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景気と不動産市況

他の商品を購入するときと同様、住宅に関しても、購入するタイミングは意外と重要です。

1つとして同じ物件がないのが不動産の特徴なので、一概には言い切れないのですが、個々人のライフプランで先行きが見通せるのならば、景気や市況の悪いときに購入する方が旨味のある買い物ができる可能性が高いわけです。

別コラムでも記載していますが、一般的に住宅(不動産)の価格は需給関係で決まります。つまり、景気が良いときは物がよく売れるので選択肢が減り、価格も高くなりますが、逆に不景気のときには在庫が増えるので選択肢が増え、価格が安くなります。

ですから、住宅を購入する前に、まず住宅関連の市況を確認しておくことが重要となります。ここでは、最近のマンション市況を確認してみたいと思います。

首都圏におけるマンションの2009年新規供給戸数は、文末のグラフにあるように、(株)不動産経済研究所の調べによると36,376戸(前年比16.8%減)と5年連続の減少となっています。

その背景は、2008年のリーマンショック以降の世界的不況による購入者の購買意欲の減退と、日本独自の事情である2007年の建築基準法改正で建築確認・検査が厳格化したことによる供給者サイドのスタンス変化の影響です。

それに対して㎡単価(1㎡当たりの購入金額)は、わずかながら前年よりも下落したものの64.2万円/㎡と、過去15年来では前年に続き、比較的高い水準でした。

参考までに、首都圏における中古マンションは2009年10月~12月の成約件数7,587件(前年同期比18.1%増)と、4期連続で前年同期を上回っています。それに対して㎡単価は、37.86万円(前年同期比2.1%下落)と前年同期比は6期連続で下落しています。

以上から、「新築物件について、供給数は減っているが値崩れはしていない。中古物件が値下がっていて活況を呈している」ということがうかがえます。

昨今の不況の影響で、雇用環境は厳しく、失業率が高止まっている状態です。その影響を受け、所得も伸びないこともあり家計は節約志向に向いがちで、個人消費も落ちてきています。

それゆえ、国は景気対策として、波及効果の大きい住宅関連分野に対し、別コラムでも記載している以下のような優遇制度を打ち出しています。
・住宅版エコポイント制度
・長期優良住宅向け当初10年間ローン金利1%引き下げ(フラット35S)
・住宅ローン減税の拡充など

この不況は、確かに販売する側には厳しいですが、購入する側にとっては新築・中古物件問わず選択肢が多く、また国の優遇制度などの活用が可能で金利も低水準でローンも借りやすい、と一概に悪い環境とは言えないでしょう。

景気が良くなれば、将来への不安も薄らいで消費意欲が湧いてきますが、物価や金利も上昇しますので、いつが買い時というのは難しいですよね。文末の新築マンション供給戸数のグラフを見ていただくとわかりますが、皆の所得が高かったバブルの頃(87~91年頃)の供給戸数は、決して多くなかったのです。

住宅は、「人生で一番大きな買い物」ですので、無理して決めるものではありませんが、漠然とした不安や気分で決めるものでもないと思います。いろいろな情報を整理して、自分なりの見方で冷静に判断することが大切です。

●首都圏マンション・供給戸数と㎡単価

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首都圏マンション・供給戸数と㎡単価

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