団体信用生命保険の役割

一般的に、住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険という保険にも加入することになる一般的に、住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険という保険にも加入することになる

団体信用生命保険は住宅ローンを組むときに同時に加入する保険で、住宅ローンの返済者が返済期間中に死亡したり高度障害になった場合に、住宅ローンの残高を一括返済してくれる保険である。保険金は生命保険会社から金融機関へ直接支払われる。

つまり、団体信用生命保険があることにより、返済者が途中で死亡したとしても住宅ローンは完済され、住宅は残された家族のものとなって引き続き住み続けることができのだ。

このことは金融機関にとっても、大黒柱を失った家族に住宅ローンの返済義務を負わせずにすみ、さらには返済が滞ってしまうリスクを回避できるというメリットがあるといえる。このため民間の住宅ローンにおいては、ほぼ団体信用生命保険への加入が貸し出しの条件となっている。

既に住宅ローンを組んでいる人の中には、保険料を支払っていないという人もいるかもしれないが、その場合は住宅ローンの金利に保険料が含まれていると考えてよいだろう。
(団体信用生命保険の加入義務がない場合を除く)

このように、団体信用生命保険は万一の場合に住宅ローンを完済してくれるというありがたい保険であるが、生命保険であるので、加入するときには健康に関する告知があって、健康状態がよくないと加入できない場合がある。そうなると、団体信用生命保険に入れなくて住宅ローンを借りられないという結果になることもある。

団体信用生命保険の告知事項

3年以内に大きな病気をしていると、団体信用生命保険の加入に影響する場合がある3年以内に大きな病気をしていると、団体信用生命保険の加入に影響する場合がある

それでは、団体信用生命保険にどのような健康告知があるのかを見てみよう。

告知事項は、住宅ローンを販売している金融機関や保険を引き受ける生命保険会社によって細かい違いはあるが、一例を示すとおおまかには以下のような3つの質問に答えるかたちとなる。



■告知の質問例
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(1)最近3ヵ月以内に医師の治療や投薬を受けたことがあるか?

(2)過去3年以内に以下の病気で手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療や投薬を受けたことがあるか?

・狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
・脳卒中(脳出血・脳梗塞・くま膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
・精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
・ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病
・肝炎、肝硬変、肝機能障害
・腎炎、ネフローゼ、腎不全
・緑内障、網膜の病気、角膜の病気
・ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
・糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
・子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫

(3)手・足の欠損または機能に障害があるか? または、背骨・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか?

※上記内容は複数の団体信用生命保険の告知の傾向をもとに一例として作成したものであり、実際の告知内容は契約予定の金融機関に確認されたい
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これらの質問に対して、すべて「なし」と答えられれば団体信用生命保険の健康診査はOKとなるが、もしいずれかの質問に該当した場合は、より細かい病状の説明をした上で、生命保険会社の判断を待つことになる。

告知のときに注意すべきこと

保険の健康告知は、正しく、できるだけ詳しくというのが基本である保険の健康告知は、正しく、できるだけ詳しくというのが基本である

団体信用生命保険に限らず、生命保険の健康告知全般について言えることであるが、告知書を記入するときには、入りやすくするため、そして加入した後にきちんと保障してもらうために注意すべきことがある。

まず1つ目は、告知事項に該当する場合には、病気の内容を詳しく書くということだ。
一般的に、病気があると生命保険に入りづらいということが知られているため、告知のときに、できるだけ病気のことを書きたくないという意識が働くことがあるかもしれない。 しかし、これは保険に入るためには逆効果といえる。

なぜなら病気によっては、きちんと治療を受けて完治していたり症状がコントロールできていると保険に入れることがあるからだ。単に病歴だけで機械的に保険から排除されるわけではなく、生命保険会社はその症状や治療状況なども含めて、保険の引き受けの可否を判断しているのだ。

だから、病気があったとしても、医師の治療を受け指示に従っているのであれば、そのことを詳しく告知した方がよいといえる。

もう一つの注意点は、告知で嘘をつかないということだ。
住宅を購入することは、人生の中でも最も大きい買い物といえる一大イベントかもしれない。だから、団体信用生命保険が理由で住宅ローンが組めなくて住宅を購入できないという結果は、なんとしても避けたいところであろう。

しかし、生命保険の加入者には告知義務がある。もし、嘘の告知をして加入すると、告知義務違反をしたことになり、保障開始から2年以内に発覚した場合は保険契約が解除されることになる。また、その2年を超えたとしても、詐欺として保険金が支払われないということもあるのだ。

告知義務違反をしたために、住宅ローンの返済者が死亡しても保険金が支払われないということになると、結局は返済義務が残る遺族が苦労することになるのではないだろうか。また、住宅ローンを借りた金融機関や生命保険会社からの信用を失ってしまうこともデメリットといえるだろう。

ちなみに、持病などがある場合でも、ワイド団信といって通常の団体信用生命保険よりも審査条件がゆるやかな保険もあるので、住宅ローンを借りたいと思っている金融機関に詳しく話を聞いてみるとよいだろう。また、フラット35は団体信用生命保険の加入が任意となっているので、そういった住宅ローンを検討するという道も残されている。

以上のように、団体信用生命保険の告知は、最終的に住宅が購入できるかどうかにかかわってくる大切なことなので、告知の際には、ここで紹介した「できるだけ入りやすくするための詳しい告知」と「告知義務を守るための正しい告知」を意識していただきたい。

また、住宅ローンを使って住宅を購入するためには、実は健康であることが大切であるともいえるので、今後住宅購入を予定している人は、日ごろから健康に注意すること、何か病気があったときにはきちんと治療を受けることも、心がけてみてはいかがだろうか。

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5分でわかる!死亡保障の必要額と加入すべき生命保険

2017年 01月17日 11時06分