2年程度の周期で更新する賃貸物件の契約

3月、4月は引越しの季節。引越しはしなくても賃貸住宅に住んでいる人にとっては、この時期に契約更新となるケースも多いだろう。多くの賃貸住宅は2年程度で契約の更新時期を迎える。その期限の1~3ヶ月前になると、オーナーまたは管理会社から郵送などで更新の契約書と更新料の振込用紙が届く。この更新料の支払いに頭を抱える人もいるのではないだろうか。

では、更新料には、どのような意味合いがあり、本当に支払わなければならないものなのか。そして支払う場合の注意点を解説しよう。

神奈川県90.1%、福岡県23.3%。地域によって様々な徴収率

実は更新料に関しては法的な決まりはない。つまり、昔からの慣習なので、必ず支払うべきものというわけではないのだ。
とはいえ、地域によっては、ほとんどの賃貸物件で更新料の徴収を行っている。国土交通省の調査によると、一都三県の2005年4月から2006年3月に契約した物件の更新料の徴収率は以下のようになっている。

東京都:65%
神奈川県:90.1%
埼玉県:61.6%
千葉県:82.9%

この割合は比較的西日本では低い傾向があり、たとえば愛媛県では13.2%、福岡県では23.3%だ。

この調査では、更新料を徴収する理由も聞いている。以下が上位2つだ。

1.一時金収入として見込んでいる:53%
2.長年の慣習:50.4%

ならば更新料は納めなくてもいいものなのか。最高裁は2011年7月に次のような判決を下している。

「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法第10条により無効ということはできないとされる」

つまり、きちんと事前に契約が締結され、家賃の額や更新期間に対して高すぎなければ無効にはできない、ということ。今後、更新料という慣習はなくなっていくかもしれない。しかしその前には、まず契約前に借主が貸主に対して契約書の更新料支払い条項を削除するように交渉することが当たり前になることが必要だろう。

更新料に関する法的な決まりはない。交渉の余地はあるので、交渉すべきことはして、納得したうえで更新したい更新料に関する法的な決まりはない。交渉の余地はあるので、交渉すべきことはして、納得したうえで更新したい

更新料以外にもかかる費用

契約で更新料を支払うことになっているならば、次のことを確認、準備したい。

1.契約内容
入居時と更新時の契約内容が異なっていることもあり得る。きちんと見比べて分からないことがあれば納得できるまで確認したい。

2.更新にかかる費用
更新にかかる費用は、一般的に次のようなものがある。

・更新料(家賃の1ヶ月分前後)
・更新手数料(管理会社へ支払う手数料)
・火災保険料(2年分、大体1~2万円)

【家賃7万円の場合の合計例】
7万円(更新料)+更新手数料(3万5,000円)+2万円(火災保険料)
=12万5,000円

このほかにも連帯保証人ではなく保証会社を利用している場合は、保証料の支払いがある。

上記費用のなかで、更新料と更新手数料に関しては、交渉の余地がある。特に入居してから家賃の滞納がなく、特に問題を起こしていない人ならば可能性は高くなる。オーナーは、ぜひ長く住んでもらいたいと思っているはずだからだ。

また、入居者同士のお付き合いなどから、家賃にあまりに差があることが分かっている場合も、更新時が交渉のチャンス。最近は、隣の方が1万円安い、といった具体的な証拠さえあればすんなり下げてくれるケースも増えている。

次回の更新料が上がっている、といったように更新時の契約書は入居時と内容が異なっていることもあり得る。</BR>よく読んでから押印したい次回の更新料が上がっている、といったように更新時の契約書は入居時と内容が異なっていることもあり得る。
よく読んでから押印したい

退去するならば1ヶ月前には連絡を

もし、もともと引越しの意志があったり、交渉の結果に納得できないようならば、契約書にある期間内に退去の意志を伝えなければならない。一般的には退去の1ヶ月前だ。したがって、退去の意志を伝えてから最低で1ヶ月分の家賃は支払うことになる。

また、更新時期になっても連絡がなければ、契約書の内容をよく確認したい。なかには、更新料を無料にすると同時に退去の意志を伝えなければ自動更新としているケースもある。
連絡が来ないと「このまま住めなくなるのでは」と心配する人もいるかもしれない。しかし、問題はない。オーナー側の都合で契約を更新しない場合は、法律で6ヶ月以上前に通知しなければならないことになっているから心配は無用だ。

賃貸暮らしをする上で契約更新が良いのか、または住み替えが良いのか、は自分の生活スタイルや経済状態次第。もし、近々に契約更新ならば、それらをきちんと考慮して検討するべきだろう。

2016年 04月08日 11時06分