住宅の資産価値

住宅の資産価値は、誰もが気になるところです。
相対的に、やはり新築の方が資産価値が高いというのが一般的ですが、住宅は買うことがゴールではなく、買ってからが資産としてのスタートとなるのです。皆さんは、経年によって変化していく住宅の資産価値について考えたことはありますでしょうか。

中古マンションの価格推移を見ると、築20年ぐらいまでは価格が大きく下落し、それ以降はあまり変わらないということがわかります。(物件によって条件が異なるため、一概に全ての物件がそうだとは言えませんが、おおよそこうした傾向にあります。)

経年変化を見てみると、新築で購入してから15年後にはおよそ半額近くまで下落するのに対し、築20年の中古住宅を購入した場合、その15年後は購入時に比べてわずかな下落にとどまるので、中古住宅の方が新築に比べて資産価値の目減りが少ないと言えます。
住宅の資産価値を考えるということは、買う時の価値だけでなく将来的な価値を考えるということ、そんなことがこのデータからは言えそうです。

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中古マンション成約価格

ストック型社会メリット

資産価値の目減りが少ないということは、実は暮らしにも直結します。
ここで、前ページでご紹介した、古い建物を手入れをしながら長く使う、「ストック型社会」を実現しているヨーロッパ人と、日本人との生涯収支を比較した図があります。

ヨーロッパでは、前世代からの住宅ストックを引き継ぐため、新たに建てるという住宅にかかるコストを抑えることが出来ます。日本人より少ない収入ながら、実質的には日本と相応のコストの住宅に住み(しかも、日本の住宅よりもたいがい広くてステキです)、更にバカンスや文化を楽しむゆとりや豊かさを享受するヨーロッパの人々を見ていると、住宅ストックを活用するということは暮らしの豊かさにもつながる可能性を秘めているのではないでしょうか。

さらに、中古住宅には他にもたくさんの利点があります。例えば価格。同じ地域・広さの新築と比べて一般的にリーズナブルですので、広い家に住んだり、価格を抑えて家計の負担を減らすことが可能です。

また、立地的にも優位性があります。人気の街や利便性・住環境が良い立地にはすでにたくさんの住宅が建っていますが同じ条件で新築住宅を探した場合、物件の数は少なく、あったとしても価格が高いことが多いです。そうした中、中古住宅に目を向けるだけで、住まいの選択肢はより広がるのです。

出典:「45分でわかる未来へのシナリオ ストック型社会」岡本久人(電気書院)
住宅の質とストック型社会への転換

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ストック型社会と国民生活(生涯収支比較)

住宅の質とストック型社会への転換

住宅の質というと、築年数やハードスペックに目が向きがちですが、その場所でどんな暮らしが送れるか、という視点も重要な要素です。駅に近いなど、住環境が良い立地は、資産価値が維持されやすいので、売却や賃貸として貸し出す場合にも有利といえます。

しかし、日本はまだまだ新築偏重なマーケットです。
海外では、家を買うというと6割~9割の方が「中古を買う」のに対し、日本ではなんと95%以上の方が「新築住宅を買う」というのが現状なのです。

政府は、住生活基本法の中で、中古住宅(既存住宅)の流通比率を上げ、ストック型社会に転換することを宣言しています。今後、中古住宅流通の整備や、ストックを活用した政策などが大いに期待されますね。

中古住宅という選択肢は、住宅の選択肢だけではなく、人生や暮らしの選択肢までも広げます。住宅取得を検討する際には、選択肢に加えてみるとよいでしょう。

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既存住宅流通シェアの国際比較

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コンテンツ提供:リノベーション住宅推進協議会 木内玲奈