景気回復への期待感が高まる中で、新築住宅の販売戸数が増えているようです。最近の建売市場などの傾向を確認しておきましょう。

国土交通省は毎月、新設住宅着工戸数の統計を発表していますが、2013年7月は前年同月比12.0%増の84,459戸で、11か月連続の増加となっています。これは1997年4月の消費税増税前に駆け込み需要があった際の10か月連続を超え、1992年6月~1994年2月にかけての21か月連続に次ぐ長さです。建売住宅(国土交通省の分類では、分譲住宅のうちの一戸建て住宅)も同様の傾向があり、2013年7月は前年同月比8.4%増の11,305戸で、11か月連続の増加でした。しかし、これを都市圏別にみるとかなり温度差もあるようです。前年同月比の数値を2013年1月からまとめたのが下の表です。中部圏とその他地域は大きな伸びがみられ、いずれも2012年9月から11か月連続の増加となっていますが、首都圏と近畿圏の伸びはそれほど大きくありません。また、首都圏では2月と3月に減少したため、連続の増加は4か月にとどまっています。

 

建売住宅着工戸数

建売住宅着工戸数

住宅着工戸数が増えている要因の一つとして2014年4月に予定される消費税の増税が挙げられますが、税率アップによる負担増の緩和策として住宅ローン控除制度の拡充や「すまい給付金」制度の導入が図られます。それによって必ずしも増税後に負担が増えるわけではなく、逆に増税後のほうが負担を軽減できるケースもあるのです。しかし、それはあくまでも住宅ローンの利用を前提とした話です。現金で購入する場合、あるいは住宅ローンを借りてもその金額が少ない場合には、住宅ローン控除制度の拡充による恩恵も小さいでしょう。そのため、相対的に住宅価格が安い地域ほど、増税前の駆け込み需要も発生しやすいのだろうと推測されます。
首都圏でも現金購入者などは存在し、建売住宅の駆け込み需要もいくぶんあるでしょうが、それほど顕著な動きとはなっていません。それよりも、住宅ローン金利の先高観や地価上昇による住宅価格への影響を懸念する気持ちが、住宅購入を後押ししているのではないでしょうか。首都圏では消費税増税後に建売市場が大きく落ち込む可能性は低く、まだしばらくの間は伸び続けることも十分に考えられます。

 

建売住宅着工戸数 対前年同月比の推移 2013年1月~7月(単位:%)

都市圏別 1月 2月

3月

4月 5月 6月 7月
首都圏 11.7 -2.9 -1.9 24.4 9.5 6.0 7.1

中部圏

15.9 10.3 14.7 7.8 13.7 24.7 31.8
近畿圏 -7.4 -0.2 6.6 -6.4 9.9 1.5 1.0
その他 22.0 11.0 32.3 23.7 9.9 17.5 6.1

購入した新築住宅に欠陥があっては大変です。住宅の欠陥や不具合を「瑕疵」(かし)といい、売主が補修などの責任を負うことを定めた規定が「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)です。建売住宅の売主や注文住宅の請負人は、引渡しの日から最低10年間、瑕疵担保責任を負わなければならないことが品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められています。ただし、その対象となる瑕疵は構造耐力上主要な部分(基礎、柱、外壁、屋根など)および雨水の浸入を防止する部分です。この期間内に瑕疵が生じれば、売主または請負人に対して無償修繕を求めたり、損害賠償の請求をしたりすることができます。
ところが10年間のうちに売主や請負人の会社が倒産すれば、それらの請求ができずに泣き寝入りするしかありません。そこで、いざというときでも補償が受けられるように、新築住宅の売主や請負人に資力確保措置を義務付けたのが、平成21年10月1日に施行された「住宅瑕疵担保履行法」です。この日以降に引き渡される新築住宅では、売主や請負人が保証金供託もしくは保険加入のいずれかの措置を講じています。それにより、売主や請負人が倒産した場合でも、買主や注文者は供託所に還付請求をするか、保険法人に保険金の支払いを直接請求することで、補修費用に充てることができます。ただし、その上限額は1件あたり2,000万円となっています。
建売住宅の売買契約の際、または注文住宅の請負契約の際には、供託と保険のどちらの措置をとっているのかといった説明が必ずあるはずですから、その内容をよく確認するようにしましょう。また、保険加入の場合には住宅の引き渡しを受ける際に、「保険契約を証する書面」が交付されることになっていますから、忘れずに受け取るようにしてください。

 

瑕疵担保責任は?

瑕疵担保責任は?

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