ベランダ菜園、その魅力とは

株式会社Q-GARDEN代表取締役、小島氏。化学的な農薬や肥料を使わず、オーガニックな庭づくりを行っている株式会社Q-GARDEN代表取締役、小島氏。化学的な農薬や肥料を使わず、オーガニックな庭づくりを行っている

食の安全が叫ばれたり、エコな取組みが注目されている昨今、自分で食べる野菜を自分の手でつくろうと農業に取り組む人が増加している。特に、東京近郊の「レンタル畑」が盛り上がりをみせている。しかし、レンタル畑は人気が高いために、なかなか借りられないという現状もあるようだ。そんな中、マンションなどの限られたスペースでもすぐに始められ、幅広い世代でブームとなっているのが「ベランダ菜園」だ。

オーガニック野菜や家庭菜園を手掛けている株式会社Q-GARDEN代表取締役・小島理恵氏に、ベランダ菜園の魅力とは何か、色々とお話を伺ってみた。

「採れたての野菜をすぐに美味しく食べられることは、ベランダ菜園の魅力のひとつです。スーパーで購入する野菜は、収穫から販売までのタイムラグがあり鮮度が若干落ちてしまいますが、ベランダで育てた野菜は新鮮で、なによりも美味しいんです。また、お店では手に入りにくい江戸野菜や日本古来の品種など、自分が食べたい野菜をつくることができるのも、ベランダ菜園の魅力だと思います。」

大きめのプランターを使って、良質な培養土で育てる

深めのプランターを使用することで、根菜類の栽培も可能深めのプランターを使用することで、根菜類の栽培も可能

ベランダ菜園を始める際は、まず、プランターと培養土を準備する。どのようなプランターが良いのか、選び方のポイントを伺った。
「最も重要なポイントは、植物の大きさに合わせて適切なプランターを選ぶことです。プランターは畑と違い、土の深さやスペースに制限が出きてしまいます。根をしっかりはらせることによって、地上部も安定してくるので、地上部が大きくなるものは大きなプランターを、小さく育つものは小さめのプランターを使用することをオススメします。例えば、ミニトマトは幅と高さが共に30㎝以上、ラディッシュは幅20㎝、高さ10㎝程のプランターが育てやすいと思います。」

園芸コーナーに行くと、肥料や土壌改良材がブレンドされた培養土があるので、初心者の人にはこうした培養土を使った方が育てやすい。野菜づくりは、植物の苗や苗木を植え付けるときに事前に与える「元肥」や、植物の生育に応じて必要な養分を追加で与える「追肥」を必要とするため、大きめのプランターと良質な土で、しっかりと土台をつくってあげることが大切だ。

「ベランダの日当たりが悪いので、ベランダ菜園に向かないのではないか?」「留守にしがちだが水やりはどうしたらよいか?」「肥料はどれくらい使えばいいのか?」など、やり始めると様々な疑問や問題が出てくるだろう。日が当たらない方がおいしく育ったり、一週間に1~2回程水を与えるだけでよい植物もあるので、一概には言えないが、とにかく始めてみることが大切。簡単な野菜から始めて試行錯誤をしながら慣れていき、徐々に自分が育てたい野菜に挑戦していくとよい。

野菜それぞれの旬に合わせて育てる、ベランダ菜園のコツ

いろいろな種類の野菜がある中で、どんな野菜をいつ頃植えるといいのだろうか。そして”今”の時期、オススメは?

「まず、初心者にオススメの苗は、ミニトマト、ナス、ピーマン。種だとラディッシュ、小カブ、小松菜などです。特に、ミニトマトやラディッシュは栽培期間が短く、すぐに実がなるので、結果が出やすいです。野菜や植物は、5月のゴールデンウィーク明けが最も育てやすいが、今から始めるのであれば、秋野菜のさつまいも、落花生、枝豆、秋には小カブやブロッコリーなど冬野菜を植えることをオススメします。」

野菜にはそれぞれ栽培に適した時期があり、旬の時期に収穫ができるよう育てることが基本である。そうすることで、野菜の栄養価も期待でき、美味しく食べられる。

 春野菜  アスパラガス、春キャベツ、新玉ネギ、さやえんどう、インゲン、そら豆、菜の花、ラディッシュ など
 夏野菜  トマト、ナス、キュウリ、とうもろこし、ジャガイモ、枝豆 など
 秋野菜  ニンジン、カボチャ、キャベツ、秋ナス、レンコン、セロリ、長芋、里芋、サツマイモ、キノコ など
 冬野菜  大根、ほうれん草、白菜、小松菜、ネギ、ゴボウ など
  ※旬の野菜一覧表(春野菜3・4・5月 夏野菜6・7・8・月 秋野菜9・10・11月 冬野菜12・1・2月)

強風に注意!ベランダ菜園で気をつけたいこと

台風や強風に気をつけて、実がなったらすぐに収穫しよう台風や強風に気をつけて、実がなったらすぐに収穫しよう

気軽に始められるのがベランダ菜園の魅力ではあるが、ベランダで植物を育てる際、特にこの時期に気をつけたい点がいくつかある。

「まず、台風や強風対策です。一日中、日当たりがよい場所にプランターを置くのがベストですが、台風や強風の際には雨風を直に受けることになるので、室内に入れるか、端に寄せるなど注意が必要です。また、避難経路を防いでしまう置き方をしたり、手すりに過重なプランターを設置して、下に落ちてしまうケースも少なくないので、気をつけた方がいいですね。建物によっては大きな植物の栽培を禁止しているケースもあるので、マンション規約を事前に確認した方がいいと思います。」

途中で飽きて放置する場合も気をつけたい。手入れを怠ると病害虫が発生しやすい環境になる。自分の作物が被害にあうだけでなく、隣近所にも迷惑をかけてしまう可能性があるので、常に清潔を心がけ責任を持って取り組むことが大切だ。

より豊かな暮らしを実現する、ベランダ菜園の楽しみ方

「ベランダ菜園の中級・上級者にオススメなのが、『コンパニオン・プランツ』。「共栄作物」とも呼ばれ、植物どうしをうまく組み合わせて、一緒のプランターで栽培することで、野菜の味がよくなったり、病害虫や雑草の被害をなくしたり減らすことができる栽培方法です。例えば、背が高いナスと、背の低いパセリを組み合わせることで、害虫を防ぎ、日陰効果を生み出したりするなど、組み合わせ例は様々です」

植物の組み合わせによって、相互に良い効果を与え合う組み合わせと、他の植物に良い効果を一方的に与える(付近にある植物が、良い効果として受け取る)組み合わせがある。逆に、互いに生育が悪くなる植物の組み合わせも存在するので要注意だ。

自らの手で育てて、美味しい野菜を安心して食べられることは、誰もが感じれる喜びかもしれない。これからの時代、ますますベランダ菜園に関心が集まりそうだ。


■取材協力/株式会社 Q-GARDEN http://q-garden.com/

プランターのデザインにもこだわり、様々な植物の組み合わせを楽しむプランターのデザインにもこだわり、様々な植物の組み合わせを楽しむ

2014年 08月08日 11時11分