トレーラーハウスは“牽引できる家”

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移動は可能なもの、自走はしないのが
”トレーラーハウス”です

トレーラーハウスとは、車で牽引して移動することが可能な住宅のことです。内部には、固定されたベッドやテーブルのほか、キッチン、トイレ、シャワーなど、生活に欠かせない設備が整っています。
中で寝泊まりできる車で代表的なものといえば“キャンピングカー”ですが、トレーラーハウス自体にはエンジンが付いていないため、自走することはできません。特にアメリカで広く普及している“トレーラーパーク”と呼ばれる、トレーラーハウス専用の住宅街もあります。

日本では戦後の経済成長時代を経て、より沢山の物を所持することが贅沢であり、家は大きいほど良いという価値観が主流でした。近年は“断捨離”などの流行もあり、少ない持ち物でコンパクトに生活するという価値観が注目を集めています。その流れから、タイニーハウス(小さな家)が人気を集めており、日本でもトレーラーハウスを購入する人が増えているようです。

トレーラーハウスの法律上の扱いは“車両”

日本国内におけるトレーラーハウスの法律上の扱いは、“建築物”ではなく“車両”です。そのため、一戸建てとは異なり固定資産税の課税対象ではありません。また、市街化調整区域や農地など、住宅が建設できない土地にも設置することが可能です。ただし、いくつかの条件を満たさないトレーラーハウスは建築物として扱われるので注意が必要です。簡単にいうと設置後も“いつでも移動できる”状態を保つ必要があります。

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中には建築物扱いされてしまう
条件のものもあるようです。

■トレーラーハウスが“建築物”扱いにされないために

それでは、トレーラーハウスが建築物として扱われる具体的なポイントを確認してみましょう。なお、これらの条件をすべて満たしても、自治体の条例などによって、設置許可が降りないケースもあります。

ライフラインの接続に工具が必要かどうか
水・電気・ガス・給排水といったライフラインも、トレーラーハウスに引き込んで使用することが可能です。ただし、配管の取り外しを工具なしで行える方式を採用しなければ、建築物として扱われます。

車輪が取り外されていないか
トレーラーハウスの設置後に車輪を取り外したり、車輪を土台などに固定して簡単に取り外せない状態にしたりすると建築物とみなされます。車輪がある場合でも、メンテナンスを実施していつでも問題なく走行できるように保つことが必要です。

敷地内に通路が確保されているか
トレーラーハウスを公道まで問題なく牽引できるように、設置後も通路を確保しておく必要があります。

移動に支障のある設備がないか
移動の際に支障となる設備をトレーラーハウスに設置してはいけません。階段、ポーチ・ベランダ・柵などを取り付ける場合は注意が必要です。

出典:非営利型一般社団法人 日本トレーラーハウス協会「法的基準について」

トレーラーハウスの活用例や費用について

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震災の際の仮設住宅にも
活躍しました。

トレーラーハウスには生活に必要な設備が揃っているため、2011年の東日本大震災の際は、一部で仮設住宅として用いられました。運搬に多少の手間が掛かりますが、設置してすぐに使用できることから、店舗や事務所などにも活用されており、キャンプ場でコテージとして利用されているケースもあります。
住宅としては、自宅敷地内の離れや、別荘として利用する例が多いようです。
また、不要になったら中古品として売却できるため、住宅のように解体することなく、更地に戻すこともできます。

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ナンバープレートの取得も必要です。

トレーラーハウスの設置にかかる費用
トレーラーハウスには国内で製造されるものと、海外からの輸入品があります。
価格は大きさや内装にもよって異なりますが、新品で500〜700万円ほど、中古であれば200〜500万円ほどで入手することが可能です。
本体価格のほか、50〜100万円ほどの運搬費用が必要なので、入手場所と設置場所の距離も考慮したほうが良いでしょう。

なお、車両なのでナンバープレートの取得も必要です。
全日本トラック協会※によると、幅2.5mを超えるトレーラーハウスは特殊大型車両に分類され、許可なく一般道を走行することはできません。そのため、設置の際は国土交通省に許可の申請が必要です。原則的に、一般車両の通行を妨げない夜から早朝のうちに運搬を行います。

※出典:公益社団法人 全日本トラック協会「特殊車両が道路を走行するために必要な知識」

トレーラーハウスに関する法律は今後変わる可能性も
トレーラーハウスが日本で普及し始めてきたのはここ20年ほどのため、法整備が進んでいないのが現状です。現時点では固定資産税がかかりませんが、今後トレーラーハウスで暮らす人が増えた場合は、法改正により課税対象となる可能性もゼロではありません。現在の法律が永続的なものとは限らないことは、念頭に置いておきましょう。

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(2017/09/27)