新型コロナウイルスの影響でリモートワークを経験するなどして、職場と自宅のあり方についてあらためて考えた方も多いのではないでしょうか。
「家でも仕事ができるのなら、無理して都心に住む必要はないかも」「今の家には集中して仕事ができるスペースがないので、今後もリモートワークをするならワークスペースが欲しい」などと考え、すでに都心から郊外、あるいはマンションから一戸建てへの住み替えを検討している方もいるかもしれません。

せっかく買うなら理想的な家を手に入れたいですよね。そこで注目してほしいのが、中古住宅です。新築住宅に比べて価格を抑えられるうえ、購入と同時にリノベーションして住みやすい家にすることも可能です。中古住宅を購入するメリットや、購入までの流れ、そしてリフォームやリノベーションの進め方をまとめました。

郊外の都市

住宅購入時にまず考えるのが立地です。
都心では望む広さや予算の物件が見つからず、郊外に住んだほうがよいのか迷う方は、すでに郊外から都心へ通勤している方の意見を参考にしてみるのはいかがでしょう。

 

通勤に1時間以上かかる、郊外に住んでいる方を対象としたアンケートでは、「静かである」「自然が豊かである」「治安が良い」といった点を良かったと感じているようです。逆に想像と違った点としては、「通勤が予想していたより苦痛だ」「車がなければ外出しにくい」「帰宅時の最終電車・バスの時間が早い」といった点が挙げられましたが、リモートワークが増えてくると気にならなくなることもあるかもしれません。2018年の調査ですが、現在でもそこまで大きく状況は変わっていないと思われるので、参考になるのではないでしょうか。

 

通勤に1時間以上かかる人に聞いた、郊外に家を買って良かったこと、想像と違ったこと

 

次に、実際に中古住宅を購入した方に、メリットや購入時の注意点を聞いてみました。こちらも2018年の調査ですが、中古住宅を購入して「満足した」「やや満足した」と答えた人は、一戸建て・マンションのどちらも9割以上にのぼりました。中古住宅ならではの魅力としては、リフォームやリノベーションで自分好みにできること、予算内の物件を探しやすいこと、実際に家の日照や風通しなどを確認して購入できることが挙げられています。

 

また、多くの方が物件の築年数や設備の不具合、家の中のキズや傷みに気をつけて購入したと答えています。購入するなら新築、と考えている方も多いかと思いますが、9割もの方が中古住宅を購入したことに満足しているという結果を見ると、中古住宅の購入を検討してみるのもいいのではないでしょうか。

 

中古住宅を購入した500人に聞く、購入時の注意点とチェックポイント

 

マンションの内見

実際に中古物件選びをスタートする際には、どのような点に気をつければよいのでしょうか。初めて家を買う場合は特に、分からないことが多いはずです。新築物件を探す場合と共通することだけでなく、中古住宅ならではのポイントもありますので、2度目以降の購入であっても確認しておきましょう。

初めて家を購入する方は、まず家を買うまでの流れを把握しておくといいでしょう。不動産購入時には住宅ローンを組むケースがほとんどですが、無理のない借入額にしなければ、生活が苦しくなってしまいます。また、借りる際の金利も検討のポイントです。大きく分けて固定金利と変動金利の2タイプがあるので、特徴を理解して判断しましょう。

 

そのほか、土地選びや家を買う際の注意点についても紹介していますので、物件探しを始める人はまず下記の記事に目を通してみてください。

 

中古住宅、購入の流れと確認しておくべきポイントを解説

家を買う際の注意点!中古でも新築でも失敗しないポイントを解説

では、物件選びの際にどのような点に気をつければよいのか、具体的に見ていきましょう。一戸建てとマンションで気をつけるべき点は少し異なります。

 

まず中古一戸建てですが、物件に関連する書類をしっかり確認しましょう。特に、「建築確認済証」や「検査済証」が交付されているかどうか確認することは、違法建築や耐震性に問題のある建物を見分けるうえで重要です。図面を見ても分からない場合は、不動産会社に聞いたり、専門家にチェックしてもらったりする方法もあります。
また、実際に物件を見学する際には、配管などの点検口や家具の裏などにカビが発生していないか、基礎や外壁にひびや異常な汚れがないかなどを確認しましょう。

 

中古一戸建てのチェックポイント

 

次に中古マンションの場合、すでにその物件で暮らしている方がいます。そのため、購入候補の居室内だけでなく、共用部分の使い方などを見ることがポイントです。
エントランスや廊下、ゴミ置き場などの清掃が行き届いているかといった点のほか、管理組合が機能しているか、管理費や修繕積立金の運用状況はどうか、修繕計画がきちんとつくられているかについても確認しておくとよいでしょう。

 

居室内では、特に水回りの配置を見ておきましょう。リフォームやリノベーションを予定している場合、水回りの位置を変える工事は費用が高額になる可能性があります。また、水栓や給湯器などの設備は劣化するものなので、壊れていないかどうか、また直近の更新はいつ行われたかについても確認しましょう。

部屋のオーナーがまだ居住中であれば、マンションの管理情報や住み心地、周辺環境について直接聞いてみるのもよいでしょう。

 

中古マンションを内覧するときの注意点とチェックリスト

中古住宅ならではの着目点として、古物件を購入した方のアンケートでも注意点の上位に挙がっていた、築年数があります。
築浅のほうが良いと考えてしまいがちですが、築年数がたっていてもきちんと管理されている物件であれば問題なく住むことができますし、古い分だけ価格も抑えられる可能性があります。ただし、購入する前にきちんと建物のチェックをしておくことが重要です。特にマンションの場合、旧耐震構造でないかどうかは確認しておきましょう。
専門家にホームインスペクションを依頼し、住宅を診断してもらうのもよいでしょう。
LIFULL HOME’Sでは、インスペクションの結果を確認できる「LIFULL HOME’S住宅評価」物件を検索できますので、利用してみてください。

 

中古住宅は実際のところ何年住める?築30年以上の物件を買うときに注意したいこと

 

実際に築45年のマンションを購入した方の体験談もご紹介します。自分で物件について納得できるまで調べることも大切ですが、不動産会社の担当者との相性も重要だといいます。妥協せず家探しをするほど長期間にわたってお世話になるため、好みや要望を理解してくれる担当者と協力できると満足度の高い家探しができそうですね。

 

築45年も気にしない。『管理状態』に的を絞った中古マンション選び

 

住宅ローンについて考える夫婦

中古住宅を購入する際にも、住宅ローンを利用できます。ただ、新築購入時と異なるのはフルローンを利用できない可能性があるということです。

 

フルローンとは、手数料や保証料、所有権移転登記にかかる費用など諸費用まで含めて必要な費用を全額融資してもらうローンです。しかし中古住宅は築年数が経過している分、新築よりも担保価値が下がります。そのため、フルローンを組もうと思っても、必要な金額を借りられなかったり、そもそも審査に通らなかったりする可能性もあるのです。

 

中古住宅を購入する場合は、中古住宅向けのローンを探してみるのがおすすめです。リフォームの費用もかかるときには、購入金額以上の額を借りられるリフォーム対応ローンを検討してみるのもよいかもしれません。

 

中古住宅の購入でフルローンを利用できるのか?

 

上記記事にあるように、中古住宅の購入時の諸費用は、物件価格のおよそ7~10%をみておく必要がありそうです。その諸費用には、不動産会社に支払う仲介手数料も含まれます。

手数料には法律で定められた上限額があるので、事前に把握しておくとよいでしょう。手数料は物件価格によって変わり、上限額を簡単に算出するには、【(物件価格✕3%+6万)+消費税】という式で求めることができます。

 

中古マンション購入時に必要な仲介手数料の上限額と支払い時の注意ポイント

中古とはいえ、住宅は高い買い物です。少しでも安くしたいと思う方が多いことでしょう。
実は、物件購入時の値引き交渉は新築・中古問わず可能です。ただ、新築の場合は低下が決まっている場合もあり、値引きをしてもらえることはそれほど多くないようです。

 

中古の場合、定価は存在しないため値引き交渉の余地はありますが、人気の物件であったり、時間がかかっても希望の額で売りたいと売主が考えていたりすれば、難しいかもしれません。売主側の状況を知ることが値引き交渉のポイントです。
また、値引き交渉のタイミングも重要です。売り出したばかりでは値引き交渉に応じてもらえる可能性は低くなります。また、住宅ローンの事前審査は済ませておくとよいでしょう。そのほか、交渉時のコツや注意点については下記の記事を参考にしてみてください。

 

中古マンションの購入「値段交渉」はできる?

不動産の契約

住宅ローンの審査に通り、借り入れが可能になったら、晴れて物件購入の手続きを進めることになります。

契約時には下記のものが必要です。

  • 実印
  • 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
  • 合意した手付金(一般的には購入価格の1割程度で、現金か小切手で支払う)
  • 購入価格に応じた収入印紙
  • 仲介手数料

仲介手数料は、契約時に半額、引き渡し時に残額を支払うこともあるので不動産会社に事前に確認しておきましょう。

 

また、このときに重要事項説明や売買契約書の内容はしっかりとチェックし、不明点は分かるまで質問を。「付帯設備表」で備え付けの設備の状態、「物件状況報告書」で給排水設備や雨漏りなど内覧時に気づきにくいような不具合についても忘れずに見ておくことがトラブル防止につながります。

 

中古マンション購入時の契約の流れとトラブル回避のための注意点

 

中古住宅の購入で住宅ローンを組んだ場合も、住宅ローン控除を受けることは可能です。ただし、要件が新築と中古では少し異なります。
新築・中古に共通の要件は下記のとおりです。

  • 取得する物件の床面積が50m2以上である
  • 自分が居住するための住宅である
  • 新築または中古物件の取得の日から6ヶ月以内に居住している(※)
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上である
  • 住宅ローンの利用者の年収が3,000万円以下である

中古住宅のみの要件として、「耐震性能を有していること」が挙げられます。具体的には、下記のいずれかに適合することが要件です。

  • 取得する物件の築年数が、鉄筋コンクリートなどの「耐火建築物」の場合は築25年以内、木造などの「耐火建築物以外」の場合は築20年以内である
  • 耐震基準適合証明書や、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)で耐震性が確認されていること、もしくは住宅検査と保証がセットになっている既存住宅売買瑕疵保険に加入していること

そのほかに細かな要件もあるので、下記の記事やすまい給付金のWebサイトなどを確認してみてください。

 

※住宅ローン控除は、新型コロナウイルス感染症の影響によって入居期限までに入居できない場合でも、延長された一定の期限内に契約しているなど要件を満たしていれば、申請書を提出することで、期限内に入居した場合と同様の減税措置が適用されます。

詳細は、官公庁のホームページをご覧ください。
参照:国土交通省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた住宅取得支援策について

 

中古住宅の購入でも適用される? 住宅ローン控除のポイント

 

住宅ローン控除の申請については、下記の記事も参照してください。
必要な書類の種類と入手方法についてまとめられています。

 

中古住宅の「すまい給付金」申請方法!必要書類の入手先から注意点まで解説

 

ちなみに、住宅ローン控除を受けるためには、控除を受ける最初の年度に確定申告が必要です。給与取得者の場合、2年目以降は年末調整だけで済みます。その場合、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」や「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」などを会社に提出することになるので、失くさないよう保存しておきましょう。

スケルトンリノベーション

中古住宅を安く買い、リフォームして使いやすくしたり、リノベーションして新築同様に生まれ変わらせたりすることもできます。注文住宅を建てたり、新築住宅を購入したりするよりも費用を抑えられることから、近年注目されている方法です。

リフォームよりもリノベーションのほうが、内装や設備をすべて刷新するなど大規模につくり変えることができます。築年数のたった住宅に施すとコスト面でのメリットがありますが、築浅の物件だと、結局新築購入と変わらない費用がかかってしまうこともあるようです。また、物件の構造や給排水設備によっては、思ったとおりにリノベーションできない可能性もあります。

また、古い建物はリノベーションの途中で傷んでいる箇所が見つかると補修工事が必要になるなど、追加費用が発生する可能性も。

 

リノベーションを前提として物件を探すときには、あらかじめ不動産会社にもその旨を伝えておく、もしくは施工会社を先に決め、物件探しの段階から相談するのもよいかもしれません。

 

中古物件を購入してリノベーションする魅力と注意事項

よくある失敗例は?リノベーションしたい人の中古住宅選び方

リフォームの場合、古くなっている住宅の一部を刷新する工事を行います。あくまで目安ではありますが、築年数によってリフォームが必要な箇所や範囲が異なってきます。

 

築5年未満なら、ハウスクリーニング程度で済むことが多いですが、築10年ではクロスを全面張り替えるケースが多いため、100m2で50万円程度が目安です。築15年を過ぎると水回りの設備の交換が必要になってくるため、費用がかなり高額になるかもしれません。

 

もちろん、建物の保存状況が悪ければ、それだけ傷みが進むため、目安よりもさらに高額になったり、そもそもリフォームに向いていない物件であったりする可能性もあります。詳細な金額については下記の記事を参照してください。

 

築5年、築10年、築20年…築年数によって異なる中古住宅リフォーム費用の目安とは

 

近年は、すでにリフォーム・リノベーションされた物件を売り出している会社もあります。自分でリフォームやリノベーションのことを考えるのはちょっと大変、という人にはもってこいですが、注意すべき点もあります。

 

中古住宅を購入後にリフォーム・リノベーションする場合、物件を購入してからリフォーム・リノベーションが完了するまで入居できませんが、リフォーム・リノベーション済みであればすぐに入居できます。外観は古くても居室や設備は新築並みにきれいなので、生活するうえで困ることもないでしょう。

 

ただし、工事の過程を見ることができないので、柱や梁、壁の下地や配管など外からは見えない部分がどうなっているかの確認が難しいことは、リフォーム・リノベーション済み物件のデメリットといえるでしょう。物件を見学する際には、リフォーム箇所を重点的に確認するとともに、工事の施工写真や図面があれば見せてもらうのもよいでしょう。また、不動産会社に相談したうえで、専門家による住宅診断「インスペクション」を行うとより安心です。

 

リフォーム・リノベーション済賃貸物件を選ぶなら、ココに注意

リフォーム済み中古物件のメリットとデメリット

 

 

中古住宅には、費用を抑えつつ自分の使いやすい家を手に入れることができるというメリットがあります。耐震性など気をつけるべき点もあるので、チェックすべきポイントを理解し、見せてもらえる書類をきちんと確認することが大切です。上手にリフォーム・リノベーションをすれば、古い家でも使いやすく、おしゃれに生まれ変わらせることができます。今まで「家を買うなら新築」と考えていた人も、中古住宅を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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