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住まいコレクション | スウェーデンで培った“白”を基調とした憩いの空間 | 女優 川上麻衣子さん

リビング全景

女優業で活躍する傍ら、ガラスデザイナーの顔を持つ川上麻衣子さん。インテリアデザイナーとして活躍されるご両親の北欧留学中にスウェーデンで生まれたことからも、そのご自宅は日本人離れした北欧のテイストがふんだんに盛り込まれています。レインボーブリッジを目の前に望む個性的なマンションの一室は、まさにスウェーデンの文化を象徴するような“白”を基調としたお部屋。ご自身がデザインされたガラス作品に囲まれた上品な空間を拝見してきました。

北欧のテイストを取り入れた“白”へのこだわり

川上さんのご自宅となるのは、築20年ほどの港区のマンションの一室。リビングに入るとコの字型の全面ガラス張りの窓からは、東京湾の海のきらめき、夜景も美しいレインボーブリッジが望め、停泊する船の汽笛が聞こえてきそうな開放的な空間が広がっています。そして、2LDK、100m2ほどの室内をさらに広く感じさせているのが、徹底して“白”にこだわったインテリア。自称「引っ越し魔」という川上さんが、これまでの住まい選びでこだわってきたのは、利便性もさることながら、天井の高さと“白”へのこだわりだったと言います。

「私は、インテリアデザイナーのご両親が海外留学中だったスウェーデンで生まれています。その後すぐに両親も日本に戻り、私がスウェーデンに暮らしたのは、小学校3年生からの1年間だけでしたが、大人になってからも毎年のように訪れる中で自然と住まいに求めるのは北欧の白を基調とした空間でした」

実際にお部屋の中を見渡してみても、玄関を開けた瞬間から、天井・壁はもちろんのこと各部屋のドアや家具のほとんどがホワイト。もちろん、センスよく置かれた小物やファブリックに遊び心のあるカラーが散りばめられているが、白の空間がより室内を広く、明るく、開放的に感じさせてくれます。この日は雨が降り出しそうな曇り空でしたが、照明をつけなくとも、お部屋は輝くように明るい印象でした。

「スウェーデンでは、室内を白でコーディネートするのがもはや文化ともいえるほど。夏になると街中のお店では白いペンキが沢山並び、どの家庭でも庭で家具の塗り替えをしています。なぜそこまで白にこだわるのか私もはっきりは分かりませんが、冬の日照時間が短い地域ですので、その分室内で明るさを感じたいという土地の人々の思いがあるのかもしれません」

特に意識しているわけではなく、ご自身も大好きな国になったスウェーデンの暮らしの影響から、知らずしらずのうちに住まい探しの際には、ドアや扉が白い空間を探してしまうのだと言います。

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自称「引越し魔」という川上麻衣子さん。ご両親は著名なインテリアデザイナー。ご実家もそのセンスの素晴らしさから、常に取材を受けるような家だったといいます。そのため整理整頓は幼い頃から身についていたとか。現在のお部屋も決して物が少ないわけではないのですがスッキリとした印象に整えられています

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キッチンは扉などがもともとピンクを基調にしていたが、DIYで白に変更されたのだとか。扉の取っ手も本国スウェーデンの「IKEA」で購入し、変更したもの。もちろんケトルまで“白”。小物選びにも余年がありません。

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ガラスデザイナーとしての事務所も兼ねるご自宅は、リビングに置かれた大きなテーブルが仕事スペースや打ち合わせスペースにもなるのだとか。「1日中ここにいることが多いですよ。ここに住んでからは住まいにおける景観の重要さを実感しています」(川上さん)

自然と培った「物を大切にする」文化

ヨーロッパは、物を大切にすることでも有名ですが、こちらのお部屋の中にも年代物の家具が沢山あるそうです。

「意識をしているわけではないのですが、好きなものに囲まれて過ごしたいと思っているうちに昔から持っているものも増えていますね。例えばリビングに置いたサイドボードなども10代の頃に『丸井』で買ったものです。もとは茶色の木製の家具だったのですが、自分で白く塗り直しました。決して高級なものではないのですが、手をかけていると愛着が沸いてしまって手放せなくなっています」

またリビングに置かれた立派なソファーは、なんとインテリアデザイナーのお父様が60年前にご自身でデザインして造られたものだとか。60年前といえば日本の高度成長期が始まったころ。まだまだ畳が主流の時代だからこそ、クッション部分は取り外せて座椅子としても使える斬新なデザインになっています。

「これは父が祖母にプレゼントしたものですが、祖母がなくなってから私が譲り受けました。もともとはこげ茶色のソファーでしたが、木枠を白で塗り替えて、クッション部分の革も白いものに張り替えています。ヨーロッパでは、おじいさん、おばあさんの時代から受け継いだ100年物の家具というのも普通に家にあって、みなさんテキスタイルを替えながら大切にしています。そういったことが自然と身についているのかもしれません」

家具ばかりではなく、ほかにもこちらのお部屋には、さりげなく置かれたものが家族の歴史を感じさせるものが多くあります。例えば、ディスプレイの要素にもなっている木製のおもちゃも川上さんがお腹にいる時にお母様がよく遊んでいたものだとか。

「これもスウェーデンのもので、単純なボードゲームなんですけど、温かみがありますよね。母が使っていたものは塗装のしていない茶色の木製のものですが、4、5年前にスウェーデンで、まったく同じデザインでブラック×ホワイトに化粧直しをしたタイプを見つけました。嬉しくて買ってきてしまいました。まだこういったおもちゃが売られている。なんだか温かい気持ちになりますよね」

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もちろん、ベッドルームも白を基調にまとめられています。左奥に見えるのは猫ちゃん用のケージ。猫好きで知られる川上さんの家には現在3匹の猫ちゃんが。ケージはもともと白いものを購入されたとのことですが、3階建てに改装するためのボードなどは川上さんが白く塗って完成させたもの

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10代の頃に「丸井」で購入されたというサイドボード。丁寧にご自身でお化粧直しをし、いまでもリビングの一部に。日本では、住み替え時に家具を一新することも多いですが、こうして手をかけて、お気に入りのものを長く使っていくのも素敵なことだと改めて教えていただきました

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こちらのソファーが、お父様が60年前にデザインして造られたもの。さすがインテリアデザイナーのお父様の作品とあって、年代よりも個性を感じさせてくれます。クッション部分は取外すことができて、座椅子のように使うことができるのだとか

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スウェーデン製の木製のおもちゃ。木版に開けられた穴に落とさないよう、木版を上手にコントロールしながら銀玉を運んでいきます。実際にやってみるとこれが単純ながらなかなか難しい! 左はお母様が遊んでいらしたもの。右は新しく川上さんがスウェーデンで見つけて購入されたものです

住まいは“想像力の湧き出る場所”でありたい

“白”にこだわり、一つひとつ自分の好きなものを吟味しながら、また手をかけて住まいをつくりあげていく暮らし。川上さんにとって、住まいは「想像力が湧き出る場所」でありたいと言います。

「住まいは、生活の場ではありますが、私にとっては想像力の湧き出る空間だと思っています。仕事をするにしても、料理をつくるにしても“楽しむ”ことを大切にしたいですよね。そのためにも自然と発想が出てくるような、心地よい空間を心がけています。景観もそのひとつですし、白という空間もそのためのものだと感じています」

ガラスデザイナーとしても活躍する川上さんは、2年に一度個展を開いて早10年になるといいます。今年11月には第6回目の個展が予定され、これからその準備も本格的になるのだとか。

今年は「チューリップ」をモチーフにしたガラス作品を構想中とのこと。こっそりと貴重なデザイン画も拝見させていただきました。「甘いだけのかわいさではなく、大人のかわいさ」を表現したいという川上さん。そのデザイン画を描いているのもこのリビングのテーブルです。心地よい空間、ふと窓を見上げれば広がる東京湾の風景が、また新たな発想を運んでくれることでしょう。

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室内には、ご自身がデザインされたガラス作品が大切に並んでいます。初期の作品はやはり“白”を基調にした作品が多く目立ちます。ハートをモチーフにしても、甘くなりすぎず、大人のかわいさを追求しているのが川上さん流

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スウェーデンでもガラス工芸は盛んですが、デザイナーと職人は明確に分業されているのだとか。川上さんもデザイナーとして個展に臨みますが、試作段階ではご自身でガラスを吹くそうです。独特の歪みなどが味わいをもって作品に反映されています

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第5回の個展のテーマは「ストライプ」。写真のグラスたちはその時の作品。脚であるステム部分の不規則な模様が透明感と温かみを同時に感じさせてくれます

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こちらのお部屋は、テラスが広々としているのも特徴。天気のよい日には食事を楽しんだり、時にはお仕事もするのだとか。お友達がワインを持って訪れることも多く、景色を楽しみながらのホームパーティが開催されます

#プロフィール / 川上麻衣子さん 女優・ガラスデザイナー

1966年生まれ。インテリアデザイナーであるご両親の留学中にスウェーデンで生まれる。9才~10才までの1年間をスウェーデンで過ごし、その後1978年に玉川学園中学部に入学。中学時代から児童劇団で演技のレッスンを受け、1980年にはTBS「3年B組金八先生」に出演し人気を博す。テレビ、舞台で女優として活躍する一方で、2005年からはガラスデザイナーとしてガラスや食器、オブジェなどのデザインを手がける。2015年11月には第6回目となる個展を東京・港区のギャラリー「MITATE」で開催した。

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ライター

  • 福島朋子
  • 福島朋子
  • フリーランスライター/編集者
  • 1974年生まれ。日経BPコンサルティングでクロスメディアコンテンツの制作などに従事。2012年にフリーランスに転身。3人姉妹の長女として、都内にある“狭小住宅の実家”に悩む日々。読者目線で住まいのお悩みに迫ります!

(2017/03/29)

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