「.5世帯」という考え方

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最近、2世帯ならぬ1.5世帯や2.5世帯という家族構成が生まれつつあります。
.5世帯とは、一般的に従来の世帯に単身の社会人が同居する世帯をいいます。
たとえば、1.5世帯には、下記のような家族構成が挙げられます。
・両親と成人した単身の子の世帯
・祖父と両親の世帯

また、2.5世帯も祖父母と両親、父親の兄弟という家族構成や、祖父の姉と祖父母と両親という家族構成が挙げられます。

このように多種多様な家族構成が生まれている現代ですが、その背景にはどのような社会現象が起きているのか、そしてそれに対する住宅の工夫、またその魅力について解説していきます。

「.5」世帯が登場した社会背景

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高度経済成長期を経て、日本では急激に核家族化が進みました。
核家族とは、「一組の夫婦と未婚の子供からなる家族」のことで、米国の人類学者であるジョージ・P・マードックが提唱。日本では、高度成長期よりこうした家族形態が増加の一途をたどっています。


その後、核家族化した世帯から子が独立し、高齢化した両親だけで暮らす世帯が増加しました。現代では、さらに配偶者に先立たれて単身で暮らす高齢者や、生涯未婚という人生を選択する方も現れ、高齢・若年世代ともに単身者が増えました。

このような背景の中、日本が経験した二度の大震災は、私たちに人と人との絆、家族との絆を見直すきっかけを与え、家族が一つ屋根の下に暮らす大切さ、そして地域の人達が助け合って生きていく相互扶助の大切さを再認識させました。
その結果、1.5世帯や2.5世帯のように多種多様に住まう、新しい家族の形が生まれはじめたのです。

「.5世帯」の住宅設計

いくら家族の絆が見直されてきたと言っても、違う世帯が1つ屋根の下で暮らすということは、プライバシーの確保と、ほどよい距離感も重要な要素です。

従来では、多くの二世帯住宅が「可能な限り間取りを分離する」という考え方で設計されていましたが、.5世帯をはじめ多種多様な多世帯住宅が増えてきた今日では、単純に生活空間を分離するのではなく、一緒に住むうえでのメリットを強く意識した住宅プランが出てきています。

例えば、1つの住宅の中に、プライベートな居室と普段の生活は一通り過ごせるようなミニキッチンや洗面・トイレは設置しながらも、家族全員で団らんを楽しめる共有リビングのスペースも確保する住宅プラン等がつくられています。

また、水廻り等は全て共有しながらも、各世帯それぞれがプライベートな居室をかまえる、ゆるやかな生活境界をつくるプランもあります。
いずれも共通している設計思想として、孤立感とプライバシーの確保は別物であり、家族の団らんを阻害しないようにした設計となっている所が大きな特長です。

「.5世帯」物件を選ぶうえでの注意

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.5世帯向けの住宅設計はごく最近になって考えられてきたため、現状では注文住宅での新築や今の住まいをリフォームするなどの検討が必要でしょう。
リフォームする前提での物件選びでは、特に水廻りの配慮が必要です。
マンションの場合は共有部分の配管によって、思い通りに設置できないこともあります。
一戸建ての場合でも、水廻りの設置位置に制約がでてきたり、給湯器の大きさ等が足りなくなったりする可能性もあることから、物件探しと同時にリフォームを見据えた建築設計も準備していく必要があります。

最近では新築時に将来大規模な間取りの変更ができるように、構造と内部を切り離すスケルトンインフィル工法や、2重床工法等があり、こういった物件であれば比較的容易に自由なリフォームができるのでおさえておきましょう。

家族というかけがえのないもの

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高度経済成長期にバブル崩壊、そして成熟した経済への転換と、この半世紀で国も社会の形も大きく変わってきました。
その流れに合わせ、核家族化や高齢化に伴う高齢世帯、老若関わらずの単身世帯等、家族の形も多様化しました。
.5世帯もその延長上で、現れてきた家族構成と言えるでしょう。

介護や病気等で必要に迫られるからだけではなく、自分達のライフスタイルとして、複数の家族が一つ屋根の下で過ごすメリットを一度話し合うよい機会かもしれません。
それぞれの家族の事情にあわせて、.5世帯住宅を考えてみてはいかがでしょうか。

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(2014/04/14)