないチェックもあるためです。

そこで今回は、新築住宅の着工から完成までの工事の流れとかかる期間について、詳しく解説します。施工する会社や導入する設備により、住宅工事の順序が前後したり内容が異なったりしますので、今回は一般的な流れの説明として参考にしてください。

土地

土地を見つけて建物のプランを決定し、資金計画と建築許可が整ったら、いよいよ着工準備に入ります。約1ヶ月の間に、地盤調査から地縄張り・遣り方(やりかた)まで行います。

盛り土で成形された区画の土地などは、地盤が弱い可能性がありますので、建物を建てる前に地盤の強度を確認するための「地盤調査」を行います。ハウスメーカーや施工会社をとおして専門会社へ調査を依頼し、地盤が弱いという調査結果となった場合は、地盤改良工事をします。

建物を建てる予定の土地で、神主に工事の無事を祈願してもらいます。地鎮祭のタイミングは、地盤補強工事が必要な場合はその前に行うのがよいでしょう。地鎮祭には神主のほかに、施主、ハウスメーカー等の設計担当者、施工会社の担当者が立ち会い、神酒などお供え物を棚に並べて行います。

 

地鎮祭が終わったら、その当日に近隣への挨拶まわりも行っておきましょう。これからいよいよ騒音が発生する工事が始まる旨とおわびの気持ちを込めて、箱入りタオルやせっけんなどを添え、近隣の方々へ報告します。

地盤改良工事は、地盤調査により地盤が軟弱で改良の必要があると判断した場合に行うものです。地盤改良工事にはいくつか方法があり、必要な強度・予算によって、最終的に施主が決定します。基本的には、敷地内において、建物の1階から屋根まで通る「通し柱」が位置する箇所を中心に、地中深くまで補強材を埋め込むという方法がとられます。

地盤改良工事が完了したら、敷地内に建物が建つ正確な位置を示す「地縄張り」をします。地縄張りでは麻ひもやビニールひもを使って、設計図のとおりに敷地内に建物の位置を描きますので、施主にとっては建物の占める面積のイメージが具体的に湧く工程となるでしょう。

 

地縄張りのあとに「遣り方」を行います。地縄を張った50cmほど外側に、ぐるりと杭を打ち込んでいき、それぞれの杭をつなぐように板を張っていきます。遣り方で張り巡らされた杭・板は、これから始まる基礎工事の基準となるものです。

遣り方が終わったあと、根切り・配筋工事などの基礎工事が約1ヶ月の工程で行われます。湿気を含む土の上に木造等の家をつくり上げていくことを可能とさせるこの工程では、正確性が求められます。また、コンクリートの打設もありますので、基礎工事の間はなるべく雨が降らないほうが順調に進みます。

「根切り」とは、建物の基礎を地盤下につくるために、地盤を掘り起こす作業です。庭の土中に伸びた植物の根を切る作業を由来とします。地盤の掘削後、地縄張りの範囲に砕石を敷き詰め、機械を使って締め固める「地業」を行います。

 

次に、強度を増した地盤に除湿シートを敷き広げ、その上に「捨てコンクリート」と呼ばれるものを薄く平らに打ちます。これらの作業によって、地盤が建物に十分耐えうる強さと精度を持ち、下からの湿気を抑えることが可能です。

捨てコンクリートに基礎作成の基準線を引き、鉄筋を組み立てていきます。この鉄筋が床下と、建物を支える柱や壁が立ち上がる部分の基礎となりますので、正確に行われなければなりません。そこで、鉄筋の太さ・数量・間隔などを確認する配筋検査が行われます。配筋検査は、一般的に設計監理者もしくは第三者機関であるJIO(日本住宅保証検査機構)が行い、施主にもその結果が知らされますので確認しましょう。

木造住宅では、床下の底盤・立ち上がり部分の2回に分けて、生コンクリートを打ちます。正確に施された配筋の周りに型枠を設置し、コンクリートミキサー車から生コンクリートを流し込んでいきます。

 

このときに、基礎コンクリートと木の柱をつなぐための「アンカーボルト」をコンクリートに設置します。雨に当たらないように養生し、1週間ほどしっかりと乾燥させたら、型枠を外します。

基礎本体の完成後に、2日間ほどをかけて内外部の給排水の配管工事を行います。外部から敷地内に引き込まれている給排水管を、建物内にさらに引き入れたり、排水管を地中に張り巡らせたりする作業です。内部の配管は床下を通ることになりますので、正確に行うためにも、土台や床板が入る前のこの段階で行うのが効率的です。

いよいよ木材を搬入し、大工さんによる土台敷きという工程に移ります。近年では、多くの場合工場でプレカットされた木材を現場へ運び込んで組み立てられます。コンクリート立ち上がりの基礎部分と土台の木材の間にパッキンを挟み、アンカーボルトを利用して土台の木材をしっかりと設置していきます。同時に防シロアリ処理も行います。

 

その後、専門会社により足場が組まれ、これで建方への準備が整います。

上棟式

建方工事は、ついにプレカットされた木材を家の形に組み立てていく作業です。構造材の組み立てから上棟式までかかる期間は、1~2週間ほどです。

土台の木材に柱を立ち上げ、梁を渡し、母屋を組み上げていきます。また、耐震補強のために、柱と柱の間に筋交いを入れる箇所がいくつか存在しますので、壁ができあがって隠れてしまう前に、筋交いの設置箇所が設計図と合っているか確認しておきましょう。

1階・2階の床板が張られ、屋根の構造材が組み上げられたら、屋根裏となる棟木に地鎮祭で頂いたお札を貼ります。施主の希望により「上棟式」を行うことになりますが、絶対にしなくてはならないというものではありません。上棟式は、この先建物が無事に完成することを願う儀式で、大工さんやその他工事の関係者をねぎらう機会でもあります。

 

上棟後に、筋交いや構造材をつなぐ金具をボルトで固定します。ここでも、構造材や金具が設計書どおりに適切に設置されているかの検査が入ります。

構造材設置のチェックが終わったら、構造材に屋根材や外壁材を取り付けていく工程に移ります。おおよそ2~3週間かけて、外壁の設置まで完了させます。

すでに現場に到着している資材を雨に濡らさないためにも、まずは屋根工事から始めます。屋根の構造材の上に構造用合板を貼り、その上に透湿防水シートを施工します。バルコニーがあれば、多くの場合、屋根材の取り付けと並行して、バルコニー部分の防水工事も行われます。

柱と柱の間にサッシを設置していきますが、必要であれば木材で高さを出すなど、大工さんの腕の見せ所でもあります。窓サッシのほかに玄関ドアも取り付けられ、毎日の工事終了後には工事用のキーで施錠が行われるようになります。

サッシ設置工事が終わったら、JIO(日本住宅保証検査機構)による外装下地検査を受けます。検査でOKが出たら、外装取り付け工事ができるようになります。

石膏ボードをつける前に、電気工事士が家じゅうのスイッチやコンセントを設置します。

柱と柱をつなぐように、内側に構造用合板を貼っていきます。外側には透湿防水シートを、その内側の柱と柱の間にはグラスウールなどの断熱材を詰めていきます。断熱材は屋根部分の内側にも隙間なく貼ります。その上に石膏ボードを貼り、これで内壁の下地が完成です。

床にも断熱材を貼り巡らせて、その上に構造用合板を貼り、下地をつくります。

透湿防水シートが貼られた外側に、外壁材(サイディング)が取り付けられていきます。色の違う数種類のサイディングを選んだ場合は、図面どおりに施工が行われているか確認しましょう。

建物の内装を仕上げていきます。大工さんによる建具・押入れ・階段などの造作工事とともに、内装屋さん、電気工事士なども活躍して、約1ヶ月間をかけて内装工事から設備の施工までを完了させていきます。各職人さんの技が光る工程です。

内装会社が石膏ボード同士の接続部分の処理をしたあとに、あらかじめ施主が選んでおいた壁紙(クロス)を貼っていきます。

大工さんにより、床の構造用合板の上にフローリング材が貼られます。床暖房を設置する場合は、この時に同時に行われます。洗面所や内外玄関のタイル貼りは、タイル職人もしくは内装屋さんが手掛けます。

クロスやフローリング材の施工と同時進行で、大工さんが棚や押入れ、階段や手すりといった造作工事を進めていきます。建具については、既製品であれば大工さんが設置しますが、オリジナル品は建具屋さんの作業となります。

外壁工事・屋根工事が終わり、造作工事によって階段も完成したら、いよいよ足場が外されます。足場は、専門会社が組み立てから撤去まで行うものです。足場がなくなると、新築住宅の外観がお目見えします。

電気工事士により、スイッチやコンセントカバーなどの最終調整と、照明器具・エアコンなどの設置が行われます。建物全体の電気をまとめる配電盤も、この時に設置されます。次の「その他設備の施工」と前後して行われることになります。

ユニットバス・システムキッチン・換気扇・24時間換気システム・洗面台・トイレなどの設備が取り付けられます。この工程でも、大工さんの造作工事が大活躍します。これで内装の仕上げが完了です。

敷地内に駐車場やフェンスを設置したり、玄関アプローチや植栽を整えたりする契約も結んでいる場合は、このタイミングで外構工事が行われます。外構工事まで資金が回らない場合は、入居後に資金が準備でき次第見積もりを取ることも可能です。中には、外構工事については最初からDIYで行うことを計画している人もいます。

不動産の引き渡し

建物が竣工したら、竣工検査の合格を経て、物件の引き渡しとなります。ここまで来たら、入居できる日まであと1~2週間です。

建築申請をした際の図面をもとに、工事責任者が建物全体をチェックします。改めて検査機関の竣工検査も入り、合格したら新築住宅工事の完成です。

その後、施主・設計担当者が立ち会い、仕上がりをチェックします。インターネット上で新築の際のチェック項目フォーマットを見つけられますので、施主側でも準備しておくとよいでしょう。施工管理担当者も立ち会う場合があります。あとで補修が必要な箇所があった場合、このときに申し出ることができます。

仕上がりのチェックが完了したら、工事用キーが施主専用キーに変更されます。物件の引き渡しとなり、引き渡し完了です。引越しが完了したら、改めて近隣の方々へ挨拶まわりをしましょう。手土産もあると、今後のご近所づきあいもスムーズにいきます。

新築の住宅工事では、施工会社によって各工程のやり方やかける期間が異なりますので、あくまでも一般的な流れと期間をご紹介しました。

着工から物件の受け渡しまでは、現場に進捗状況を見に行くのが楽しみなものです。大工さんに挨拶をして差し入れをしたりするだけでなく、各工程でなければ確認できないポイントもぜひチェックしておくようにしてください。

図面と異なる箇所を見つけた場合は、早急に現場監督へ伝えることで、大工さんもすぐに修正作業に入ることができ、全体の工期遅れを最小限に抑えられます。

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