住宅を購入するときには、情報収集、物件見学、購入契約、住宅ローン申し込みなど、さまざまなプロセスがあります。専門知識のない素人にとっては難しい書類に記入したり、金融機関に申し込んでローンの審査を受けたりと、ちょっと不安なことも……。そこで、実際に住宅を購入した人の体験談に耳を傾けてみましょう。よくある失敗とは?どんなことに注意したらいい?入居までのSTEP別にまとめました。

STEP1予算と希望条件を決める

失敗談

駅から遠いけれど環境は抜群のマンション。売ろうと思ったときには、資産価値が大幅に下落

マンションを購入する際、将来的に子どもが生まれて大きくなったら、売却してより広い家に移るための資金とすることも視野に入れていました。立地はバスで15分と駅から遠いのですが、住環境は抜群。私も妻も気に入って生活していました。ところが、数年後に売ろうとしたときに付いた値段は購入価格の6割ほど。資産価値が大幅に下がっていました。その価格では売るに売れず、やむを得ず今も住み続けています。今にして思えば、資産価値があまり下がらないことを希望条件にして、物件を選ぶべきでした。

教訓物件の資産価値は駅からの距離と切っても切れない関係にある
新築物件は完成・入居とともに、そこから先は少しずつ資産価値が下がっていくものであり、それは仕方のないことです。ただし、その下落幅は物件によって異なります。条件がいい物件ほど下落幅が小さくてすみますが、中でも影響が大きいのは路線と最寄駅からの距離。通勤や通学に便利な路線で駅に近い便利な物件なら、仮に10年後に売却することになったとしても、資産価値はそれほど大きくは下がらないと考えられています。

STEP2物件情報を収集する

失敗談

決めうちした物件にこだわり過ぎて、紹介された希望条件に合った物件を見逃すことに

インターネットで物件を探し、そこに決め打ちして不動産屋に問合せして、売約済みだったら、またネット検索して探しました。ある不動産屋さんに問合せたとき「その物件は売れちゃったけれど、もっとオススメの物件があるから見に来ませんか」と言ってくれたのを、つい面倒になって断ってしまって……。2週間後に思い直して、その不動産屋さんに行ってみると「売約済み」とのこと。資料を見せてもらったら本当に私の希望どおりの物件で、もったいないことをしました。

教訓物件情報の収集はいろいろなルートで。その中でよい不動産会社に巡り合えることも
物件情報は、インターネットやチラシに掲載されたり、不動産会社の店頭に掲示されたりするものばかりではありません。不動産会社が自社のお得意様限定で公開する物件情報もあります。そうした物件の中に「もっとオススメの物件」があったのかもしれません。物件情報の収集は、できるだけいろいろな方法を併用して行いましょう。気になる物件があったらどんどん問合せをして、不動産会社も何件か行ってみましょう。ていねいに対応してくれる不動産会社、情報をたくさん持っている不動産会社があったら、条件を伝えて資料を送ってもらうようにすると、よりいい物件に出会える可能性も高くなります。

STEP3問合せ・物件見学

失敗談

モデルルームを見て気に入った新築マンション。でも、実際に入居した部屋の雰囲気がなんか違う気がする

モデルルームを見て気に入り、購入した新築マンション。ところが、いざ入居してみたらちょっと雰囲気が違いました。ドアノブや照明のスイッチなど、細かい部品がモデルルームのものと違っているような気がします。もうモデルルームは閉鎖されてしまったので、確かめようがないのですが、なんだかちょっとだまされたような気分……。

教訓モデルルームを見学するときはカメラを持っていき、部品などを撮影しておきましょう
モデルルームを見学する際に部品などはすべて撮影しておき、引渡し前の内覧会などで実際の物件と照合しましょう。そうすれば同じ部品が使われているかどうか、ひとつひとつチェックすることができます。モデルルームにある部品のどこまでが標準仕様なのか、どの部分がオプションなのかも確かめておきましょう。また、モデルルームと実際の物件では天井の高さが異なる場合もあります。部屋の開放感・圧迫感は天井の高さによる部分も大きいので、モデルルームにメジャーを持っていって図り、図面と照らし合わせて確認しておくといいでしょう。

STEP4購入申し込み

成功談

その土地の不動産事情に詳しい友人に相談して、自分たちの選択に間違いがないかどうかをあらためて確認

いくつもの物件を見学し、熟慮を重ねて購入申し込みに踏み切っても「本当にこれでよかったのかな?」という疑問が消えませんでした。そこで、近くに住む不動産会社勤務の友人に相談。選んだ物件の概要と購入金額、自分たちが気に入った点などについて話したところ、「それは出物だね。資産価値が大きく下がることはまずないよ」とのこと。安心してその後の手続きを進められました。

教訓住宅購入は生涯でいちばん大きな買い物。身近な人たちの意見も参考にしながら検討しましょう
家は生涯でいちばん大きな買い物。数ある中から1軒を選んで購入するとなると、慎重になるのは当然です。そんなとき、第三者の客観的な意見はとても参考になります。別の不動産会社に勤める友人がいなくても、親や兄弟、親戚、あるいは友人などに声をかけて、意見を聞いてみるのもいいでしょう。最近、家を購入した知り合いがいれば、ぜひそうした人の体験談や意見にも耳を傾けてみましょう。

STEP5住宅ローン事前審査

失敗談

クレジットカードのリボ払いで残債があったせいで、住宅ローンの事前審査に通りませんでした

購入申し込みのあと、住宅ローンの事前審査に申し込んだのですが、審査に通りませんでした。理由は、クレジットカードのリボ払いで残債がかなり残っていたこと。結局、すぐに完済して、もう一度事前審査を受けて事なきを得ましたが、通らなかったと聞いたときはちょっとショックでした。一瞬、もう家を買うのはムリかと落ち込みました。リボ払いの残債が住宅ローンの審査に影響するなんて、まったく知りませんでした。

教訓住宅ローンを申し込む前に、クレジットカードと残債の整理をしておきましょう
家を買うと決めた段階で、クレジットカードや他ローンの残債はなるべく早くなくしておきましょう。キャッシングはもちろん、通常のリボ払いも含めて残債はゼロに。また、クレジットカードを何枚も持っている場合は、必要最小限のもの以外は解約しておくことをおすすめします。必要以上に多くのクレジットカードを持っていると、それが理由で事前審査に通らないケースもあります。

STEP6重要事項説明・契約

失敗談

不動産会社側のペースで重要事項説明が進んでしまい、結局、何が何だかよくわかりませんでした

不動産会社の応接室で行われた重要事項説明。それまではいつも柔和だった担当者がちょっと先を急いでいる感じで、私はその空気に飲まれてしまいました。しかも、出てくる書類は難しくて内容のわからないものばかり。担当者のペースでどんどん進んでしまい、もはや「よくわからないのですが」と言い出せる雰囲気ではなく……。「だから、住宅購入の本やサイトでは『重要事項説明書は何日か前にもらって目を通しておけ』っていうのか」と気づいてもあとの祭り。ヘトヘトになりながら話を聞いて、捺印して。よくわからないまま売買契約もしました。

教訓あらかじめ重要事項説明書に目を通して不明点を明確にして当日に臨みましょう
重要事項説明と売買契約は続けて行われることも多いようですが、重要事項説明書をしっかり確認したいので先に目を通しておきたい旨を伝えれば、不動産会社も対応してくれるはずです。そこでイヤな顔をしたり、対応できなかったりする不動産会社があれば、その会社と信頼関係を築くのは難しいかもしれません。先に目を通して、不明な点をはっきりさせておけば、当日の重要事項説明の時間も短縮でき、双方にメリットがあるはずです。

STEP7住宅ローン申し込み・契約

失敗談

住宅ローンの申し込みから借入までの期間が長くなってしまい、その間に金利が上昇してしまいました

新築マンションの購入契約、住宅ローン申し込みから、マンションの完成まで1年ほど待ちました。いざ借入となったときには金利が上がり、毎月の返済額にして2万円、35年間の総額にして1,000万円近くも上乗せされることになってしまいました。これって、どうしようもないことなのでしょうか……。

教訓支払い額が大幅増になる場合も。頭金を増やして借入額を減らしたり、金利のより有利な借入先を探したりしては
住宅ローンの商品によりますが、金利は「引渡し時点」のものという住宅ローンが多いようです。住宅ローンの申し込みから借入まで時間がかかる場合は、ボーナスをまるまる貯蓄に回すなど、その間に全力で頭金を増やして借入額を減らせば、金利上昇の影響を緩和できます。複数の金融機関に審査を依頼し、金利のより有利な借入先を検討してもよいでしょう。金利の上ではわずかな差でも、支払い額に換算すると大きな差額になることもあります。生活にも大きく影響するので、入念に検討することをおすすめします。

STEP8残金決済・引渡し・入居

失敗談

入居してから気付いた内装の不備。内覧会でちゃんとチェックしておけば……

引渡し前の内覧会。新築の我が家のきれいさに舞い上がってしまい、内装の仕上がりを細かくチェックしませんでした。でも、いざ住み始めてみると、フローリングの表面に刷毛の抜けた毛がくっついていたり、クロスの糊づけが悪くてはがれてきたり……。デベロッパーに掛け合っても「それは内覧会のときに言っていただかないと……」と言うばかり。

教訓残金決済をする前に物件をしっかりチェックできる最後の機会が内覧会。よく確認し、必要な修理は依頼しましょう
内覧会は購入した物件に初めて足を踏み入れることのできる機会。うれしさに舞い上がってしまうのは無理もないことです。ただ同時に、内覧会は残金決済をする前に物件をチェックできる最後の機会です。ここでチェックするべき点をチェックして、仕上がりに問題がある場合は指摘し、修理を依頼しなければ、そのまま引き渡しということになります。気を引き締めて、隅から隅までチェックすることを念頭に置いて臨みましょう。

まとめ

住宅購入への道は、複雑に入り組んでいて、思いがけない問題や障害に突き当たることもよくあります。しかし、入居までの基本的な手続きの流れと、実際に購入した人がどのような体験をしたかがわかれば、いくらかでも歩きやすくなるはずです。身近に住宅購入の経験者がいたら、ぜひ話を聞いてみてください。きっと参考になることがあるに違いありません。

■関連記事

 

【不動産プロが教えるマンション選び:自宅投資編】 資産価値が落ちにくい物件とは?

一戸建てとマンションの違い

知っておきたいマンション固定資産税・都市計画税とは?計算方法や軽減措置を解説

【中古マンション価格推移を読み解く!東京編】2016年、今は買い時?売り時か?

住宅購入の隠れた穴場も分かる?東京の駅、検索伸び率ランキング~2015年度購入編