失敗したからといって、すぐに買換えることができない土地

人生の中で、何度も土地を買う人はほとんどいないだろう。だから絶対に失敗したくない。しかし、慣れないがゆえに購入後、後悔している人は意外に多い。
失敗したからといって、すぐに買換えることができない土地。まして家を建ててしまった後では、購入価格より売却価格が下がってしまうことが多いので、さらに買換えが難しくなる。
経験者はどのようなことで失敗しているのだろうか。ありがちな土地購入の失敗例を紹介しよう。

たとえ一目惚れしてしまった土地でも、慎重に調べてから購入しないと後悔することは多々あるたとえ一目惚れしてしまった土地でも、慎重に調べてから購入しないと後悔することは多々ある

諸費用を計算に入れずに大きく予算オーバー

土地を持たない人が注文住宅を建てる場合、先に土地を購入してから建築会社と契約することになる。つまり土地を探している時点では、建物と合わせた総費用がいくらになるのか正確には分からないケースがほとんどだ。
ところが土地の売出価格を見て、独自に総費用を算出してしまう人がいる。

たとえば、インターネットやチラシに出ている土地の売出価格が2,000万円だったとする。見に行くと自分の希望通りの土地だった。ぜひ買いたい。建物は別のチラシで見た坪単価30万円の建築会社で40坪のものを建てる予定。

2,000万円(土地代金)+30万円(坪単価)×40(坪)=3,200万円

総費用3,200万円なら予算ぎりぎりだ。
こういった流れで2,000万円の土地を購入してしまうのだ。

しかし、土地も建物も購入の際は諸費用がかかる。
土地の場合は不動産取得税、司法書士費用、登録免許税、印紙代、仲介手数料などがかかる。2,000万円の土地なら80万円前後だ。

また、建物に関しては、住宅ローンの事務手数料や登記費用といった諸費用のほかに、外構工事費、屋外電気工事費、屋外給排水工事費といった本体以外の別途工事費用がかかる。これだけでも本体価格1,200万円の家なら200万円から300万円。
さらにシャッターや2階のトイレなどオプションを付けたり、地盤調査の結果、補強工事が必要だったりすれば100万円以上かかることも珍しくない。

総費用3,200万円だったはずが、ふたを開けてみたら3,700万円だった、なんてことは十分あり得る。その結果、予算不足で「外構なしのさびしい家」、なんてことになるのだ。

土地を探す際は、事前に依頼する建築会社を見つけておき、相談しながら検討をすすめたい。

住宅用の土地は、家を建てることによって初めて価値が確定する。単体で購入を決断するのではなく、建物のプランも同時進行で検討したい住宅用の土地は、家を建てることによって初めて価値が確定する。単体で購入を決断するのではなく、建物のプランも同時進行で検討したい

駅までの道の様子が見学時と大きく違う

不動産広告で表示されている駅までの徒歩時間は、単純に80m/分で算出されたものだ。途中の坂道や信号の待ち時間などは考慮されていない。
このことは結構知られているので、土地を見に行く際は実際に歩いて何分かかるか確認する人は多いだろう。
しかし、1回歩いただけでは分からないことがある。たとえば以下のような例があり得るのだ。

・昼間歩いたときはスムーズに通れた踏切が、朝の通勤時には開かずの踏切となる。
・通勤時間帯の道路はクルマ通りが激しくて危ない。
・不動産会社から駅まで行く道に近道があることを教えてもらい購入を決断したが、その道が砂利道のため雨の日はぐちゃぐちゃになる。
・途中、照明がないところがあり帰り道が怖い。
・駅までの道が狭すぎてクルマで迎えに行けない。

駅までの道を確認する際は、通勤時間に合わせて行くべきだろう。

開かずの踏み切りのおかげで、駅までの徒歩時間が数分よけいにかかることもあり得る開かずの踏み切りのおかげで、駅までの徒歩時間が数分よけいにかかることもあり得る

駅にこだわりすぎて売却時に損をする

吉祥寺や目黒、恵比寿など各メディアの住みたい街ランキングで常連の街がある。どうせ高い買い物をするなら、そのようなブランド力のある街から探したい人もいるだろう。
だが、ブランド力のある街にこだわりすぎると後々損をすることがある。たとえばこういった事例がある。
A氏はあるブランド駅周辺で土地を探していた。相場は3,000万円。予算は2,000万円なので仕方なく駅から徒歩30分(バス便)の土地を購入。1,000万円安い理由は、駅からの距離だけでなく、土地に接する道路の幅がクルマ一台分程度と狭かったこともある。そのため大型セダンに乗っていたが、引っ越しと同時にコンパクトカーに乗り換えた。それでも妻は運転する自信がないと、ペーパードライバーに。A氏だけでなく、子どもの送り迎えにも不便するようになっていった。
月日が流れて10年。転職を機に売却を決断。土地の査定価格は、1,000万円だった。「なぜ半額に?」と不動産会社へ確認すると、「10年前は、駅までの路線バスが10分ごとに出ていたが、現在は30分ごとになってしまって土地の価値がさがっている」とのこと。
生活が不便になり、経済的にも損失。A氏はブランドにこだわったことを後悔している。

一般的に大人気のエリアでも、住み心地は個々の土地によって大きく異なる。いくら憧れているエリアでも、実際に快適な暮らしをしている自分をイメージできない土地ならば購入を見送るべきだろう一般的に大人気のエリアでも、住み心地は個々の土地によって大きく異なる。いくら憧れているエリアでも、実際に快適な暮らしをしている自分をイメージできない土地ならば購入を見送るべきだろう

電ビラに飛びついて猛烈な営業攻勢を受ける

電ビラという広告をご存知だろうか。住宅地の電芯柱に貼られた不動産物件の広告だ。多くはガムテープで固定された手書きのものだ。内容を見ると、周辺相場よりもはるかに安いので魅力を感じてしまう人もいるだろう。
だが、そもそも電信柱へ勝手に広告を貼るのは軽犯罪法違反だ。それだけで怪しいのに、多くは最寄駅の名前や会社名の記載がなく、電話番号は携帯電話。見れば見るほど疑わしいのだが、価格の割安さに釣られて問い合わせをすると…。
実際は最寄駅とは路線も違う、クルマで30分も下った土地で、しかも電気も水道も通っていないエリアだった、といったケースが多い。
にもかかわらず、1度問い合わせてしまうと、猛烈な営業攻勢を受けてしまうことがある。怪しい広告には手を出さないのが無難だ。

この電ビラが貼ってあったエリアの、新築一戸建ての相場は約4,000万円。そもそも新築か中古かの記載がないし、駅名も会社名も不明。しかも連絡先は携帯電話。明らかに怪しいが、関係者に話を聞くと問い合わせは少なからずあるというこの電ビラが貼ってあったエリアの、新築一戸建ての相場は約4,000万円。そもそも新築か中古かの記載がないし、駅名も会社名も不明。しかも連絡先は携帯電話。明らかに怪しいが、関係者に話を聞くと問い合わせは少なからずあるという

2015年 08月30日 11時00分