
リフォームで減税が受けられる
優良な中古=ストック住宅市場の育成のため、政府のリフォーム工事に対する減税制度の拡充が急ピッチで進んでいます。従来からの「住宅ローン減税」に加え、2007年度に「バリアフリー改修促進税制」、2008年度に「省エネ改修促進税制」が創設され、バリアフリーおよび省エネリフォームにローン減税が適用されるようになりました。
そして、21年度からはこれらのローン減税の適用期間が平成25年末まで延長されるとともに、ローンを組まない支払いによる(=投資型)バリアフリー、省エネ、耐震リフォームに対しても、所得税減税が実施されるようになったのです。
■「ローン型」と「投資型」リフォーム減税| 種類 | 適用期間 | 控除対象限度額 | 控除率※2 | 最大控除額 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ローン型 (控除期間:5年間) |
省エネ | 平成22年12月31日まで | 200万円 (1,000万円)※1 |
2% (1%)※1 |
--- |
| バリアフリー | |||||
| 投資型 | 省エネ | 平成22年12月31日まで | 200万円 (300万円)※3 |
10% | 20万円 (30万円)※3 |
| バリアフリー | 200万円 | 20万円 | |||
| 耐震 | 平成25年12月31日まで |
- ※1 省エネ、バリアフリーと同時に行うその他のリフォーム工事費全体に適用される条件。
- ※2 年末のローン残高に掛けて控除金額が決まる。
- ※3 太陽光発電併設の場合は300万円まで控除の対象になり、最大30万円まで所得税が控除される。投資型は工事をした年の年末に1度だけ控除が受けられる。
| リフォーム工事 | 減税を受けるための条件 |
|---|---|
| 省エネ |
|
| バリアフリー |
|
| 耐震 |
|
※この他、すべてのリフォーム工事は、建築事務所に所属する建築士、指定確認検査機関または登録住宅性能評価機関が作成した増改築工事証明書により証明されていることが必要です。
ひとくちにリフォーム減税といっても、受けるための要件や条件はさまざまです。自分にとってどんな形での控除がおトクなのか、しっかりと調べてからリフォームの計画を進めると良いでしょう。
- そのリフォーム工事で家のすべての窓の省エネ性能を上げる工事を行わなくてはならない。
- バリアフリーリフォームは、「50歳以上である」「要介護者である」などのいずれかの条件を満たす者か、「65歳以上である」「要介護者である」などのいずれかの条件を満たす親族と暮す者である
- 減税を受けられる対象は、上記の表『減税を受けられるリフォーム工事』の通り限定されている
- すべてのリフォーム工事は、建築事務所に所属する建築士、指定確認検査機関または登録住宅性能評価機関が作成した増改築工事証明書により証明されていることが必要
最大1,500万円の控除を受けるには

リフォームも簡単な修繕から大規模なものまでさまざま(写真はイメージです)
投資型減税とローン型減税の控除率を比べると、投資型はローン型の5倍の10%。しかし、ローン型はローン残高によりますが5年間適用されるので、同額の控除が受けられるといっていいでしょう。使い方によっては減税額に差が出ることもあります。
最も多額の控除を受けられるリフォーム工事のパターンは計算上次のようになります。
- バリアフリーリフォームを行い、ローン型で1,000万まで控除対象
- 耐震リフォームは投資型しか適用されないので、投資型で200万まで控除対象
- 太陽光発電を使用した省エネ設備(太陽光発電でないと200万)を、来年までの投資型で300万まで控除対象(ローン型だと200万円)
このパターンで実施すると、合計最大1,500万円までを控除対象にすることができます。基準制定と減税制度の追い風により、今後ますますエコリフォームの動きは高まることでしょう。安心してリフォームでき、経済的にも援助を受けられることで、エコな住まいを選びやすくなります。
まだまだ不安が残るリフォーム

リビタとブルースタジオがコラボレーションした「リノア赤羽」の1室。共用部の調査と修繕工事、専用部のインフラの更新とメンテナンス性の向上、そしてインテリアのグレードアップ。ここまで徹底すればリノベーションの見本といってもよさそうだ
リノベーションは単なる内装・設備の改善、機能向上ではなく、構造そのものも改修してライフスタイルを考慮した住空間を提供すること、とされていますが、明確な基準は2009年6月現在ありません。リフォーム会社がリノベーションという単語を使い出したのは、一部の悪徳業者による詐欺事件が頻発し、リフォームという言葉のイメージが悪くなったことが原因の一つでもあります。
- 単なる内装・設備の改善、機能向上だけではなく、構造そのものも改修して住む人のライフスタイルを考慮した住空間を提供
- リフォームとの区別に関して、数値的な基準はない
リフォーム会社を名乗る企業が、リノベーションを標榜する企業よりも中身の濃い仕事をすることもありますし、その逆もまた同じ。明確な基準ができるまでは、ネームに惑わされず、中身を吟味して選択していく必要があります。
そうしたリノベーションに対して明確な基準を作りたいという動きも出てきました。2009年7月に発足した、民間主導の社団法人リノベーション住宅推進協議会などがその代表です。リノベーションの基準がさらに普及すれば、政府でも定義・基準の制定に動くはずです。
リフォーム、リノベーション、いずれにしても大事なのは、中古=ストック住宅の長寿命化に繋がる改修工事です。広い意味で捉えれば、耐震性も省エネも、省エネもバリアフリーも環境性能も、すべて住宅を長く使うために必要な性能です。そして長く使うことが、地球と自分にやさしい住まいのエコではないでしょうか。












