都市計画区域外にも家を建てられることをご存じでしょうか。都市計画区域外というと、都市圏の住宅街に住んでいる方にはピンとこないかもしれませんが、田舎の集落をイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
ここでは都市計画区域外での建築について解説していきたいと思います。

そもそも都市計画区域とはどういうもので、何のためにあるのでしょう。

 

車で走っているときなどに、ある地点を境になんとなく周りの雰囲気が変わることに気づいた経験はないでしょうか。都心部は高いビルが立ち並び商業施設もぎっしりと詰まっています。都心部から少し離れると高層ビルはなくなり、中高層のマンションや低層の住宅街が広がります。さらに離れると住宅もまばらになり、田んぼや畑が広がる、見晴らしのよい平坦な地になっていきます。

これは「都市計画」によって建物の用途や規模が制限されているためで、無秩序に建物が乱立するのを防いでいるのです。

 

「都市計画」は、都市計画法第二条に基づき、「農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと」と定義されています。
適正な制限を設けることで、健康で文化的な都市生活や都市活動を合理的に行えるようにつくられます。また、同法第五条の二には「準都市計画区域」も指定されています。

 

都市計画区域を指定するのは都道府県です。都道府県は、「市又は人口、就業者数その他の事項が、自然、社会的条件、人口、土地利用、交通量等の現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、保全する必要がある区域」を都市計画区域として指定しています(都市計画法第五条より)。

建物を建築するためには、建築確認申請という手順を踏まなければなりません。「建築確認申請」とは、申請書を提出し、建築主事からその計画が建築基準関係規定に適合するものであることの確認を受けるものです。

 

確認申請が必要な建築は、下記の建築基準法第六条第一項第一号から第三号までに掲げる建築物の、大規模な修繕や模様替えをしようとする場合、または第四号にある建築物を建築しようとする場合となります。

建築基準法第六条第一項

一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの

 

二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの

 

三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの

 

四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物

確認申請を提出するのは建築主ですが、多くの場合は資格を持った建築士に委任します。「確認済証」の交付を受けた後でなければ、上記法律内に挙がっている建築物の建築、大規模な修繕・模様替えの工事をすることができません。

 

また、確認申請が必要な建築であるにもかかわらず、確認申請をしなかった場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます(建築基準法第九十九条第一項)。注意しましょう。

都市計画区域外に家を建てる場合(前述の建築基準法第六条第一項第四号により)、確認申請が不要のケースが出てきます。

たとえば木造2階建てで延べ面積150m2の一戸建て住宅は、建築基準法第六条第一項第四号に該当しますが、都市計画区域外に建築する場合は確認申請が不要になります。

建築確認申請が不要の場合でも、届け出はしなくてはなりません。この届け出のことを「工事届」といいます。

 

建築主や施工者が、建築または建築物を取り除こうとする場合は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。ただし、建築物または工事を行う部分の床面積の合計が10m2以内であるときには、この限りではありません。

 

また、建築確認申請が不要の場合であっても、建築基準法が適用外になるわけではありません。あくまで建築主事の確認が不要になるだけなので注意しましょう。

都会で生活していたけれど、田舎暮らしに憧れて定年後に移住したり、田舎に住みながらテレワークで仕事をしたりする方も増えてきました。

都市計画区域外での生活は、都会に住む便利さや華やかさはないかもしれません。その代わりにきれいな空気があり、食べ物を自給自足することも可能になるでしょう。

これから家を建てようと思う方は、都市計画区域外のメリットやデメリットを考慮したうえで、人生の選択肢を増やしてみるのもよいですね。

 

都市計画法や建築基準法は一般の方には非常に読みにくく、条文の内容を正しく理解するのが困難です。実際に都市計画区域外に家を建てたい場合は、各都道府県の建築課や、建築設計事務所に相談してみましょう。

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