近年、マンションなどでもクローズアップされるハトの糞害

ハトは天敵のいないマンションのベランダに巣をつくることもあるハトは天敵のいないマンションのベランダに巣をつくることもある

近年、マンションなどの集合住宅のベランダでは、ハトの糞害が問題になっている。
一羽の糞量はさほどではないが、群れて暮らす習性があるため、放置すればベランダが糞だらけになり、掃除をしても追いつかない。そうなると、見た目が汚いだけでなく、臭いがひどくて窓を開けられないという声も聞く。抜けた羽根や、乾いた糞がくだけて風で舞い上がり、干した洗濯物や布団につくこともあるし、糞が樋に詰まれば、雨漏りの原因にもなるだろう。

また、ハトの声は大きいというほどではないが、部屋のすぐ外のベランダで群れられると、他の音が聞き取れないほどの騒音になることもある。
巣を作られてしまうと、さらに厄介だ。雛の鳴き声は甲高くて大きいし、雛が巣立つまでの間親鳥はずっとそばにいるので、糞の量も、抜けた羽根の量も増えるからだ。

集合住宅にハトが巣を作るのは、人が出入りする場所に、天敵のカラスや猫が近寄らないことを知っているからだ。かといって、あまりに頻繁に人が出入りする場所は、ハトにとっても落ち着けないが、集合住宅には留守がちな家もある。そういった、人の出入りが少ない家のベランダなどがハトのねぐらになるのだ。また、集合住宅の近所には、公園や広場があることも多く、餌やりをしている人がいれば、待機場所にされてしまう可能性が高い。

ハトの糞は見た目の汚さや臭いも問題だが、もっと危険なのは糞の中で繁殖する雑菌だ。糞が乾燥して砕けると、雑菌も一緒に空気中に舞い上がり、吸い込めば喘息を起こしたり、クリプトコッカス症(※カビの一種であるクリプトコッカス-ネオフォルマンス によって起こされる感染。症状は倦怠感、疲労感や食欲不振や発熱・頭痛、次いで、吐き気・嘔吐・意識障害を起こすこともある)に感染したりするから、特に小さな子供のいる家庭では無視できない。

暮らしのそばにいる、害のある鳥や虫たち

ハト以外にも、カラスやハチなど、生活に支障をきたす鳥や虫たちも、人間のそばで暮らしている。

人家の近くに巣を作らないカラスが、人間の生活圏に入るのは、餌となる生ゴミをねらっているからだ。カラスはゴミをあさってはまき散らし、不衛生だと大きな社会問題になっている。特に夏の生ごみの臭いは強烈だし、掃除が大変だ。

ハチは毒針を持つので、さらに危険だ。特に8~10月の繁殖期は、人が巣のそばに近づくだけで、興奮して攻撃してくるから注意が必要。刺されると非常に痛いし、運悪くアナフィラキシーショックを起こせば、命の危険もあるから侮れない。
攻撃的で、人間に害をなすハチの代表は、スズメバチとアシナガバチだ。餌の昆虫がたくさんいる田舎の山間部に巣をつくるスズメバチより、街路樹や植え込み、ベランダなど、雨や風のあたらない場所ならどこでも巣をつくるアシナガバチは、特に要注意だろう。一度巣を作ってしまうと、その場所に執着するのも厄介だ。巣を撤去しても、生き残りのハチがいれば、同じ場所にまた巣を作られてしまう。

そこで、次に、ハトやカラス・ハチを近寄らせないための対策を見ていこう。

コマメな見回りや、ゴミを出す時間を守るのが一番の対策

カラスへの対策は、なんといっても生ゴミを放置しないことカラスへの対策は、なんといっても生ゴミを放置しないこと

ハトは、雛の生まれる季節になると巣を作る。野鳥の繁殖期は早春なのだが、都会のハトは人間から餌をもらって栄養過多なため、季節にかかわらず年に何度も営巣し、雛を育てるから厄介だ。一度巣を作らせてしまうと、いつもハトが巣を作り、雛を育てている状況になりかねない。
ハトを近寄らせないためには、まず、人間の目の届かない場所を作らないこと。もしハトの糞を発見したら、頻繁に見回って、ハトが落ち着いて子育てできないようにするのが一番だ。ハトよけのネットを使用する場合は、決して隙間を作らないこと。もし、入り込む隙間があり、それをハトが見つけてしまったら、天敵の入ってこられない、ハトにとっての安住場所になってしまうからだ。

都会のカラスは、その2/3程度が残飯等の生ゴミが餌となっているという報告もされている。カラスは人の生活に強く依存しているのだ。カラスへの対策は、なんといっても生ゴミを放置しないこととなる。ベランダや家の裏に生ごみを置く場合は、ネットをかぶせるなどして、カラスが生ごみを食い荒らさないような工夫をしたい。

ハチは、とにかく巣を作らせないよう注意しよう。巣を作られやすいのは、軒先や戸袋など。軒先は、定期的に確認して巣が小さいうちに発見し、駆除するのが一番。雨戸は毎日開け閉めすることで、万が一ハチが巣を作ろうとしても、居づらい環境にしよう。

素人判断の駆除は危険が伴う

カラスが人家の近くで休憩することはあまりないが、ハトが巣を作ったら、まずは専門業者に相談をしたい。効果のない対策で時間をつぶしているうちに、無数のハトが住みついてしまうかもしれない。

ハチの巣の駆除は、素人には大変危険だから、業者に任せるのが一番だ。巣が小さいうちに、個人での撤去をするなら十分気を付けて対策をしてから行いたい。ハチの活動が鈍る夕方ごろ、肌を露出しない白い衣服を着て、帽子やゴーグルで頭部を守りながらハチ用の殺虫剤を巣に吹きかける。そしてハチが全滅したら、棒でたたき落とすのだ。ハチを興奮させないよう、整髪料や香水はつけないようにしよう。

害鳥や害虫の駆除は、基本的に素人にも危険なく駆除できるかどうか判断が難しいので、まずは役所に相談してほしい。個人の住宅に巣が作られた場合は、基本的に管理者が責任をもって駆除せねばならないが、委託業者を紹介してくれることもあるようだ。家の近くに繁殖されると困るハトやカラス・ハチなどの鳥や虫だが、しっかりとした対策さえすれば、無益な殺生をしなくてすむ。生態を理解して、害に合わないように知恵を絞りたいものだ。

ハチの巣の駆除は、素人には危険なので専門家に任せるか、役所に相談をしたいハチの巣の駆除は、素人には危険なので専門家に任せるか、役所に相談をしたい

2016年 11月02日 11時05分