再建築不可の物件とは?なぜ、再建築できないのか。

まず再建築不可の物件とはどのような状況の物件なのか、確認しておきましょう。
再建築不可の物件とは、法律上、現在ある建物を壊して新たな建築ができない物件のことを指します。これは建築基準法が関わってきます。建築基準法では道路について第42条で規定しており、この道路に接していない敷地の場合、建物を建築することはできません。この規定ができる前から建っている物件はそのままで問題ない(わざわざ取りこわす必要はない)のですが、これからは、建築はできないことになっています。

建築基準法上の道路とは、原則として公道などの幅員4m以上のものをいいます。
ただし幅員4m未満の道路でも、建築基準法の道路(2項道路、みなし道路など)とみなされる場合があります。
これらの道路に2m以上接していない敷地には、原則として建物を建てることができません。 

敷地の接道義務があるのは都市計画区域(※)(準都市計画区域)内であり、都市計画が定められていない区域では適用されません。但し適用されない地域であっても、役場との協議が必要だったり、条例によって取り決めがある場合もありますので注意しましょう。

<再建築不可の物件>
・前面道路が建築基準法上の道路でない。
・接道2m未満

※周囲が広い空地で、特定行政庁が認め、建築審査会の同意を得て許可されたものは除く。
※都市計画区域は、都道府県により、都市の実態や将来の計画をもとに都市計画を定める地域のことです。

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再建築不可の物件は意外と多い?

現在、物件をお探しの方は再建築不可の物件を目にしたことがあるかもしれませんが、果たしてこの物件、どのくらいあるのでしょうか。総務省による住宅・土地統計調査では敷地に接している道路の幅員について公表しています。

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東京都23区内の、「幅員2m未満の道路に接している」「敷地が道路に接していない」を見ますと合わせて全体の9%程度存在していることがわかります〔表2〕。
東京は全域が接道義務のある都市計画区域(市街化区域と市街化調整区域並びに非線引都市計画区域)となっているため、全住居(専用住居と併用住居の合計)の約9%にあたる約25万戸は再建築不可の可能性が高いことになります。

このうち、どの程度市場に流通しているかはわかりませんが、「幅員2m未満の道路に接している」「敷地が道路に接していない」合わせて約25万戸ありますので、再建築不可の物件はある程度の数が流通していると推測できます。このことから、東京都をはじめ、三大都市圏や地方中枢都市などでも再建築不可の物件を見かける可能性が十分あります。

再建築不可の物件を買う場合のメリット

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既に建っている家が、好みに合った
昔ながらの家の可能性もあります。

再建築可能な土地が多く取引される中、再建築不可の物件を選ぶメリットはあるのでしょうか。何も知らなければ、自然と避けてしまうかもしれません。ということは、販売する側も価格を下げて販売します。資産価値が下がりますので、購入価格はもちろん、固定資産税などの税も安くなります。再建築不可の物件を購入する一番のメリットと言えます。
そもそも再建築不可の物件は昔ながらの住宅であり、それを好む人にとっては願ったりかなったりではないでしょうか。
またデメリットで紹介しますが、再建築不可ですので建物の診断が必要不可欠です。購入代金を安く抑えられた分、耐震性や防寒性、隠れたきずなどを専門器具などでチェックしてもらえるホームインスペクション(住宅診断)の依頼費用にあて、その診断結果をもとに住宅の基礎基盤強化を行うよう、リフォームやリノベーションによって、住宅を長生きさせることができますし、自分好みの空間を作ることもできます。

●再建築不可物件の購入メリット●
・比較的安く購入することができる
・昔ながらの建物に住むことができる
・リフォームやリノベーション、メンテナンスに費用をかけることができる
・資産価値が低い分、固定資産税などの税負担も軽くなる

再建築不可の物件を買う場合のデメリット

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再建築不可の物件の場合には
長く使える建物なのか確認しましょう

再建築不可の物件のデメリットは、何といっても再建築できないことです。購入時にホームインスペクション(住宅診断)を実施し、必要であれば補強・補修をしなければなりませんが、購入後もメンテナンスが必要です。地震や火災などの自然災害により建物が半壊、全壊した場合でも再建築できませんので注意が必要です。

●再建築不可物件の購入デメリット●
・倒壊しても再建築できない
・メンテナンス費用がある程度かかる
・住宅ローンを利用できない可能性がある。

買った場合の活用方法

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近隣の土地が手に入ることで、
建築可能になることもあります。

再建築不可の物件を購入した場合の活用方法について考えてみましょう。
購入時にリフォームやリノベーションをし、住宅寿命を延ばせば、中長期的に住むことができるでしょう。購入時には接道義務を満たしていなくても、近隣住宅の変化により、周辺の土地を買い取る機会を得るかもしれません。

再建築可能な条件が揃えば、資産価値が上がりますので、将来売却するときには購入時より高値で売却できる可能性もあります。また再建築不可のままであっても、賃貸物件として貸すことも可能です。他にはない雰囲気の住まいであれば借り手が付きやすくなるかもしれません。

ちなみに再建築不可の物件を積極的に買い取る不動産会社があります。物件価格の安さに注目し、買取後に資産価値を上げて高く販売するノウハウがあるためです。基本的には、再建築不可の物件であっても近隣住民との交渉により一部の土地を買い取ったり、リフォームやリノベーションで資産価値を上げたりすることで、売却できる不動産にしています。再建築不可の物件は手が出しにくいかもしれませんが、活用方法はあるのです。

再建築不可の物件に関わらず、住まいは長期的に考えるもの

住まいに対する考え方は様々ですが、長期的に住むことが前提になります。将来、その住宅は子どもに譲るのか、売却するのか、賃貸にするのか、最終処分方法によってもどのような物件を購入するか異なります。昔ながらの住まいがいいのか、資産価値がなるべく下がらない物件がいいのか、住まいに対する考え方によっては再建築不可の物件が魅力的になる方もいらっしゃるでしょう。

再建築不可の物件にはデメリットがあります。デメリットだけに注目してしまうと、自ら選択肢の幅を狭めてしまうことになります。再建築不可の物件を勧めているわけではありませんが、住まい探しの初期の段階では選択肢は多い方がいいと思いますので、専門家に相談しつつ理想的な住まいを見つけてください。

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