住宅の階段は主に4種類

一般的な住宅で設置される階段は主に4種類に分類できます。それぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう。

・直階段(直線階段・直進階段)
“直階段”とは、一直線で途中に踊り場がない階段のこと。シンプルな形状のため、設置面積を抑えることが可能です。

しかし踊り場がない分、転倒した際にいちばん下まで転げ落ちる事故が起きやすいことから“鉄砲階段”とも呼ばれることもあります。よって直階段の場合、つかまりやすい手すりを設置する、勾配をきつくしすぎないなどの工夫が大切です。

・かね折れ階段(折れ階段・折曲り階段)
“かね折れ階段”とは、途中に踊り場がありL字型に折れている階段です。
折り返しの分だけ直階段に比べて広い面積が必要になり、設置費用は高くなります。

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左:直階段(オープン式) 右:かね折れ階段

・折り返し階段(屈折階段・回り階段)
“折り返し階段”とは、途中に踊り場がありU字型に折れている階段です。
段数が増えるため、勾配が緩やかになります。踊り場がかね折れ階段よりも広く、大きな床面積が必要です。

・らせん階段
“らせん階段”とは、柱を中心にとして踏み板がらせん状に連なる階段のこと。
階段全体が筒状の形状になるため、ほかの階段に比べて省スペースに設置することが可能です。動線が直線ではないため、大型の家具などが運べないことがあります。

このほかの特殊な階段としては、急勾配でも昇り降りしやすいように細い階段を互い違いに組み合わせた“互い違い階段(段違い階段)”、輸入住宅などにみられる“カーブ階段”などがあります。

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左:折り返し階段 右:らせん階段

階段の各部名称とデザインについて

●階段の各部名称

・踏み板・踏み面
足を乗せる水平な面のこと。

・蹴込み(けこみ)板
つま先がぶつかる部分の、垂直面の板。

・蹴上げ(けあげ)
蹴込み板の高さと踏み板の厚みを合わせた、階段1段ごとの高さ。

●階段のデザイン

・箱型階段
踏み板と踏み板の間に蹴込み(けこみ)板がある、箱を重ねたような形状の階段です。もっとも一般的にみられる階段で、階段下に収納スペースやトイレなどを配置することができます。

・オープン階段(スリット階段・スケルトン階段・シースルー階段)
蹴込み板がなく、登る時に向こう側が見えるタイプの階段です。光を遮らないので開放感があり、デザイン住宅などで人気があります。

・箱型とオープン型を合わせた階段
箱型階段とオープン階段を組み合わせるケースもあります。

近年人気の“リビング階段”のメリット・デメリット

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“リビング階段”は家族が自然に顔を合わせられる

近年、住宅内を細かく区切らずに、家族の共有スペースを重視した間取りが好まれる傾向にあります。
そのため、階段を廊下ではなくリビングに取り込んだ“リビング階段”が人気です。

2階へ行き来するためには必ずリビングを通ることになるため、家族が自然に顔を合わせる機会を確保できます。一例として、思春期の子どもがいつの間にか出掛けていた、などのトラブルが防ぎやすくなります。

デメリットとしては、直接2階に上がることができないため、急な来客時に生活感のあるリビングが丸見えになってしまうケースがあります。
また、リビング階段のある住宅は、リビング・ダイニング・キッチンをひと続きにした間取りのことが多いため、料理の匂いが2階に昇りやすいといった特徴もあります。

階段で転倒・転落事故を起こさないために

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子どもや高齢者が安心して登れる階段を選びましょう

建築基準法※において住宅の階段は、横幅75cm以上、蹴上げの高さ23cm以下、踏み面の奥行き15cm以上を確保するよう定められています。
ただ、これは最低限の基準のため、この数値で作った階段は角度にすると約57度とかなりの急勾配です。一般的に、安全に昇り降りできる階段の勾配は35度ほどとされています。

※国土交通省「建築基準保の階段に係る基準について」2014年告示

子どもや高齢者でも安心して使える階段

健康な成人にとってはさほど不便を感じない階段でも、子どもや高齢者にとっては使いにくく危険ということもあるので注意が必要です。
デザイン性の高い階段のなかには、手すりと階段の間に大きな空間があるケースもみられ、小さな子供が転落する危険性があります。

すき間のないデザインを選ぶ、あるいは子どもが大きくなるまでは転落防止のネットを設置するなど、安全対策を行いましょう。高齢者にも使いやすいバリアフリー階段としては、蹴上げの高さを16cm以下、踏み面の奥行きを30cm以上確保するのが望ましいとされています。

滑り止めや、足元を照らす照明の設置も有効です。手すりは途中でつかみ直す必要がないよう、ひと続きに設置します。両側にあるのが理想的ですが、難しい場合は降りる時の利き手側に配置しましょう。

出典:国土交通省「建築物移動等円滑化誘導基準チェックリスト」2017年3月

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