店頭・店内が汚い、言葉づかいが乱暴な会社はそれだけでNG

これまでに、お茶、おしぼりにウェルカムボードで出迎えてくれる不動産会社なんてあっただろうか。時間帯によってはお菓子が出たりもするらしいこれまでに、お茶、おしぼりにウェルカムボードで出迎えてくれる不動産会社なんてあっただろうか。時間帯によってはお菓子が出たりもするらしい

不動産会社を訪れたら、最初に注目したいのは店頭の状況。看板や窓ガラスが薄汚れているような、だらしない雰囲気の店は避けたほうが賢明と語るのは、日本でたぶん1社だけの完全紹介制の不動産会社、誠不動産の鈴木誠さん。「不動産仲介はサービス業であり、接客業。お客様に不快感を与えないようにするのは最低限のマナーですが、それができていない不動産会社で親身なサービスが受けられるはずはありません」。

店頭に物件広告のチラシが貼られていたら、どんな言葉で書かれているかも見てみよう。もし、眺望絶佳、日当たり最高、激安、掘り出し物、特選などといった不動産公正取引協議会が禁止しているような言葉(最後の項で解説)が並べられていたら、その会社は要注意。「法令違反を気にしない、いい加減な会社である可能性があります」。

店内では整理整頓が行き届いているかどうかを最初に見よう。「申込書などが乱雑に積まれているような会社では個人情報がきちんと管理されていないことも。また、書類を紛失したり、言った、言わないのトラブルに発展する可能性もあります」。

スタッフの身なり、言葉づかいも要チェック。「不動産会社はお客様の代理人として管理会社や大家さんとの折衝にあたるのも役目。そんな時、だらしない恰好をしていると、お客様までがだらしなく見られ、審査を通してもらえなくなることがあります」。

言葉づかいでは自分に対するものだけではなく、社内での電話のやりとりにも注意を。客に対しては丁寧でも、不動産会社間のやりとりになるとぞんざいになる会社は、それが本性。決めてしまったら、それでおしまいと考えていることが多く、直接契約に結び付かないような質問その他には対応してくれなくなる可能性がある。

数字以外の条件を聞き、急かさない、説得しない会社を選ぼう

不動産会社を訪問すると、希望条件などの記入を求められるが、そこに書いたことだけから物件を探そうとする会社では満足いく物件には巡り合える可能性は低い。「家賃や駅からの距離、広さといった数字が同じでも、物件によって周辺環境も違えば、設備その他も違い、まったく別物。どれがその人にベストかは、その人の生活、好み、叶えたい条件その他を細かく聞かないと分からないものです」。きちんと、希望を聞いてくれる担当者かどうか、やりとりをしながらチェックしよう。

受付時に限らず、本人の入居希望時期よりも早めに入居させようとする会社にも注意が必要。「不動産会社によっては、何月であろうが、その月に決めたほうが良い理由が用意されています。たとえば1月だったら、2月、3月は学生が多くて混むし、家賃が上がるからすぐ決めたほうがいい、5月だったら梅雨時期、夏は物件の動きが少なく、いい物件が出てこないから早く決めたほうがいいなどなど。でも、良い物件が出てくるかどうかはタイミングの問題。それに、最近は2月、3月と1月の家賃差はさほどありません」。

下見後、決めかねている時に決めさせようにと説得を始める不動産会社も避けたほうが無難。退去、入居の時期が決まっていて、どうしても決めなくてはいけないような状況であれば仕方ないが、それ以外の場合なら、悩んだら止めたほうが良い。「住まい探しでは自分が納得することが大事。説得されて決めた場合、どうしても後になって不満が出ます。私はちょっと考えさせてくださいと言われたら、すぐ、次にご紹介する物件を探し始めますね」。

条件に合った物件かどうかを調べてから紹介してくれればベスト

物件を検索後、希望条件に合っているかどうかを調査した上で紹介してくれる会社であれば効率的。「グーグルマップやストリートビューなどインターネットを駆使すれば、その物件の前にどんな建物が建っているか、日当たりはどうか、1階に夜間うるさそうな店舗が入っていないか、目の前に墓がないかなど、いろいろなことが調べられます。また、物件名で検索すれば、室内から周辺の写真まで探せることも。私の場合、そうやって調査して、本当にその人の条件にあっているかどうかを見極めてからご紹介するようにしています。そうすれば、無駄足を踏まずに済みます」。

ちなみに検索で物件室内などの写真が出てきたら、そこに写っていない部分がなぜ写っていないのかを考えてみること。「リビングの写真を撮る時にはバルコニーに向けて全体を撮るのが一般的ですが、そうしたアングルで撮っていない場合にはバルコニーの前に眺望を遮る建物があったり、日当たりが悪かったりする可能性があります。風呂の写真がないなあと思っていたら、不人気なバランス釜の物件だったというケースも多いですね」。

また、物件内見時に「たくさん見ても分からなくなるだけですよ」などといって、3物件くらいに絞り込ませようとする会社があるが、「本当に見たいなら、見たいと主張してください。それで嫌がらない会社がいいですね。また、一度内見した後でもう一度という場合も同様。そこで面倒がるようでは良い物件には辿りつけません」。

訪問中、内見時の電話にはガセ、やらせの可能性もあり、要注意

自分の家族が住むと考えて部屋探しをするという鈴木さん。そのため、日当たりの悪い部屋は絶対に勧めないそうだ自分の家族が住むと考えて部屋探しをするという鈴木さん。そのため、日当たりの悪い部屋は絶対に勧めないそうだ

現在は朝7時半出社までして条件に合った部屋を探す鈴木さんだが、以前は「お客様=お金」と考える会社に在籍、決めさせるための手口も見てきた。たとえば、不動産会社の中には接客中にガセの電話をかけ、借りさせたい物件へと客を誘導する例もあるという。希望する街の不動産会社に電話をかけたふりをして、「○万円の予算じゃ無理。▽万円まで予算を上げればなんとかなるみたいですよ」、あるいは「少し先の■■駅ならあるそうです、どうします?」などといったやり方である。

また、内見に出かけたところで、会社から携帯に電話をもらうようにし、「他で申し込みが入ったそうですから、決めるなら早くしたほうが良いですよ」と、決断を煽る手口もあるとか。もちろん、すべてがガセややらせとは限らないが、そうした電話のやりとりの結果、自分の希望と違う物件を勧められたら、何か変だと疑ってみてもよいだろう。

最近は手数料の安さを売り物にする不動産会社が増えているが、これも要注意。「A社で下見、申し込みしたものの、ウチなら手数料が安くなりますよと言われてB社でも申し込みをする例があるのですが、こうした金額だけで決めようとする人は管理会社、大家さんに嫌われます。大家さんからすると物件は大事な財産。それをお金のことしか考えていない人に貸すのは嫌だという判断です。実際、そうした人は入居後トラブルを起こす例が多く、管理会社にも嫌われます」。安く思えても、最終的に希望の物件を借りられなければ元も子もないというわけだ。

不動産広告で禁止されている単語を知っておこう

いまだにこうした使ってはいけない文言を堂々と店頭に出している不動産会社も存在するいまだにこうした使ってはいけない文言を堂々と店頭に出している不動産会社も存在する

最後に不動産公正取引協議会が定めている、特定用語の使用基準について説明しておこう。同協議会では抽象的な用語や他の物件、または他の不動産会社と比較するような特定の用語については、表示内容を裏付ける合理的な根拠がある場合を除き、その使用を禁止している。具体的な用語は以下の通り。

・完全、完ぺき、絶対などの用語
・日本一、抜群、当社だけなどの用語
・特選、厳選などの用語
・最高、最高級など最上級を意味する用語
・格安、堀出、土地値などの用語
・完売など著しく人気が高く、売行きがよいことを意味する用語

*公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会 消費者向けホームページ「広告のルール」のうち、特定用語の使用基準より。


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公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会 消費者向けホームページ「広告のルール」のうち、特定用語の使用基準
http://www.sfkoutori.or.jp/consumer/rule.html

2013年 10月16日 13時32分