家づくりのダンドリチェック

STEP1 家づくりの基本を知る

まずは家を建てるための基礎知識をおさえましょう。家づくりのスケジュールから住まいの構造まで、基本をおさえておくと今後の計画がスムーズに進みます。

工務店で建てる注文住宅 - 家づくりの基本を知る

畑中学(はたなかおさむ)

トクする家づくりのアドバイザー・武蔵野不動産相談室株式会社 代表
1974年東京都生まれ。設計事務所にて一戸建てや公団分譲地を手掛けた後、不動産会社へ移り最年少で店長になる等、7年間にわたり不動産の販売・企画・仲介を責任者として携わる。
2008年に創業。家に関する相談を約800組受け、お金の面から多くの方に満足のいく家づくりと家の買い方をサポートしている。
LIFULL HOME'S 住まいの窓口で講師として皆さんと家づくりを一緒に考えている。
「不動産の基本を学ぶ(かんき出版)」「不動産の落とし穴にハマるな(同)」「マンション・戸建 中古の選び方(日経ビジネス)」「お金持ち入門(実業之日本社 不動産編)」など著書は多数。

工務店についての基礎知識

このページでは工務店についてご説明いたします。
まずは基礎知識です。

工務店は大きなところから小さいところまで様々ありますが、経営規模としてはハウスメーカーよりも小さいので、経営効率を良くするため全国区とするよりも、多くは地域に密着しています。
移動時間が少ない方が多くの現場を監理監督でき、何かあっても駆けつけられるからです。本社から家を建てる現場まで1時間圏内、頑張っても2時間圏内としている会社が多いのはそのためです。
それゆえ気に入った工務店があったとしても、遠方のため断られるということはよくあります。

工務店の特長とは?

また工務店は社長や経営陣の考えがそのまま現場にも反映されます。
そのため、社長や経営陣が家づくりのどこの点にこだわっているのかについてはチェックが必要です。建材なのか、構造なのか、間取りなのか、保証なのかなどです。
ハウスメーカーのように多くの人に受け入れられるようにするというのは経営規模から言っても難しいので、特定の顧客に受け入れられたいという特色を設けています。
皆さんと考え方が一致すれば良い家が出来ますが、そうでなければ満足いかないこともあります。

また工務店はハウスメーカーと異なり建材の大量生産、設備等の大量仕入れをすることはあまりありません。安いときに建材や設備を少し多めに仕入れておく程度です。それゆえ規格商品をつくって安い価格で提供するというのは難しく、顧客に応じて一品生産をしていくことになります。その分融通が利き、間取りや構造などで自由にできます。一品生産なら高くなるのではないか?と感じると思いますが、広告費や経費などを抑えていますので、自由設計ならハウスメーカーより安くできます。
また、直接責任を持って施工を行っていますので、現場での豊富な実例が積み上がっていきます。こうすれば安く済む、このようにしたら要望に応えられるなど施工の智恵で応えていきます。

自由設計であればハウスメーカーより安価にも

以上見ていったとおり、工務店は「地域密着」「自由度(融通)」「施工の智恵」の3つがキーワードであり、メリット・デメリットともこのキーワードによるものと言えます。

3つのメリットについて

メリットについて詳しく見ていきましょう。大きくは3つあります。

1つ目のメリットは「自由度(融通)の高さ」です。
一品生産ですので、会社の方針や構造上法規上などで問題がない限り、皆さんのいろいろな要望に応えることが可能です。間取りや構造、外観などで融通が利くということです。たとえば木造で大きな吹き抜けをつくりたい場合はハウスメーカーではなかなか難しいことがありますが、工務店なら構造的に問題が生じないようにすることで対応することは可能です。
また数寄屋造りなど少し異なった家にしたいなども対応できます。
このあたりが一品生産の良いところです。

自由度の高さがメリットの1つ

2つ目のメリットは「コストパフォーマンスの高さ」です。
大量生産、大量仕入れをしないため建材や設備そのものの安さではハウスメーカーと勝負できませんが、規格商品とは異なる間取りなどでは、広告費やその他経費などの安さで建物価格は安くなることがほとんどです。一般的には価格帯にもよりますが、1~2割ほど安いと言えます。ただ、安さそのものがメリットではなく、ハウスメーカーと同じことをやろうとした場合は、同じ価格をかければ質の高いことができる、そう考えておいた方が良さそうです。

3つ目のメリットは「家づくりを隅々まで決められる」です。
これを大変に思うかどうかは人によって異なりますが、一品生産であるがゆえに家づくりの隅々まで工務店と一緒に決めていかないといけません。色や形など様々です。ハウスメーカーではパターンや複数の中から選ぶということが多いですが、工務店ではそういったことがないので、建材や設備の数だけ選ぶことができます。もちろんあまり皆さんに影響しない小さなところは工務店にお任せするケースが多いのですが、やろうと思えば隅々まで決められる。まさに自分の家をつくる、という感覚を持つことができるとも言えるでしょう。

家づくりを隅々まできめられる工務店の注文住宅

デメリットとよく間違う勘違いとは?

一方で、デメリットについても触れておきます。
大きく3つを挙げておきます。

1つ目は「品質が一定ではないこと」です。
一品生産であり、システム化されていないため工務店ごと、家ごとに品質は一定ではありません。そのため最悪の場合、欠陥住宅として建つということもあります。
工務店は社長や大工などの人によって出来上がる物が全く違うため、これは避けようがありません。
そのため工務店選びや、担当する大工が誰かを皆さんの目で見極める必要があります。

人によって出来上がるものが変わってくることも

2つ目は「メンテナンス費用がかかること」です。
建物の形状が他にあまり例をみなかったり、高さがあったり、設備等を汎用性がないものを入れていると、メンテナンス時には入手しづらい分費用がかかってきます。一品生産ゆえの悩みとも言えます。
ただ良い工務店ほど設計段階で、「このようにするとメンテナンス時は大変ですよ」「費用がかかりますよ」とアドバイスをしてくれます。それを受け入れるかどうかは皆さんの判断となりますが、一般的には規格商品と比べてメンテナンス費用はかかると考えておきましょう。また、ハウスメーカーとは違ってメンテナンスフリーということはまずありませんので注意をしたいところです。

メンテナンスについては要チェック

3つ目は「倒産のリスクがあること」です。
こちらも避けようがない問題ですが、ハウスメーカーと比べて経営規模が小さい分、倒産するリスクは高くなります。それだけ工務店の経営状態の見極めも大事なのですが、意外にも倒産リスクは工務店が住宅完成保証制度に入っているかどうかを確認することで、リスクの度合いを低くすることができます。ここでいう住宅完成保証制度というのは公的な発注者が倒産リスクを避けるための制度です。その中身は、この保証制度に入っている工務店が万一倒産しても、発注者の追加負担が最少限になる制度ですので、住宅完成保証制度に入っている工務店なら多少は安心できると言えそうです。
ただ、意中の工務店がこの制度に入っていなくとも、入金をできるだけ竣工(建物が出来上がった状態)時に支払うようし、着手金をできるだけ抑えるという方法でリスクを避けることもできます。

工務店に対するよくある勘違いがあります。
価格に関することで、「何でもかんでも安くやってくれる」ということです。
ハウスメーカーの規格商品と同じ内容でしたら、ハウスメーカーの方が安くできる可能性があり、それ以下の価格にするのは工務店では難しい場合があります。
また、価格帯との関係では1,000万円台や変った間取りなど特殊なつくりの家の場合は、保証の関係もあり、そこまで安くすることはできません。
一概に安くできる訳ではないことに注意しましょう。

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