公的支援制度を利用すれば100万円単位の軽減も可能

ほとんどの場合、数千万円を費やすことになる住宅購入。誰もが、できるだけ経済的負担を軽減したいと考えるだろう。その際に積極的に活用したいのが、国や地方自治体が行っている様々な支援制度。これらを複数組み合わせて利用すれば、100万円単位の軽減も可能だ。

しかし、その数は思いのほか多い。また、内容をしっかり確認すると、すでに申込期限が過ぎていたり、リフォーム限定であったりと、どれを利用すればいいのかが分からない人も多いのではないだろうか。

住宅購入を後押しする公的制度は、「補助金」「減税」「その他」の3つのカテゴリーに分けられる。そこで2015年秋に利用できるおもな制度をカテゴリーごとに紹介しよう。

直接現金が受け取れる補助金制度

すまい給付金の給付額は、収入や消費税率によって異なる(出典:すまい給付金サイト)すまい給付金の給付額は、収入や消費税率によって異なる(出典:すまい給付金サイト)

「すまい給付金」
消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するための制度。後述する住宅ローン減税と併用が可能。住宅ローン減税は、高所得者ほど恩恵を受けられる。それとバランスを取るため、すまい給付金制度は、所得の少ない人ほど多く給付金が支給される。

●期間
2019年6月30日まで

●対象者
主な要件
・住宅の所有者(不動産登記上の持分保有者)
・住宅の居住者(住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者)
・収入が一定以下の者
(消費税8%時は収入額の目安が510万円※以下。10%時は収入額の目安が775万円※以下
・住宅ローンを利用しない場合のみ年齢が50才以上の者
(10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加される)

※配偶者の有無、子どもの年齢などによって異なる。

●給付額
2017年3月31日(消費税8%時)まで現金最大30万円。消費税が10%になった際は最大50万円。実際の給付額は、都道府県民税の所得割額によって決まる。くわしくは右上図を参照。

●申請方法
申請は、すまい給付金事務局へ行う。申請期限は、住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内(元々は1年だったが現在1年3ヶ月に延長)。なお、住宅事業者等が、申請手続きを代行する手続代行も可能。申請内容に間違いがなければ、事務局から申請した指定の口座に給付金が振り込まれる。くわしくはこちらで確認してほしい↓
すまい給付金申請方法

「省エネ住宅エコポイント」
省エネ住宅の新築やエコリフォームの普及のため、一定の省エネ性能を有する住宅の新築やエコリフォームに対して、様々な商品等と交換できるポイントを発行する制度。

●期間
2016年3月31日までに工事着工

●対象
所有者が自ら居住するために取得する住宅(借家は対象外)で、次の1~5のいずれかに該当する新築住宅など。

1.省エネ法のトップランナー基準相当の住宅
2.一次エネルギー消費量等級5の住宅
3.一次エネルギー消費量等級4の木造住宅
4.断熱等性能等級4の木造住宅
5.省エネルギー対策等級4の木造住宅

●ポイント額
1戸あたり30万ポイント
ポイントは省エネ・環境配慮に優れた商品などの交換のほか、当該工事の追加工事の費用に充てる即時交換も可能(平成28年2月15日までに完了報告が可能な場合のみ)。

●申請方法
申請書を各都道府県にある受付窓口に持参するか、直接東京都の事務局に郵送する。

くわしい申請方法やポイント発行が認められる住宅の条件などはこちらで確認を↓
省エネ住宅ポイントHP

「エネファーム導入補助」
環境に優しい家庭用燃料電池システム「エネファーム」の住宅導入に対して、国がその購入費用の一部を支援する補助金制度。

●期間
2016年1月29日までに申請書必着

●対象者
住宅にエネファームを導入し、以下の要件を満たす人。
① 日本国内に在住していること
② 自ら補助対象経費を支払うこと
③ 補助対象システムに対する他の国庫補助金等を受給しておらず、また受給の予定もないこと
④ 補助対象システムを補助事業完了日から6年間以上継続して使用できること

●補助上限額
・固体高分子形燃料電池(PEFC) 新築:30万円 既築:35万円
・固体酸化物形燃料電池(SOFC) 新築:35万円 既築:40万円

●申請方法
申請書類は、燃料電池普及促進協会へ書留郵便(簡易書留・レターパックプラスは可)等で送付する。
くわしくはこちらで確認を↓
民生用燃料電池導入支援補助金のご案内

新居に入居後10年間、所得税を減税

住宅ローン減税を活用すれば、毎年40万円で10年年間、最大400万円の負担減が実現する(長期優良住宅、低炭素住宅は500万円)住宅ローン減税を活用すれば、毎年40万円で10年年間、最大400万円の負担減が実現する(長期優良住宅、低炭素住宅は500万円)

「住宅ローン減税」
ローンを利用して住宅を購入した場合、ローン残高または住宅購入費のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除される制度。所得税で控除しきれない場合は、住民税からも一部控除される。

●期間
2019年6月30日まで

●対象となるおもな要件
・自ら居住すること
・床面積が50m2以上であること
・借入金の償還期間が10年以上であること
・年収が3000万円以下であること(3000万円を超える年は住宅ローン控除が利用できない)

*新築住宅のほか、一定要件を満たした中古住宅、リフォームも対象となる。

●最大控除額
400万円(毎年40万円を10年間)。長期優良住宅、低炭素住宅の場合は500万円。

●申請方法
入居した年は税務署にて確定申告が必要。2年目からは勤務先へローンの残高証明書を提出し、年末調整することで控除を受けることができる。ただし、毎年の確定申告が必要な個人事業主や自営業者は、2年目以降も確定申告によって控除を受ける。

「固定資産税と都市計画税の特例」
毎年1月1日の時点で土地の所有者に対して課税される固定資産税と都市計画税。一定の住宅用の土地については、課税標準額が減額される。

●期間
2016年3月31日までの竣工

●対象と減額割合
・200m2までの部分
固定資産税 課税標準額×1/6
都市計画税 課税標準額×1/3

・200m2を超えた部分
固定資産税 課税標準額×1/3
都市計画税 課税標準額×2/3

●申請方法
土地が所在する市区町村の課税課に申請する。

「不動産取得税の軽減」
土地や住宅を購入したり、新築、増築するなどの際にかかる不動産取得税。この税率を下記期間まで軽減する。

●期間
2017年3月31日までの引き渡し

●対象となるおもな要件
・都道府県の条例で定めるところに申告をすること
・住宅の場合、床面積が50㎡以上240㎡以下

●軽減率
・土地・住宅にかかる税率を4%から3%にする
・宅地を取得した場合の課税標準を半額にする
・長期優良住宅の場合、課税標準からの控除額を一般住宅特例より増額。一般住宅1200万円が、長期優良住宅の場合1300万円になる。ただし、期限は2016年3月31日まで。

●申請方法
土地・住宅の所在地を所管する各都道府県の税事務所(税支所)・支庁に、取得後一定期間内に申請する。期間は各都道府県によって異なる。

「住宅取得等資金贈与の特例」 
父母や祖父母など直系尊属から、自分が住む建物の新築、取得または増改築等の対価に充てるための金銭を贈与された場合、一定の要件を満たすことで限度額まで贈与税が非課税となる。

●期間
2019年6月30日までの贈与

●受贈者の要件
・贈与を受けた時に受贈者が日本国内に住所を有していること
・贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること
・贈与を受けた年の1月1日において、20 歳以上であること など

●最大非課税限度額
3000万円
※住宅の契約締結日などによって異なる。

●申請方法
申告書は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成することが
できる。この書類データは、「e-Tax(電子申告)」を利用して提出(送信)可能。申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15 日まで。
くわしくはこちらで確認を↓
国税庁HP

その他の制度。自治体によって様々な助成金が

上記は国による住宅購入の支援制度だが、その他にも各自治体で独自の制度を行っている。

たとえば東京都台東区の「三世代住宅助成」。同区は、親・子・孫の三世代が安心して住める住宅の整備と、空地の確保による良好な住環境の整備に対して助成金制度を設けている。

●期間
2015年度内。予算範囲内の助成のため、予定件数(10件程度)に達した時点で申請受付終了。

●助成要件(①~⑦の全てに該当すること)
①親と子と孫が同居する
②区が規定する歩道状空地を整備し、整備した空地に台東区が提供するプレート(縦8.5センチ×横18センチ)を埋め込むこと
③住戸専用面積は70m2以上で居室4室以上、一部屋の面積は最低7m2以上とする
④住戸内が階段等でつながり各部屋に火災報知器を設置した防災上の配慮をした住宅
⑤下記の3点を満たした高齢者に配慮した住宅
・室内(浴室含む)に段差がないこと(玄関のあがりかまちは除く)
・玄関・廊下に手すりを設置すること(または手すり下地を設置する)
・トイレと浴室に手すりを設置すること
⑥申請者が前年度の住民税を滞納していないこと
⑦承認から概ね2か月以内に着工し、平成28年2月末頃までに助成金の交付申請書類を提出できること

●助成金額
120万円

申請方法などくわしくはこちらで確認してほしい↓
台東区「三世代住宅助成」

このほかにも国、自治体ともに様々な住宅購入支援制度があり、ここではとても紹介しきれない。ぜひ「住宅購入 補助」「住宅購入 補助 自治体名」といったキーワードで検索し、利用可能な制度を見つけていただきたい。

台東区の助成金例。各自治体によって独自の住宅購入支援制度を設けている台東区の助成金例。各自治体によって独自の住宅購入支援制度を設けている

2015年 11月01日 11時00分