代表的な構造の種類

構造
代表的な構造の種類

1.木造(一戸建て・集合住宅)
木造とは、土台、柱、梁、桁などの主要構造部材を木材で作る建築物。軽量で、土地に影響を与えにくく、金物や筋交いや合板等によって適切な補強をすれば耐震性に優れています。経済的にも魅力的です。しかし、部材の変形が大きいなど不利な点も多いので、建築規模に制限があります。
また一般に木造住宅の寿命は20年~30年と言われているので、古い物件には注意が必要です。ただし、木造のアパート、プレハブ系建築会社のアパートは、上下規則正しく壁や柱が配置されているので、古くても戸建住宅よりも耐震性が高い場合が多くあります。むしろ木造住宅の危険性は、シロアリや壁体内結露による柱や梁の劣化かもしれません。木造は火事に弱いと考えられていますが、火で焼かれても柱の表面が炭化するのみで内部まで完全に燃えるには時間かかり、短時間に建物全体が崩壊するというケースは稀です。

2.鉄骨造(S造)(一戸建て・集合住宅)
鉄骨造とは、骨組に鉄骨を使用した構造のことです。S造(STEEL造)ともいいます。
使用される鉄骨の種類により、重量鉄骨造と軽量鉄骨造があります。通常「鉄骨造」という場合は、重量鉄骨ラーメン構造のことを指します。H型鋼などの鋼材を使用して、柱や梁をボルトや溶接で剛接合した軸組工法です。設計の自由度が高く、耐久性も優れています。鉄筋コンクリートに比べて軽いので、超高層マンションなどでも採用されています。構造材が不燃物なので火事に強いと誤解されがちですが、鉄骨は摂氏540℃程度で急激に強度が失われるので、消火に手間取ると一気に建物が倒壊する危険性を持っています。

3.鉄筋コンクリート造(RC造)(一戸建て・集合住宅)
引っ張り力に強い鉄筋と、圧縮力に強いコンクリートの長所を生かした建築法で、木造に比べて堅牢な構造形式です。コンクリートはアルカリ性なので鉄筋が錆びるのを防ぐ役割も果たします。一般には中低層の5~6階までの建物が多いですが、最近は技術の進歩により30階建て以上の高層集合住宅も多く存在します。 型枠を組むことができればどんな建物の形にすることも可能ですが、重量が重いのは欠点で土地に与える影響は木造とは比べ物になりません。他にも、コンクリートは時間が経つにつれてひび割れを生じやすいという欠点もあります。火災の面では建築基準法上、鉄筋コンクリートは原則として耐火構造に分類され、燃えにくい特性があります。マンションなどで他の住戸へ燃え広がるケースは稀ですが、高熱にさらされたコンクリートは弱体化しますので、火災後に補強が必要になるかもしれません。

4.鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)(集合住宅)
鉄骨で柱や梁などの構造部分を組み、その周囲に鉄筋を配して型枠を組み、コンクリートを打ち込んで一体構造にした工法です。鉄骨造と鉄筋コンクリート造の長所を生かした工法。
こうしてできた柱は、鉄筋コンクリート構造(RC)の柱と比べて強度に優れるため細くてすみ、耐震性にも優れるので、超高層建築の下部や、7~25階程度の高層建築に用いられます。1923年に起きた関東大震災を契機として、地震の多い日本で独自に発達した構造形式です。施工が煩雑で工期が長くなるため、RC造などに比べてコスト高になります。

耐震性の種類(一戸建て 集合住宅)

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耐震とは、広義には建築構造物などが地震に対して破壊や損傷しないようにすることを指し、狭義には制震や免震と区別して、主要な構造体そのものの強度や靭性を向上させることで破壊や損傷を防ぐことを指しています。

1.耐震構造
建物の供用期間中に数回起こる可能性のある中規模の地震(震度4~5弱)の地震に対してはほとんど損傷を受けず、建物の供用期間中に一度起こるか起こらないかの大地震(震度5強以上)であっても倒壊を防止するレベルで造られています。建築基準法で「耐震構造」は義務付けられており、地震に耐えるよう耐力壁を配置し、筋交いなどを設けることで構造部を強靭・堅固に造り、建物全体で地震エネルギーを受けます。従って繰り返しの地震があると破壊は進行していき、また室内の損傷が大きくなる危険性があります。

2.制震構造
建物に取付けた制震装置(ダンパー)によって、地震エネルギーを吸収する対震構造をいいます。地震や強風による揺れを抑えるもので、主として超高層の建物に採用される構造です。いったん建物内に入った地震エネルギーを制御装置で吸収する仕組みで、制震装置は各階に設置されます。
現在では、耐震補強技術の一環として、一般戸建住宅や中規模の建築物を対象とし、規格化された制震パーツが開発されています。制震機能を組み込んだ「筋交い」など、比較的簡易に取り付けられるものが存在しますが、取り付け位置によっては制震効果がほとんど得られなかったり、逆に構造的なバランスを崩してしまうなど、不用意な利用はできません。

3.免震構造
地震の揺れを免震装置で吸収し、建物上部への地震エネルギーの伝わりを抑えます。耐震は地震力を受けても壊れない(耐える)ことを指し、免震は地震力をなるべく受けない(免れる)ことを指します。耐震設計と比較して大地震時には揺れの強さを1/3~1/5に抑えるため、建物へのダメージはもちろんのこと、室内での被害も抑えるメリットがあります。主に水平方向の揺れによる建物への影響を緩和できますが、垂直方向での揺れに対しては無力なものが多いです。戸建住宅の免震化は、工事が難しい・あるいは建物重量が軽いために効果が薄いとされてきましたが、近年では住宅メーカーなどにおいて様々な免震装置や施行技術が開発されています。またコスト大のため、免震構造は賃貸住宅ではあまり採用されることはありません。

耐震等級(一戸建て・集合住宅)

住宅の耐震性能をランク付けした等級のことです。
住宅性能表示制度の「構造の安定に関すること」の項目で、等級1から等級3まで3段階で表示されています。「損傷防止」、「倒壊等防止」という2つの目標が達成できるような構造躯体の強さが確保されているかどうかを評価・表示するものです。等級が高くなるほど、より大きな力に耐える住宅であることを表しています。
東京を想定した場合、数十年に一度程度発生する力は震度5強、数百年に一度発生する力は震度6強~震度7に相当します。
適用範囲は一戸建てと集合住宅(マンション等)です。

1.耐震等級(構造躯体の倒壊防止等)
地震に対する構造躯体の倒壊・崩壊等のしにくさ
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等級1:極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級2:等級1の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級3:等級1の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
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2.耐震等級(構造躯体の損傷防止)
地震に対する構造躯体の損傷(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさ
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等級1:稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力に対して損傷を生じない程度
等級2:等級1の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度
等級3:等級1の1.5倍の力に対して損傷を生じない程度
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一般的に等級が上がるほど柱や梁が太くなり、窓などの開口部が小さくなる制約が出やすくなります。

築年数(一戸建て・集合住宅)

阪神大震災の被災状況をふまえた「建築基準法」の改正が2000年にありました。確認申請や工事期間を考慮して、2001年以降の物件なら比較的安全と言えます。
宮城県沖地震をふまえ新耐震設計基準が導入された1981年~2000年の物件でも、中規模クラスの地震であれば、それほど心配する必要はないでしょう。

地盤

埋め立て地と高台
見晴しのいい埋め立て地と高台

建物がどんなに立派でも、地盤によって危険な物件もあります。地盤にあわせた建築はされている?切り崩したり埋めたりすることで危険度は変わる?見た目には分かりづらいですが、物件選びの大きなポイントです。
一般的には表層地盤が固い地盤ほど揺れにくく、柔らかい地盤ほど揺れやすい特性を持っています。

1.埋め立て地
液状化現象と呼ばれる舗装や構造物などが揚圧力を受け破壊、沈み込みを起こすケースがあり安全面で不安があります。東日本大震災の際、千葉県や東京湾の一部埋立地、茨城県などで液状化が発生しました。
役所の建築指導課で近隣のボーリングデータ(土質柱状図)を見せてもらうと、大体の地盤状況をつかむことが可能です。
重たい建物の設計はそのデータをもとにされているので、地盤が弱ければ杭を長くして支持力が強化されているはずです。
しかし、木造など軽い建物は安易に建てている場合があり注意が必要です。2000年からは木造でも安易に建てられないように建築基準法が改正されています。

2.見晴らしのいい高台
切り土することはあっても盛り土(土を入れる)することはないので、軟弱地盤である可能性は低です。ただ一部窪地があった場合、その部分は盛り土し不同沈下の恐れもあるので安心はできません。
(不同沈下とは場所によって沈下量の異なる地盤沈下をすることです。影響として建物が傾いたり、ライフラインの寸断などが挙げられます。)

2.斜面地
安全な設計がしてあれば問題ありませんが、コストがかさむのを嫌い、危険な設計で建てられた物件も中にはあります。販売会社のセールストークより、ホームインスペクター(住宅診断士)や設計者など住宅の契約に関して利益が発生しない人の意見の方が確実です。また、周辺の地盤もチェックポイントで土砂崩れや崖崩れが起きないよう工事してあるか確認しておきましょう。

地域による地盤の揺れやすさ

揺れやすさ
表層地盤の揺れやすさ

地震による地表での揺れの強さは、主に、「地震の規模(マグニチュード)」、「震源からの距離」、「表層地盤」の3つによって異なります。一般には、マグニチュードが大きいほど、また、震源から近いほど地震による揺れは大きくなります。しかし、マグニチュードや震源からの距離が同じであっても、表層地盤の違いによって揺れの強さは大きく異なり、表層地盤がやわらかな場所では、かたい場所に比べて揺れは大きくなります。この効果を「表層地盤の揺れやすさ」と表現しています。

出展:内閣府防災情報

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