日経平均が2万円を突破、日本経済は拡大基調に突入している!?

代表的なストック価格である「株価」がこのように高値で推移するということは、実感値はともあれ、日本経済が堅調に拡大基調で推移していることに他ならない代表的なストック価格である「株価」がこのように高値で推移するということは、実感値はともあれ、日本経済が堅調に拡大基調で推移していることに他ならない

今年の4月下旬に、日経平均(日経225)が約15年ぶりに2万円を超えた。
その後やや調整色が強くなり、日経平均は2万円前後で行ったり来たりという展開だったが、5月下旬以降は2万円超の水準を維持している。25日移動平均も6月1日に2万円を突破し、日本株に本格的な高値維持の状況が訪れている。

代表的なストック価格である「株価」がこのように高値で推移するということは、実感値はともあれ、日本経済が堅調に拡大基調で推移していることに他ならない。単純に言えば、ニッポン株式会社は企業業績の回復などを背景として「景気拡大局面」に突入しているように見えていることになる。財政ファイナンスと指摘されても不思議ではないほどの日銀の国債大量購入=金融緩和による円高の是正と原油安が追い風となって企業業績が改善し、各金融機関も決算で最高益をたたき出すほどの状況となれば、当然もう一つの代表的なストック価格である「地価」および「不動産価格」にも上昇圧力が加わってくる。
つまり景気拡大局面で土地や建物の需要者が増加し、五輪を5年後に控えてインフラ整備にも着手することが確実となれば、立地条件の良い土地(ここでは利用価値が高い土地を意味する)の価格が上昇し始めるのは自然の成り行きと言えるだろう。

株高によって益出しした個人投資家の不動産に対するニーズも高まっており、ファンダメンタルズとしての土地および不動産の需要は21世紀に入って初めてと言って良いほど明らかに強くなっている。

坪単価1,000万円超も!マンション価格が都心で急騰

「突き抜けた価格」の分譲物件は「虎ノ門ヒルズレジデンス」や「仙石山レジデンス」のように今後もなかなか出ないであろうと思われる、スペックが突出した物件に限られる「突き抜けた価格」の分譲物件は「虎ノ門ヒルズレジデンス」や「仙石山レジデンス」のように今後もなかなか出ないであろうと思われる、スペックが突出した物件に限られる

このような状況が訪れれば、市街地で最も一般的な居住形態であるマンションの需要も活性化し、物件価格がどんどん上昇してもおかしくない。しかし、実需を基本とする住宅およびマンションは、景気の方向性が定まっていない中でコストプッシュ(地価高騰、資材価格高止まり、建築人件費の高騰)を根拠として物件価格を上げてしまうと需要の後退を招くのではないかとの懸念もあり、大手マンションデベロッパーを中心にしばらく様子見の状況が続いていた。
もちろん、上記コストプッシュの影響で物件価格は立地条件の良いエリアを中心に上値を追う展開になっていたのだが、これまでの相場観を逸脱するような「突き抜けた価格」で物件が分譲されるケースはほぼなかったと言って良い。例外的な価格で分譲されたのは、「虎ノ門ヒルズレジデンス」や「仙石山レジデンス」のように今後もなかなか出ないであろうと思われる、スペックが突出した物件に限られる。

直近で、業界が驚く「突き抜けた価格」で分譲されたのは、今年3月に第1期販売が開始されたアパホームの「The Conoe代官山」であった。奈良県が長らく「渋谷寮」として使っていた代官山駅前の土地を購入して分譲されたこの物件は、平均坪単価630万円という価格水準にも関わらず、6月の段階で数戸を残すのみという好調な販売経緯をたどっている。また、東京建物ほかが分譲する「ブリリアタワー目黒」は分譲を公表してからの資料請求件数が約3万件に達し、その関心の高さから平均坪単価600万円という水準が設定されることになった。

6月中旬に、第1期20戸が即日完売した三菱地所レジデンスほかの「ザ・パークハウス南青山」(全101戸)は、7億7,000万円の住戸にも申し込みが入った。この住戸の坪単価は1,100万円超で平均坪単価も900万円台後半となっている。さらに、今秋に分譲開始予定の都心一等地のタワーマンションでは平均坪単価が1,000万円に達するのではないかとも言われている。まさしく都心では高額物件が目白押しで、価格水準だけなら90年代初頭のバブル期を髣髴とさせる状況にある。
もっとも、90年バブル期には坪単価が3,000万円に達しようという物件も複数あったから、その意味でも“バブル水準”にはなかなか到達しないものだとも言える。

いま強気の価格で分譲できるエリアが、立地条件とロケーションに恵まれたマンション適地である

都心以外でも、例えば横浜の「みなとみらい地区」では坪単価400万円以上での新築マンション分譲が計画されているし、京都市中心部でも相次いで“億ション”が分譲されている。いずれも求心力のある人気エリアとしての特性と個別要因としての限定的なロケーションを活かして、これまでの水準を大きく超えた価格でのプロジェクトが進められている。
都心を含めたこのような価格の動きは、絶対値としての価格が高額であっても、本来そのエリアが有する立地やロケーションの優位性の発露と見ることができるため、冒頭示した経済環境下にあっては、「地価+資材費と人件費を含めた建築コスト+粗利」の総和としての価格設定=一定の根拠に基づいた価格設定であるとの判断が可能になる。

しかも、こういった特性を有するエリアでは多くの実需層に加え、時節柄、国内の個人投資家、相続税対策組、海外の個人投資家&機関投資家といった多くの投資家、富裕層のニーズが重なっており、結果的に需要が分厚くなることで特定エリアで価格が高騰した物件の需要が支えられる構造が生まれている。つまり、2015年のマンション市場では供給側の論理に需要側が追従する状況が続いており、市場の需給バランスは保たれていると見ることができるだろう。

このように考察を進めると、現状の都心新築マンション価格の高騰は「バブルではない」という結論になる。

そもそも「バブル」って何?

バブルという言葉は一般的に「価格が高いこと」そのものや「急に羽振りが良くなって金遣いが荒くなる状況、もしくは人」という意味合いで使われるケースがあるようだが(つい最近も「何だか最近のマンションってバブってませんか?」という質問に言葉を失ったばかりである)、バブルとは信用膨張によるカネ余りが発生した際に、そのカネが不動産や株などのストックに集中して流れ込み、実体経済から大きく乖離した価格に達することを指す。

したがって、少なくとも「自分では買えないくらい高い価格」であることを「バブル」とは言わないのであって、多くの場合、適正な範囲と考えられる利回りを得るための手段=投資の枠を超え、価格が適正であるかとは別に、価格が急騰する状況を利用して大きな利益を得ようとする行為=投機を伴うものである。

確かに現状の都心新築マンションの価格水準を考慮すると、投資価値が高く保たれているか甚だ懐疑的にならざるを得ないが、少なくともキャピタルゲインを意図して購入するケースは多くない(※海外の一部の機関投資家は、為替変動に関連してキャピタルゲインを想定するシナリオをいくつか用意している)。
むしろ相続税対策や安定したインカムが購入の前提条件とされ、投資行動としても投機と言える状況が発生していない以上、現状の都心マンション価格は「バブルではない」のである。

2015年のマンション市場では供給側の論理に需要側が追従する状況が続いており、</br>市場の需給バランスは保たれていると見ることができるだろう2015年のマンション市場では供給側の論理に需要側が追従する状況が続いており、
市場の需給バランスは保たれていると見ることができるだろう

2015年 07月07日 11時08分