新築から15年、ついにその時がやってきた!

▲大規模修繕委員会は、管理組合の理事会とは別に設けられることが多い。通常は100戸程度のマンションの場合で4~5人程度の役員が選出され、管理会社・コンサル会社・管理組合(マンション住民)との調整を進めていくことになる。委員会発足から修繕工事の完了までには(マンションの規模にもよるが)約2年程度を要するため、その期間中の役員同士の連携がスムーズな工事進捗に欠かせないものとなる▲大規模修繕委員会は、管理組合の理事会とは別に設けられることが多い。通常は100戸程度のマンションの場合で4~5人程度の役員が選出され、管理会社・コンサル会社・管理組合(マンション住民)との調整を進めていくことになる。委員会発足から修繕工事の完了までには(マンションの規模にもよるが)約2年程度を要するため、その期間中の役員同士の連携がスムーズな工事進捗に欠かせないものとなる

筆者がまだ住宅ライターとして駆け出しの20代最後の年、結婚を機にマンションを購入した。あれから15年、“いつかはやってくるもの”と頭の片隅では理解していたものの、いざ本当に“その時”がやってくると大きな衝撃を覚えた。

『1回目の大規模修繕!』

現在、筆者は自宅マンション管理組合で発足された『大規模修繕委員会』の役員に立候補し、委員としての活動を担っているのだが、実際に『大規模修繕委員会』の会議に参加してみると、“住宅ライターを15年もやってきているというのに、これまで『修繕』のことをまったく知らなかった”と、自分がとても恥ずかしくなった。

マンションを購入する際、『買う』ための情報は世の中に溢れているが、買った後しばらくしてからの『大規模修繕』についての情報は、買う時には誰も教えてくれないのだ。

そこで、今回からうちのマンションの大規模修繕が終了するまで、筆者が大規模修繕委員の体験を通じて発見した【大規模修繕トリビア】と、買う前に知っておきたい【大規模修繕費用を軽減するためのコツ】を、これから数回に渡って“いちマンション契約者”の目線でレポートしたいと思う。

どうして大規模修繕が必要なの?
女性のお肌と同じく、マンションの老化の原因は『紫外線』にあった!

▲紫外線や風雨による劣化が進むと、外壁塗装面が白く粉を吹いたようになる『チョーキング』や『タイルの割れ、剥がれ』『防水シートの膨れ』など、素人でも目視で判断できる劣化箇所が目立つようになる▲紫外線や風雨による劣化が進むと、外壁塗装面が白く粉を吹いたようになる『チョーキング』や『タイルの割れ、剥がれ』『防水シートの膨れ』など、素人でも目視で判断できる劣化箇所が目立つようになる

マンションのように大きく頑丈な建物だと、一戸建て住宅と違って“そんなに簡単に劣化しないでしょう?”と漠然としたイメージをお持ちの方も多いのではないだろうか。

実は筆者もそうだった。『一戸建てよりもメンテナンスが簡単そうだし、自分で補修しなくても良いから…』これがマンション購入を決断した理由のひとつだったのだが、実際には人間と同じ…『老化(劣化)は皆平等に訪れる』。

マンションをはじめとする多くの建物にとって、一番の天敵は『紫外線』なのだという。特に屋上の防水塗装や外壁タイル等は強烈な紫外線を浴びることにより徐々に劣化が進み、その劣化した箇所から雨水が浸入して劣化の進行が速まってしまう。

その劣化が目に見えて顕れてくるのが、新築から10年を過ぎた頃。国土交通省が、マンションの1回目の大規模修繕の目安を築12年目として推奨しているのはそのためだという。

管理組合によっては、修繕費用を削減するため“20年を目安に修繕すれば大丈夫”といった方針で修繕計画を進めているところもあるようだが、不具合を放置することによって致命的な劣化を招く部位もあるため、理想的にはやはり約12年を目安とした“早めの手当て”が物件資産価値の維持にもつながるようだ(これもどこか女性のお肌ケアに通じるものがある)。

大規模修繕委員会設立!まず最初にやるべきことは?
“管理会社にお任せ”はNG、コンサル会社選びからスタート!

▲文末のグラフも参照していただきたいのだが、一般的に大規模修繕にかかる費用は1戸あたり100万円が目安。つまり、100戸規模のマンションなら、管理組合の修繕積立金預金額が1億円以上なければ不足金が発生する計算だ。購入時に『管理費・修繕費の安さ』を謳う物件については、やはり慎重に検討する必要がある▲文末のグラフも参照していただきたいのだが、一般的に大規模修繕にかかる費用は1戸あたり100万円が目安。つまり、100戸規模のマンションなら、管理組合の修繕積立金預金額が1億円以上なければ不足金が発生する計算だ。購入時に『管理費・修繕費の安さ』を謳う物件については、やはり慎重に検討する必要がある

さて、筆者の自宅マンションで『大規模修繕委員会』が設立されるまでは、新築当初からマンションの管理をおこなっていた某大手不動産会社系列の管理会社が様々な進捗管理を担ってくれていた。

大規模修繕委員の一員となった筆者は当初、「これからもきっと、管理会社さんがこまやかに進めてくれるんだよね?」と楽観視していたのだが、大規模修繕委員会の1回目の会議で最初に議題に挙がったのは、『大規模修繕の監理をおこなうコンサルティング会社をどこにするか?』というテーマだった。

「えっ?管理会社にそのまま丸投げするんじゃないの?」

大規模修繕のコンサルティング会社というのは、具体的には『修繕・補修が必要な箇所の調査』『修繕・補修のプランニング』『工事監理』を担う会社で、マンション構造を熟知した設計士らがその業務を担う。つまり『大規模修繕工事を請け負う建設会社』とはまた別に、『適正に大規模修繕が進められているか?』を第三者的に判断するアドバイザー的な会社が必要となるのだ。

もちろん、新築当初からマンションのすべてを管理してくれている管理会社にコンサルティングを依頼するのが一番安心なような気がするが、大きな課題となるのは『予算』。大手不動産会社系列の管理会社であれば人員コスト等が高くなるため、当然予算も大きくなってくるのだ。

※コンサルティング会社に対して支払う費用の目安は1戸あたり3万円~5万円程度が目安。総戸数100戸のマンションなら300万円~500万円程度の費用が発生することになる。ただし、予算節約のためコンサルを挟まないケースもある。

コンサルティング会社を公募、見積でも数百万円の違いが!

結果、筆者の自宅マンション大規模修繕委員会では、建設業界紙でコンサルティング会社を募る『公募』を実施。すると、マンション管理会社を含む4社の応募があり、各社のプレゼンテーションや見積額を受けて委員会内で検討した結果、見積額と内容のバランスが良いと判断されたA社にコンサルティング業務を委託することになった。

ちなみに、長年お世話になっている某大手不動産会社系列のマンション管理会社が提示した見積額と他社の内容を見比べると、数百万円もの差額があったのには驚いた。それでも“やっぱり大手のブランドの信頼感にかけて、長年マンションを管理してくれている管理会社に委託したい”というケースもあるようなのだが…。これは各管理組合によって意見が分かれるところだろう。


さて、次回【買う時には誰も教えてくれなかった大規模修繕のこと②】では、『大規模修繕』が適用される場所、されない場所についての意外な発見についてレポートしたいと思う。

▲2013年3月、東京都都市整備局が発表した『マンション実態調査結果』によると<br />大規模修繕に必要な費用は、1戸あたり60万円~120万円が平均。<br />一般的には、1回目の大規模修繕で1戸あたり100万円、<br />2回目、3回目・・・と回数を重ねるごとにその費用が増加するといわれている▲2013年3月、東京都都市整備局が発表した『マンション実態調査結果』によると
大規模修繕に必要な費用は、1戸あたり60万円~120万円が平均。
一般的には、1回目の大規模修繕で1戸あたり100万円、
2回目、3回目・・・と回数を重ねるごとにその費用が増加するといわれている

2014年 01月14日 09時50分