たった2%の金利でも利息額は1500万円以上

家を買う人の多くが利用する住宅ローン。取り扱う金融機関は、それこそ無数のように多くあるのでどこを選ぶか迷いどころだ。中には不動産会社や住宅会社に勧められるがままに、という人もいるだろう。

しかし、よく考えてほしい。お金を借りるということは当然金利を支払うことになる。たとえば金利2%で4000万円を35年返済(元利均等)で借りるとすると、返済額は以下のようになる。

毎月返済額:13万3000円
総返済額:5566万円

つまり1566万円の利息を支払うことになるのだ。やはり金利は少しでも低い方がいい。

住宅ローンには返済計画に応じた3タイプがある

とはいえ、住宅ローンを借入れ時の金利だけで選ぶのは危険だ。将来の返済計画も見越して住宅ローンのタイプを選ぶ必要がある。住宅ローンのタイプは主に以下の3つがある。

1.全期間固定金利型
当初の金利が返済期間中ずっと変わらないタイプ。借り入れ後に金融市場の金利が上昇しても返済額が確定しているので、景気に左右されることがない。一方で金利が下がってもその恩恵にあずかることはできない。

2.固定金利期間選択型
「最初の3年間は○%で固定」といったように一定期間は固定金利となるタイプ。数年間は返済額を確定できるので、最初から変動金利は不安な場合などに向く。その分借入れ時の金利は変動金利型より高めになる。

3.変動金利型
半年ごとに金利が見直されるタイプ。もっとも金融市場の情勢に左右され、借入れ後に金利が下がると返済額も減る。ただし、定期的に返済額が上下するので返済計画が立てにくい。

金融機関に住宅ローンを申し込む際は、上記いずれかのタイプを選ぶことになる。

圧倒的低金利が目立つネット銀行

幸い現在の住宅ローンの金利は、ここ30年の中でもかなり低い状態にある。特に金利の低い変動金利型は、最近5年間ずっと年2.475%(2014年6月現在)の低金利を維持したままだ。そのため国土交通省の「平成25年度民間住宅ローン実態に関する調査結果報告書」によると、個人向け住宅ローンの新規貸出額のうち変動金利型の割合がもっとも多く58%、次いで固定金利期間選択型が26.8%となっている。

では、年2.475%の金利があり得ないほど低いかというと、そうではない。各金融機関のホームページを確認するとすぐに分かるが、金利1%以下は当たり前となっている。これはほとんどの金融機関が、独自の審査基準をクリアすることなどを条件に、一定幅の金利引き下げプランを用意しているからだ。

特にネット銀行系の低金利が目立ち、中には年0.65%という金利も出てきた。金利1%と0.65%ではそれほどの差はないと思うかもしれないが、実際はどうなのか。
金利0.65%と都市銀行や地方銀行に多い金利0.975%を比べると以下のようになる。

・金利0.65%で4000万円を借り、35年で返済するケース(元利均等)
毎月返済額:10万7000円
総返済額:4474万円

・金利0.975%で4000万円を借り、35年で返済するケース(元利均等)
毎月返済額:11万3000円
総返済額:4723万円

総返済額の差額は249万円。およそ新車1台分だ。
なぜこのような低金利が実現できるのか。そのサービス内容が対極にある地方銀行を例に比較・検証してみよう。

民間金融機関の住宅ローン金利推移。現在はここ30年間の中でもかなり低い水準。</br>特に変動金利型は5年間上がっていない(出典:住宅金融支援機構)民間金融機関の住宅ローン金利推移。現在はここ30年間の中でもかなり低い水準。
特に変動金利型は5年間上がっていない(出典:住宅金融支援機構)

ネット銀行の住宅ローン審査が通るのは明確な基準をクリアした人だけ

ネット銀行といっても数多くあり、それぞれに金利や審査基準がある。そのため一概に、こうだとは言い切れない。しかし、以下のように低金利ゆえに設けている代表的な申込方法や審査基準がある。

・ネットのみで申込が完了
ほかの金融機関の多くは、担当者と対面して申込方法や審査を通す方法を相談できる。一方でネット銀行は基本的にネット上ですべて完結。申込方法など事務手続きに関しては電話で問い合わせできるところもあるが、対面でのやり取りはない。

・最低年収の設定が高め
他の金融機関では、申込資格として前年度の税込み年収を150万円から200万円以上としているところが多いが、ほとんどのネット銀行では300万円以上と高めに設定している。

・申込プラン以外の金利は不可
たとえば金利1%の住宅ローンに申し込んだら、この金利だけで審査が行われる。「1.2%ならばOKですよ」といった提案はない。

・規定の申込書類以外の添付書類は考慮しない
住宅ローンの審査に必要な書類といえば、家の登記簿や源泉徴収票のコピーなど、物件の権利関係や申込者の収入を証明できるものだ。地方銀行などでは、より審査が有利になるように資格関係の合格証明書や所有する資産を証明する書類を求められるが、ネット銀行では規定の書類以外は考慮されない。

イレギュラーな条件でも審査を通す方向で動く地方銀行

地方銀行もネット銀行と同様に各行によって金利や審査基準が異なる。そこでここではあくまで代表例を紹介する。

・対面によって手続きが進む
住宅ローンの申込手続きは、基本的に店舗の窓口か申込者の自宅で行う。その際には、個人的な労働条件や収入に合せた審査の通し方などを提案してもらえる(必ず通るわけではない)。なお、都市銀行でも窓口の相談は受け付けている。

・若干金利を上げてでも審査を通す
たとえば金利1%のプランの審査が通らなかった場合でも、「1.2%なら通します」といった提案がある。

・規定の申込書類以外の添付書類も考慮
より低い金利を出すため、または審査を通りやすくするために様々な書類を考慮する。その種類は積み立て型生命保険の保険証券、仕事で使う資格の免許証や担保となる物件の性能を証明する住宅性能評価書など多岐にわたる。

このようにネット銀行は、低金利を実現するために比較的多くの安定的収入がある人以外は審査が通りにくい。
一方で地方銀行は金利が高めだが、それ以外の人でも対面しながら相談することで審査が通りやすくなる、といった特長がある。

2014年 07月09日 10時12分