

一戸建ての取り壊しの様子(イメージ)。床面積70〜100平方メートルの一戸建てを建替えると、解体時に約30〜40トンもの建築廃材が発生するといわれる
ストック住宅=中古住宅を見直す風潮
中古一戸建て住宅市場は、これまで建物の価値をあまり評価せず、築後15年も経過した木造住宅の価値は、土地分しか評価されない状況が長く続いてきました。しかし、スクラップ&ビルドを繰り返す従来のスタイルは、膨大な産業廃棄物(床面積70〜100平方メートル1棟で30〜40トン)と、解体・建築双方でCO2排出に繋がるため、基本的には見直すべきだという考え方への賛同が、社会的に形成されてきています。
- 安易な解体による膨大な産業廃棄物が発生しない(例:床面積70〜100平方メートル1棟で30〜40トン)
- 解体、建築の双方で輩出されるCO2が抑えられる
- 住宅自体の寿命が長いので、ローンの支払い後にも資産価値として残る
ハウスメーカーや政府の動き
住宅業界でもストック住宅の価値を正当に評価しようという動きが高まっています。大手のハウスメーカーが自社製住宅の買い取り・再販売事業を展開しだしたのもその一環。構造についての性能保証がしやすいハウスメーカー系プレハブ住宅を中心に広がりを見せています。
ハウスメーカー9社は昨年夏、優良ストック住宅推進協議会を設立し、各社共通の「優良ストック住宅」の定義を策定しました。スケルトン(構造)とインフィル(内装・設備)に分けて査定する制度を普及させる動きが始まっています。
また、政府の住宅政策も、優良ストック住宅市場の創生を柱とする方向に大きく舵を切っています。今回の税制改正では、ローンを利用しないリフォーム工事にも税制優遇を適応。耐震改修を行ったストック住宅をローンで購入する場合にもローン減税が適用されるようになりました。今後も規制や優遇措置による優良ストック住宅の推進が進んで行くことは間違いないでしょう。
浮き彫りになる問題
コンクリート構造のマンションは、本来は木造住宅よりも寿命が長く、60〜70年程度は優に使えるストック住宅です。しかし、上下水道やガス管、電気容量などのインフラ部分や設備、間取りの老朽化、陳腐化が進み、施工法や構造上の欠陥から、現在のニーズレベルにアップグレードしにくいために途中でその寿命を終えるケースが目立ちます。

リビタがJR赤羽駅徒歩9分の中古マンションを一棟まるごとリノベーションして分譲した「リノア赤羽」
耐震性の安心とスタイリッシュな部屋
そんな中で、注目される動きがマンションを一棟まるごとリノベーションして再分譲する手法です。社宅などを一棟丸ごと買い取り、耐震診断と必要な耐震改修を実施した上で、専有部分と一部の共用施設をより魅力的にリノベーションして販売する事業です。
とくに中古マンションの実際の耐震性は、専門の診断を受けてみないと分かりません。しかし、診断を受けるマンションはなかなか増えていかないのが現状です。この耐震診断は予備、1次、2次、3次と段階的に進み、合計で200万円以上の費用がかかるのも理由のひとつです。半額程度の補助金を支給する自治体もありますが、一戸建てに比べるとまだ少数派です。
購入者にとっては耐震性の面で安心でき、最新のトレンドに沿ってリノベーションされたマンションを、周辺の新築よりも安く購入できます。また結果としてマンションの建て替えが減って環境にもエコということで、高い人気を集めているようです。













