6畳のワンルームにセキセイインコ40羽!のトラブルも

1羽、2羽なら可愛い小鳥も数が集まるとトラブルの種に1羽、2羽なら可愛い小鳥も数が集まるとトラブルの種に

賃貸では部屋を探す時はもちろん、暮らし始めてからも設備の故障その他で不動産会社とお付き合いするケースは多々想定される。そんな時に気持ちよく対処してもらい、楽しい暮らしを送るためには、不動産会社の仕事や役割、どんなことをしてもらえるのかなどを知っておくと何かと便利。これは日夜様々なトラブルに対処してきた不動産会社の裏話に耳を傾け、より良い暮らしのためのノウハウを学ぶ連載の第4回目。

「ペット問題が面倒なのはペット可の場合でも、サイズ、頭数などで良し悪しの基準を明確にしにくい点にあります」とはハウスメイトパートナーズ東東京支店長の谷尚子さん。「小学生がかぶと虫を飼う、金魚を2匹などといった例なら問題ないと思われます。では、ケージや水槽で飼える小動物ならいいかといえば、そうでもありません。過去に小鳥を飼っていると言われ、それならと許可したところ、6畳のワンルームでセキセイインコをなんと40羽も飼っていたというケースがありました」。

いくら小動物でもそれだけの数になるとうるさく、臭いもする。また、天気の良い日には籠を外に出して日光浴をさせていたそうで、羽が舞い散り、他の住民の布団に羽が付くなどの苦情が。「それ以降、ペット可であってもサイズ、頭数などは細かく聞くようになりました」。ただ、それでも小鳥と言われて許可したペットが10数センチほどの極彩色の羽を持つオウムだったこともあったとか。「こうした鳥たちは『ギャー』『ギュルギュル』と太く、大きな声で鳴くため、周囲からクレームに」。飼っている人には可愛く思える鳴き声も周囲にとっては騒音にしかならないわけだ。

また、ケージで飼いますからと言いながら、ウサギやハムスターなどを室内で放し飼いにする例も少なくない。「ウサギが建具を齧ってしまい、退去時に多額の現状回復の費用を負担する例や、ハムスターの臭いが周囲とのトラブルの種になることもあります」。ペットを飼う場合には、物件を傷つけない、周囲に迷惑をかけない、この2点が基本だと考えよう。

ペットも自分も快適に暮らしたいなら、厳しい飼育ルールがある物件を

ペット可物件の場合、頭数、体長、体高などでルールが決められていることが多いペット可物件の場合、頭数、体長、体高などでルールが決められていることが多い

これがもっと大きな犬、猫になると問題はさらに増える。「動物は種類によって、個体によって性格が違います。それを踏まえて種類を選び、躾されていればいいのですが、何もされておらず、飼い主が無責任な場合、エレベーターや廊下が糞尿臭くなるなど、建物全体が荒れる場合があります。また、バルコニーで犬を放飼いしたり、トリミングやシャンプーしたりすると、臭うのはもちろん、排水口に毛やうんちが詰まることも」。飼い主の不在中にペットが吠えたり、室内中におしっこをしてしまう例も多く、マナーの悪い飼い主がいる建物に入居すると、臭いや音に悩まされることにもなりかねない。

そんな思いをしないためには、ペット飼育に関してきちんとしたルールを設けている物件を選ぶこと。「最近は空室対策として設備、規則などがないにも関わらず、安易にペット可にする例もあり、そういう物件ではトラブルが起こりやすい。もちろん、厳しい物件では自分もそれを守らなくてはいけませんが、周囲もマナーを守って暮らすので、不快な思いをしなくて済みます」。理想はペット用の設備があり、ルールもある物件だろう。

また、ペット好きのオーナーが所有する物件もお勧めと谷さん。「自らも犬好きで2匹飼育しているオーナーが居住するペット可物件では、ペットを通じてオーナー、入居者同士が仲良く、何かあってもお互い様とクレームもなし。とてもうまくいっています」。子どもを通じてコミュニティができるように、ペットを通じて人間関係が築かれている物件なら住み心地も良さそうだ。

谷さんの会社の場合にはペットの写真を添付した申請書類が必要だったり、予防接種を義務付けられたりとルールはかなり厳しい。「多くの契約書にはペットによる汚損、破損は入居者負担という文言があります。いい加減な飼い方をして損をするのは入居者本人。過去にはワンルームのトイレのドア内側を犬が齧って傷をつけてしまい、交換のため数万円必要だったケースも。柱など交換できない場所に傷をつけてしまうと、補修しても完全には直らず、オーナーにたいへんな迷惑をかけることになります」。

無断でペット飼育。ばれるのは臭い、毛、目撃情報から

小動物を飼う場合にはペット可であることはもちろん、面倒を見てくれる動物病院の近くであることも大事小動物を飼う場合にはペット可であることはもちろん、面倒を見てくれる動物病院の近くであることも大事

もちろん、ペット不可の物件での飼育は絶対にダメ。「黙って飼っていることが分かった場合、退去するか、ペットを処分するかという選択をすることになり、本人にもペットにも悲しい結果になります。よく、友達から預かったと言い訳する人がいますが、これもダメです」。

本人はバレないつもりでも、退去時に室内をチェックすると臭いや毛が残っていて判明、傷の修復や消臭の費用を請求されるケースも多い。退去時以外では散歩時などにエレベーターの監視カメラに写っていたり、他の入居者に目撃され、そこからバレることも。室内で飼っていても、鳴き声、臭いなどから通報される例もあり、絶対にバレない飼い方はない。いくら飼いたくても、ペット不可物件では我慢しよう。

最後にひとつ、とんでもない経緯から無断でペットを飼っていることがバレた例を紹介しよう。「空室が続いていた古い2Kに30代、ひとり暮らしの女性が入居。入居早々から家賃滞納が始まり、まずいなあと思っていたところに交通警察から連絡があり、彼女の住んでいる物件はペット可ですか?と聞くのです。なんだろうと思い、事情を聞くと、罰金を払わなかったため、彼女は現在、警察で拘束されており、しばらく交通刑務所に入る可能性がある。ところが、彼女はうさぎを飼っているそうで、警察としてはこのまま放置して、彼女が不在の間にうさぎが死んで腐る事態になっても困ると思い、連絡しました、と。

雨の降る夜、彼女の部屋に行ってみると、4畳半二間の部屋には、以前はファミリー物件に住んでいたのではと思われるほどぎっしりと家具が詰め込まれ、その間を通り抜けた奥にうさぎのケージが。室内には以前に飼っていたと思われるうさぎの位牌や写真などもあり、彼女がうさぎ好きであることはよく分かりました。

生き物をそのままにしておくこともできないため、うさぎはケージごと会社に持ち帰り、2週間ほど会議室で飼うことに。その後、交通刑務所から出てきた彼女が引取りに来ましたが、ペット不可物件ですから、そのまま住み続けていただくわけには行かず、退去という結果に。でも、社内で飼育していたうさぎを引き渡す時に『本当にありがとうございました』と深々と頭を下げる彼女の姿に、いろいろ事情があるんだろうなあと思ったものです」。

入居者としては×でも、ペットにはいい飼い主だった彼女が無事ペット可物件を見つけ、うさぎと平穏な暮らしを送っていることを祈りたいものだ。

2014年 04月10日 10時21分