新築住宅の基礎工事は、安心できる住まいづくりのためにとても重要な工程です。

間取りや内装などは目に見える部分であるため、ある程度理解したうえで確認できますが、基礎工事となると専門的知識がなければ何に注意すればいいのかわからないという人も多いでしょう。

そこで基礎工事についての知識をある程度持っておくと、新築住宅を建てるときも土台づくりからしっかりとチェックができます。今回は基礎工事の重要性や、現場で確認したいチェックポイントを紹介します。

 

基礎工事とは、地面と建物のつなぎ部分にあたる”基礎”をつくるために必要な工程です。丈夫で長持ちする家づくりのためには、建物のすべてを支える土台がしっかりとしていることが重要となります。

 

基礎が傾いている、歪んでいるなどの不具合があると、基礎工事以降の工程がどれだけ優れていても、建物としては不安定になりやすく、危険です。また万が一、基礎部分に問題があるとわかった場合は、つくり直しにも時間がかかります。

 

家づくりにおいて、とても重要となる基礎工事を行うには、測量や配筋、コンクリート打設などの専門的な知識と技術が必要となるため、基礎専門の職人が行うケースが多いです。もしくは基礎専門の職人と同等の知識や技術を持った大工であれば、基礎から引き受けるケースもあります。

基礎工事は、“ベタ基礎”と“布基礎”の2つが主流とされています。

 

一戸建住宅で多く見受けられる工法である“ベタ基礎”は、建物の底一面を鉄筋コンクリートの基礎で支えるものです。安定性が高く、耐久性の高いつくりとされ、地面から上がってくる湿気や白アリを防ぎやすいといわれています。

 

一方“布基礎”とは、建物の柱や壁の部分にコンクリートを打設する(枠に沿って流し込む)工法で、ベタ基礎に比べて柱や壁にかかる荷重を受け止めやすいといわれています。その半面、地面からの湿気を受けやすく、カビや白アリが発生する危険性や、ベタ基礎に比べ工事期間が長い分、コストがかかる可能性があるといったデメリットも考えられます。

 

2000年の建築基準法の改正により耐震基準が強化され、堅硬な地盤でなければ布基礎を採用することができなくなり、ベタ基礎を採用するケースが増えました。しかし、必ずしもベタ基礎がいいというわけではなく、求める条件や工法によっては布基礎のほうが適している場合もあります。

基礎工事を見学に行く前に、どのような作業を行っているのかをまず頭に入れておきましょう。今回は、多くの住宅で採用されている“ベタ基礎”を紹介します。

1. 地縄(じなわ)を張る

建物が土地の中のどの部分に建つのかがわかるように、該当する範囲に縄やロープで印をつけます。このことを“地縄を張る”といいます。

2. 根切りする

建物を建てる範囲を定めたら、パワーショベルなどの重機を使用して、基礎の底となる深さまで土を掘ります。これを“根切りする”といいます。

3. 砕石(さいせき)を敷き詰める

基礎が配置される部分の地面に“砕石”と呼ばれる砂利を敷き詰めて、地盤を固めます。

4. 捨てコンを流す

地盤を固めた上に防湿シートを敷いて、 “捨てコン”と呼ばれるコンクリートを流します。これは、建築の基準となる線を引く“墨出し”を行うためのものです。

5. 枠を組み、コンクリートを打設する

建物を建てる位置に鉄筋を組んで、コンクリートが漏れないように型枠を組みます。その後、基礎の外周・内部にコンクリートを流し込みます。

6. 型枠を外して仕上げをする

コンクリートに強度が出てから型枠を外し、別途必要となる部分にコンクリートを打設したり、不要なコンクリートを除去したりするなどの仕上げ作業を行います。

基礎工事の作業内容を大まかに把握したうえで、基礎工事の現場へ足を運んだ際にチェックしておきたいポイントを紹介します。

基礎のサイズ

基礎のサイズは、設計図面の中の“基礎伏図”に記載されているので、現場へ足を運んだら図面に書かれている基礎サイズと照らし合わせて、基礎の深さや幅、外側や内側の高さが合っているかチェックしてみましょう。

地縄張りが正しく行えているか

建物を建てるスペースを確保するための地縄張りですが、建物の形や向きと設計図が同じかどうかを確認しましょう。

 

図面と確認して問題がない場合も、さらに隣の家とのスペースや駐車スペースが十分に確保できているかなど、図面だけではわからないスペースについてもチェックしておきましょう。

アンカーボルトが設置してあるか

アンカーボルトとは、基礎とその上にのせる土台をつなぎ止める役割を担う金具のことです。

 

基礎づくりでは柱の下や土台のつなぎ目の部分に、必ずコンクリートを打つ前にアンカーボルトを設置しなくてはいけません。アンカーボルトは基礎に埋め込まれるものなので、コンクリートが固まったあとは手直しができません。

 

アンカーボルトを設置した段階で、基礎のほぼ中心に真っすぐ埋め込まれているかどうか、住宅金融支援機構の基準として定められているアンカーボルトの間隔である2.7m以内という基準が守られているかどうか確認しておきましょう。

鉄筋に偏りはないか

鉄筋が正しく配置されているかどうかで、基礎の耐久性が大きく変わります。まずは鉄筋の本数が図面どおりに入っているかを確認してみましょう。

 

また、鉄筋にコンクリートがかぶさっている際の厚みを“かぶり厚さ”といいます。かぶり厚さが薄いと鉄筋がむき出しになってしまい、さびやすくなります。

 

そのため住宅の場合は基準があり、地面と鉄筋の間は6cm以上、型枠と鉄筋の間は4cm以上となっています。少し専門的な内容となりますが、わかる範囲でいいのでこちらも併せて確認してみましょう。

建築中の住宅検査を行う

建築に不安を覚える方や“自分ではわからないから専門的に判断してほしい”という方は、建築中の住宅検査(ホームインスペクション)を行うことをおすすめします。

 

住宅検査とは、新築住宅の基礎配筋、土台から完成までの欠陥を防ぐために、一級建築士や住宅検査のプロが検査してくれるサービスです。第三者が現状を見て審査するため、欠陥住宅を未然に防ぐことができます。

基礎工事の段階から現場へ訪れることができるのは、新築で家を建てる際の大きなメリットです。安心できる住まいづくりのためにも、住宅の土台を担う基礎工事の段階から現場に足を運んで、今回の記事で紹介した内容についてチェックしてみましょう。

 

基礎工事を行う前には地盤調査を行うようにしましょう。基礎工事がいかによくても、土台のもととなる地盤がゆるんでいるなど、地盤自体が問題を抱えていれば、基礎自体も不安定になってしまいます。地盤調査の結果によっては地盤改良が必要となるケースもあります。 その際はしっかりと地盤を整えてから、基礎工事に移るようにしましょう。

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