土地価格相場はどのように決まるのか?

土地の価格は、立地条件、周辺環境、適用される都市計画の内容、敷地形状、道路条件などの違いによって左右されますが、最終的には売主と買主の意思が合致することによって決まります。しかし、特別な事情がないかぎり、周辺よりも安く売りたい売主、周辺よりも高く買いたい買主は存在しませんから、合意できる価格水準がおのずと絞り込まれていきます。その水準が「価格相場」だと考えれば良いでしょう。

土地の価格相場は過去に取引された価格事例の蓄積などをもとに形作られていきますが、経済環境の変化などによっても大きな影響を受けます。地価上昇期であれば、売主は過去の事例よりも少し高く売りたいと強気になり、買主は少し高くても買いたいと考えることで相場も上昇していきます。逆に地価下落期であれば、売主は少し安くても仕方がないと弱気になり、買主はもっと安く買いたいと考えることで相場も下がるのです。

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土地価格相場

取引事例比較法と収益還元法

対象不動産と近い条件を持つ物件の取引事例を多く収集し、個別の要因による補正や時点修正などをしたうえで価格の評価をするのが「取引事例比較法」です。この場合、売り急ぎや投機的要因があったような物件の事例は取り除かれます。しかし、近隣地域や同じ需給圏内で取引事例がなかったり、極めて少なかったりする場合には、適切な価格を評価することができません。また、取引事例比較法だけに依存するとバブル期前後に見られたような土地価格の急騰、急落を招くことにもなるでしょう。

バブル期の反省から、土地の本来の価値に着目して価格を評価しようと使われるようになったのが「収益還元法」です。この方法は、対象不動産が将来生み出すと予測される収益を現在価値に換算するもので、取引事例比較法よりも合理性が高い方法だとされています。しかし、賃貸用不動産や事業用不動産の敷地の評価には有効なものの、収益を目的としない一般住宅地では必ずしも適切な価格を導き出せるとはかぎりません。また、還元利回りをどう設定するのかによって、評価が大きく変わる場合もあります。

具体的な土地価格相場を知るには?

取引価格の指標にすべきものとして国や都道府県が発表する価格に、公示地価(毎年1月1日時点)や基準地価(毎年7月1日時点)があるものの、実際の土地価格相場とは乖離していることが少なくありません。そこで、自分が土地を購入しようとするエリアが絞り込まれていれば、その周辺地域で売り出された土地の情報を数多く集めることが、具体的な土地価格相場を知るための近道です。国土交通省による「不動産取引価格情報検索」のページでは、数多くの事例を集めることができるものの、個人情報への配慮などから物件の特定は困難です。そのため、具体的な事例を集めるには、新聞折込チラシなど広告の収集やインターネットによる情報検索のほか、不動産業者に成約事例などの情報を提供してもらうことが有効です。

集めた事例の価格は、その売り出し価格ではなく1㎡あたり、または1坪あたりの単価に換算して比較することが大切です。また、それぞれの土地が持つ条件の違いを意識しながら、なぜ価格の差が生まれるのかを考えることも欠かせません。そうした作業をしばらく続けることで、まずは一定地域における相場観が生まれます。他の地域における土地価格相場を考えるときには、その相場観を基にして公示地価などの水準の違いや傾向を当てはめていけば良いでしょう。

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