ITに関連する言葉として、AI(人工知能)とともに最近よく耳にするようになった「IoT」。住宅のさまざまな部分にこのIoTを導入しているのがIoT住宅で、スマートホームとも呼ばれます。これから家を建てる、または購入しようとしている人の中には、IoT住宅にしたいと考える人もいるかもしれません。IoT住宅でできることや導入方法など、基礎知識を解説します。

IoTイメージ

IoTとは、「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」という意味です。IoTは、コンピューターだけでなく、いろいろなモノに通信機能を持たせてインターネットなどにつなげ、自動で作動できるようにします。人が働きかけなくても、モノそのものが情報を感知し、状況に応じて作動することも可能です。

 

IoT住宅は、このIoT技術を活用し、インターネットを通じて住宅内外の情報を連携させます。そしてセキュリティ監視やエネルギーの自動制御などを行うことで、住む人により豊かな生活環境を提供します。

スマートスピーカーイメージ

IoT住宅では、現在どのような製品が導入されているのでしょうか。主な製品と機能を紹介します。

Wi-Fiなどの無線通信につなげることにより、スマートフォンなどの機器を用いて玄関の鍵の開閉や管理ができます。また、鍵を開閉できる期間や回数を制限することが可能な機種も。そのため、第三者と鍵を共有しても、不正利用されにくいので安心です。

対話型の音声操作に対応する機能を持つスピーカー。たとえば、「今日のニュースを読んで」と話しかければ、ニュースを読み上げてくれます。また検索エンジンとも接続しているため、「ベトナムの首都はどこ?」と尋ねれば、「ハノイ」と答えを読み上げてくれます。ほかのIoT機器と連動させれば音声操作できるようになるなど、IoT住宅の中心を担う機器でもあります。

スマートフォンと連携することにより、荷受時の通知の受け取りや荷物の管理ができる宅配ボックス。玄関先に設置し、外出先からでも動画により配達員と話ができるものもあります。

HEMS(Home Energy Management System:ホーム エネルギー マネジメント システム)とは、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムのこと。家電と電気・ガスの設備をつなぐことによって、エネルギーの使用量をスマートフォンなどの画面で見ることができます。住まいのエネルギーを「見える化」するので、消費者が自ら使用量を把握して節約につなげることもできます。

 

そのほか、外出先からエアコンをはじめとする電化製品をスマートフォンで操作できるようにするなど、毎日行っている動作をIoT化することで、暮らしがより便利になります。

住宅にIoTを導入したい、と考えている方は、建売住宅か注文住宅かによっても、導入方法が変わってきます。新築の建売住宅、注文住宅、賃貸物件の3つのパターンをご紹介します。

建売住宅の購入を考えている場合は、あらかじめIoTを導入した住宅を選ぶとよいでしょう。機器の導入・調整を自分で行う必要がなく、環境が整った状態で住み始めることができます。

注文住宅であれば、ハウスメーカーや工務店などにIoTを導入したいと相談してみましょう。中には、スマートロックや照明・家電制御などのように後付けできる製品も。後日、自分で導入できるものは後回しにすることで、建築時の費用を抑えられる場合もあります。

新築一戸建てに限らず、賃貸物件でも、IoTを導入する動きが見られます。電球一体型の防犯カメラやワイヤレスモニター付きでスマートフォンを連動させられるテレビドアホンなど、セキュリティに関する商品が導入されているケースがあります。また、スマートロックや家電制御など後付けできるものを導入すれば、ある程度は自分で環境を整えることもできます。

スマートホームイメージ

IoT技術を活用した新たなサービスがいろいろな方面で始まろうとしています。

たとえば、不在時にも安心して依頼できる家事の代行サービス。家事代行を利用する際、IoT対応の宅内カメラがあれば、外出先から中の様子を窺うことができるため、立ち合う必要がなくなります。また、スマートロックで施錠・解錠をすることができるため、鍵のやり取りも不要です。

 

日本ではまだ普及していませんが、アメリカでは、留守中でも配達員がドアを解錠し室内に荷物を届けるサービスが展開されています。配達員が荷物のバーコードをスキャンすると、インターネットにつながっているスマートロックが解錠され、室内カメラの録画が始まります。カメラは、ドアが開かれ、荷物が置かれ、配達員が家から去るまでを監視します。利用者はその様子をリアルタイムで視聴できる仕組みです。

 

IoTが普及することによって、私たちの暮らしはますます便利になりそうですね。

使いこなせば非常に便利なIoTですが、いくつか課題も残されています。

 

インターネットを主とする技術であるため、情報漏洩や不正侵入などセキュリティの安全性が常に課題となります。また、多様な機種からさまざまなデータを収集するために、良好な通信環境の整備も必要です。

 

加えて、使い勝手も解決すべき課題に挙げられます。今後、高齢者の見守りサービスなどで広く活用されることが考えられるため、インターネットに馴染みのない高齢者にとっても使いやすいものであることが求められるでしょう。

 

また、技術の進歩が目覚ましいため、新しい機器が続々と登場し、今使っているものがすぐに古くなってしまう可能性がある点も課題といえます。最新機種を使いたい人は、導入のタイミングを慎重に検討したほうがよいかもしれません。

住居の中のさまざまなモノをインターネットなどでつなぐことによって、いろいろなことを可能にしたのがIoT住宅です。これにより、住まいはより快適で便利なものとなります。今後、サービスのさらなる進展も期待されており、IoT住宅の可能性は無限に広がっているといえそうです。これから住まいの購入・建築を検討する際には、IoT住宅の快適な暮らしも検討してみてください。

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