住宅売却時の税金についてくわしく知っていますか?

住み慣れた家でもライフスタイルの変化などで手放す日が来るかもしれない住み慣れた家でもライフスタイルの変化などで手放す日が来るかもしれない

住宅の売買には様々な税金がかかる。たとえば購入時なら登記に対する登録免許税や都道府県税である不動産取得税、また増税したばかりの消費税(土地は非課税)などだ。
このような購入時にかかる税金の存在は比較的知られているだろう。様々なサイトや雑誌などで解説しているのでくわしくはそちらで確認してほしい。

しかし、売却時の税金に関して知っている人はあまりいないのではないだろうか。
ライフスタイルや仕事のやり方が多様化している昨今。今のままのマイホームにいつまでも住み続けるとは限らない。また、「金額が数千万円以上にもなり得る住宅の売却ならば、そこにかかる税金もかなり高額なのでは?」と心配する人もいるだろう。そこで住宅売却時にかかる税金の解説をしたい。

所有期間5年以下の物件を売却すれば税率39%になることも

住宅を売却した際の利益は、所得税と住民税の対象となる。ただし給与所得などほかの収入とは分けて計算する分離課税となるため、住宅を売った翌年は確定申告が必要だ。
課税の対象となる金額(譲渡所得金額)は、以下の算式によって算出する。

課税譲渡所得=売却額-(購入価格+譲渡費用)

購入価格には土地や建物の代金のほか、仲介手数料や登録免許税など物件の取得にかかった費用がすべて含まれる。ただし建物に関しては減価償却費相当額を控除する。
譲渡費用とは、売却の際に支払った仲介手数料や測量費などだ。

売却額からこれらを差し引いた金額が課税譲渡所得となる。
税率は長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって異なる。
●長期譲渡所得
土地や建物を売った年の1月1日現在で、その物件の所有期間が5年を超えるもの
●短期譲渡所得
土地や建物を売った年の1月1日現在で、その物件の所有期間が5年以下のもの
それぞれの税率は以下のようになる。

長期譲渡所得:所得税-15% 住民税-5%
短期譲渡所得:所得税-30% 住民税-9%

この税率だと、5年以下の所有の物件を売却し、1000万円の課税譲渡所得ならば390万円を納税しなければならない。やはり大きな額だ。

確定申告することで利用できる様々な特別控除

しかし、確定申告をすることで様々な特別控除が受けられる。たとえば次の特例によって課税譲渡所得が3000万円以下だと税金はかからない、つまりゼロになるのだ。

●3000万円の特別控除の特例
自分の住んでいる家や土地を売った場合といった一定の要件を満たしていれば、譲渡所得から3000万円の控除が受けられる制度。条件などは国税庁のホームページを確認してほしい。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

そのほかにも住宅の売却時には以下のような特別控除がある。

●軽減税率の特例
課税譲渡所得が3000万円を超えたとしても、その物件を売却した年の1月1日現在で10年以上所有していれば3000万円の特別控除の適用後の金額に対して以下のように税率が軽減される。

課税譲渡所得6000万円までの部分:所得税-10% 住民税-4%
課税譲渡所得6000万円を超える部分:所得税-15% 住民税-5%

*確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(原則として、その年分の所得税額)に2.1%の税率を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになる。

●買換え(交換)の特例
住んでいる家を買換えまたは交換した場合、譲渡価額が1.5億円以下、売った年の1月1日現在で所有期間10年超などの一定要件を満たしていれば、売却価格から購入価格を差し引き、残った金額に課税される特例が受けられる。
だだし、3000万円の特別控除の特例または軽減税率の特例とは併用できない。

※特例についてはそれぞれ細かい条件があるため詳しくは国税庁のHPを参照にしてください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/jouto.htm

購入時より安い価格で売却となった場合

家の価格が買ったときよりも売った時の方が安くなってしまった場合、4年間に渡って給与所得などほかの収入の所得税が控除される。
たとえば4000万円の家を3000万円で売って1000万円の損失となったとする。この1000万円が給料と損益通算することができるので、確定申告によって税金が戻ってくるのだ。
この特例は住宅を買換える(イ)、買換えない(ロ)によって下の図のように適用要件が異なる。

確定申告と聞くと面倒に思うかもしれないが、これによって課税対象とならなくなったり、給与所得から所得税が控除される場合がある。つまり一般的な住宅の売却であればほとんど税金を納めずに済むケースが多いのだ。そのため必ず行いたい。

購入時より安い価格で売却となった場合の特例は,住宅を買換える(イ)、</br>買換えない(ロ)によって適用要件が異なる(出典:国税庁ホームページ)購入時より安い価格で売却となった場合の特例は,住宅を買換える(イ)、
買換えない(ロ)によって適用要件が異なる(出典:国税庁ホームページ)

2014年 04月14日 10時03分