建物の耐用年数を延ばそうと思ったら、まずは「劣化しにくい造り」とすること。建物が竣工したあとは、適切な時期に適切な維持、補修、改修を繰り返すこと。この二つが欠かせない条件です。

一般的に「建築物の耐用年数」というと「日本の固定資産税評価による償却期限」を指します。これは税法上の耐用年数を示すもので、実際の建物の使用限度を示したものではありません。では、建物の使用限度はどうやって決まるのでしょうか。建物は、竣工を迎えたのちに劣化が始まります。直射日光を浴び、風雨を受け、日々の使用に耐えて、建物の機能や性能は時間の経過とともに落ちていきます。ほおっておけばいつか使用に耐えない日がやってくるでしょう。しかし、日々の清掃・点検などの「維持」、壊れたり古くなったりする部分を修繕する「補修」、劣化した性能・機能を建設当初より良く改善する「改修」、この「維持」「補修」「改修」を繰り返すことで、建築物の機能や性能を保っていくことができます。

 

耐用年数

耐用年数

建築物は、構造や用途、使用目的などによって細かく分類され、それぞれの耐用年数が決められています。住宅では、錆びやすい鉄筋や鉄骨をコンクリートですっぽり覆った「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨鉄筋コンクリート造」の耐用年数が一番長く、47年となっています。ここに載せた法定耐用年数はあくまでも減価償却費を計算するために使われる数字で、実際の使用可能期間を示すものではありません。

 

中古住宅の耐用年数については、上記の法定耐用年数は使わずに、その住宅の使用可能期間を合理的に見積もって決めることになります。合理的な見積もりが難しい場合は特殊な計算式を用いて算出します。詳しい算出方法は国税庁のホームページを参照してください。

 

住宅の耐用年数を延ばすためには、まずは耐久性の高い住宅を建てなければなりません。耐久性の高い住宅とは「住宅性能表示制度」の「劣化の軽減」という項目で等級3を取れるものです。等級3は戸建て住宅でもマンションでも、おおむね75~90年、3世代はもつように造られたものです。戸建て住宅なら床下や小屋裏に点検口を設けること、点検のために床下に一定の高さを確保することなどの条件があります。マンションでは躯体に使うコンクリートの水の比率を下げたり、鉄筋の周りのコンクリートのかぶりを厚くしたりするなどの処置が必要です。また、高層建築や大スパン建築のために開発された高強度コンクリートは劣化が遅く、建物の耐用年数を延ばすと考えられています。

 

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